盲目ながらも居合斬りの達人である渡世人の生き様を描いた「座頭市」シリーズの第16弾。
勝プロダクション第1回作品。
山本薩夫が監督を務め、勝新太郎が主演、浜田ゆう子がヒロインを演じ、三國連太郎、西村晃、鈴木瑞穂、遠藤辰雄らが共演。

盲目の渡世人である座頭市（勝新太郎）は、旅先で浪人侍の大原秋穂博徒（鈴木瑞穂）と出会う。大原は凄腕の剣客でありながら刀を持たず、人々に道理を説き、百姓たちからも慕われていた。座頭市は、岩井界隈を取り仕切る富蔵（遠藤辰雄）一家に草鞋を脱ぐと、富蔵親分から朝五郎親分（三國連太郎）への遣いを頼まれる。そこで貧しい農民をかばう朝五郎の心意気に共感し、朝五郎と対立していた富蔵を斬る。座頭市は桐生でしばらく按摩をしていたが、朝五郎が役人（西村晃）と手を結び、村人たちを苦しめていることを知る….　　　　　

「大当たり」
オープニング早々、めくらにもかからず矢で見事に小さな銀的に当てて盛り上げる。
座頭市はサイコロ斬りなど沢山の居合斬りを魅せる一方、冒頭の矢による銀的当てや楊枝で蛾を仕留めるなど盲目ながらも多才ぶりを発揮する。
ヒロインは浜田ゆう子が演じる志乃で、切なくも哀しい恋が哀愁を誘う。
悪人は三國連太郎演じる清滝の朝五郎、遠藤辰雄の演じる岩井の富蔵、西村晃演じる関八州出役の役人・須賀畝四郎。　
ライバルは鈴木瑞穂の演じる刀を持たない剣客の大原秋穂で貧しい百姓に様々な教えを説いており、座頭市も一目を置く。
本作では、優しい心の持ち主が立場が変わると強欲になったり、逆に剣客ながらもどんな状況に陥っても争いを避けて真っ直ぐな信念を貫く者など、人は一見しただけでは分からないことが描かれており興味深い。
そんな無常の世で座頭市は雷鳴轟く中での居合斬りや雨の中での火縄銃との対決など大立ち回りを繰り広げ、悪人たちをバッサバッサと斬りまくる。首や腕が飛び、血飛沫が豪快に吹き出すなどグロイシーンも沢山ある。
最後は一面美しい緑で覆われた大地の中を通る一本の真っ直ぐな白い道を座頭市がひとり去って行く。座頭市の後ろ姿が哀愁を誘う。
「市さん　とうとう大地に血を吸わせてしまったな」
「でも　この大地ってのは　先生がいなくちゃ困るんでしょ　いつまでもお達者で」　　

2024.6　BS12で鑑賞

• #御奉納の祭り
• #百姓一家の親分
• #雨と火縄銃
• #かかしの身代わり

series16作目🎬です・・この作品が勝プロダクション初の自主製作映画です。


村人たちに慕われている博徒の朝五郎を救う為に強欲なヤクザの富蔵を斬った座頭市は桐生に逃れることになる。

市は按摩組合に入り平安な日々を過ごしていたのだが・・人伝に聞いた話では、その後の朝五郎は役人と手を結び、圧政を敷き村人たちを苦しめていると云う。


そして当の朝五郎は市に対して刺客を放って来たのだった・・裏切られた市は憤怒を胸に秘め怒りの仕込み杖が唸りをあげたのだった。

座頭市第16弾
勝プロダクションが製作した最初の作品

これまでのシリーズとはまた違う雰囲気！
シリーズ史上も最も救いがない物語ですが…とにかく盛り沢山な内容👏
市に斬られる側が今作では描かれていて、権力者によって使い捨てにされる弱者として物語に絡んできます！1人の人間の死と残された家族の姿は市の心境にも影響を与えます🤔
武器を持たず権力者に対しても無抵抗を貫く侍も登場し、市との対比も面白い！
腕や頭が飛んだりする殺陣もこれまでのシリーズではあまり見なかったと思います！個人的には賛成💪