座頭市果し状の作品情報・感想・評価

座頭市果し状1968年製作の映画)

製作国:

上映時間:82分

ジャンル:

3.5

「座頭市果し状」に投稿された感想・評価

水曜日

水曜日の感想・評価

2.6
座頭市が宿場に現れて、悪のやくざを叩き斬る!銃で撃たれるも、野川由美子と志村喬が座頭市を助ける。

勝新太郎は、他人を楽しませてナンボを貫いたのか、弱者である盲を最強にしてみせた。その事と半年に1本作られた時代を考えると、この映画の色気も殺陣も展開も批難する気にはなれない。よくここまで作ったと言える。

勝新太郎も2度と現れない俳優だと思うが、妖艶さと時代劇的な美しさの野川由美子も2度と現れないだろう。

「座頭市は盲なのになんで肥ってるの?」小学生の時に質問したことがある。その答えは…墓場まで持っていきます。
渡世人としての顔も見せながらも、見ているこちらからしたらまったく善人の市。だからこそ。

『男たちの挽歌Ⅱ』に「なぜ善人でいることは難しいのだろう」って科白がある。
最後の市の表情に、それを思い出した。
昭和の大俳優の一人、勝新太郎の座頭市シリーズ第18弾…

改めて、座頭の市っあんは盲目の按摩さんであり、世間に一目置かれるヤクザでもあり、そして乗りかかった舟(トラブル)では優しさを魅せる

そんな座頭市シリーズは勧善懲悪の物語でもなければ、美しい恋物語も無い、しかし、その盲目というハンデにも関わらず、鋭く舞うような居合術はまさに超人的で目が見えてる見えてないの関係無しに圧倒的だ

だが、それで悪者や敵対している輩を仕留めたからとハッピーエンドに終わるとは限らない…予定調和では無いのだ

それが座頭市シリーズの最大の理魅力でもある

元々、敵役だが野川由美子のチャーミングな存在感が素晴らしい👍
シズヲ

シズヲの感想・評価

3.8
別に果し状は一切出てこない。ストーリーは座頭市の王道で特に目新しさは無いし、登場人物達のドラマもごくごく無難な感じ。諸々の掘り下げも不足しているのでちょっと味気無いんだけど、渋みのある志村喬や男らしい風貌の待田京介など役者陣は手堅い魅力に溢れている。シリーズ恒例の悪い姉さんポジの野川由美子なんかも美人でグッと来るし、度々猫を可愛がってるのがなんか好き。

今回の殺陣は中々にバイオレンスなのが印象的。冒頭の血飛沫からしてインパクト抜群(直後に流れる『座頭市子守唄』もやっぱり良い)だし、溜めに溜めてから解放する終盤の暴力的な居合いにも兎に角痺れる。重傷を負いながらも強引に応急処置を行い、その後傷も癒え切らないまま仕込み刀を振るう市さんの泥臭い凄味もめちゃくちゃカッコいい。暗闇で野川由美子にじわじわと迫る市さんのホラー感もおっかない。ラストの場面も大分簡素とはいえ『座頭市が背負う業』の描写として端的で解りやすいし、泥濘の中を独り歩き去っていく市さんの哀愁も良きもの。
シリーズ第十八作。エログロが強調され始めることで殺伐としてくるというか、死のにおいがプンプンしてくる感じは良い。まぁそれってシリーズ末期感でもあるんだけど…。しかしだからと言ってあまりにも満身創痍で勝っちゃうのも萎えてしまう。
チェケ

チェケの感想・評価

3.5
このシリーズは大体タイトルが適当だが果し状が一切出てこない今作はさすがに雑すぎでしょ。
Catman

Catmanの感想・評価

5.0
いやぁ面白いな〜。勝新の座頭市は最高ですね。本作はハードボイルド・テイスト強めで血しぶき多め。登場人物の掘り下げがやや不十分で人情味が希薄と言う気は確かにするけれど、『破れ!唐人剣』に続いて安田公義監督は私の好みに合うのかもしれない。陰影と色彩を豊かに映し出す宮川一夫による撮影は見事で、ロケ地の自然は美しく美術セットのクオリティも高く見どころ満載。居酒屋のシーンが多めなのも私には嬉しいポイントです。出演者の中では綺麗な顔してビッチな野川由美子の妖艶な魅力が印象的。もうひとりのヒロイン三木本賀代も純朴で可憐な娘役を好演。志村喬の存在感&安定感は本作に幾らかの深みを与えています。悪役は全般的にあともう一息、もう少しキャラが立っていればなぁ〜

ところで座頭市シリーズは作品数が多いのに題名がアバウトだったりするので内容と一致せずにワケ分からなくなるのですが、今回のは特に酷くて、劇中に『果し状』なんてものは出て来ません(笑)
shogo

shogoの感想・評価

3.5
カタギとヤクザは合間見えないことが象徴されるラストだった。

久々に見ると、勝新太郎の殺陣の緊迫感はやはり段違いである。
クライマックスの刃によるぶつかり合いと地に伏す悪党という絵面が、このシリーズの特徴だ。本作でも、その事を強調するかのように、医者の順庵役の志村喬と用心棒役の待田京介の渋さでストーリーを落ち着かせ、あとは物語のドラマ性よりも殺陣アクションの部分に入れ込みが深いように感じられる。なので、タイトルにもなっている果し状が何なのかは最後までわからなかった。
おにぎりに砂利を入れたチンピラの胸元を市の仕込み杖が一閃すると赤い血煙が吹き上がる。これはなかなか挑戦的。『椿三十郎』のクライマックスをいきなり冒頭からやってしまっておいて、主題歌「座頭市子守歌」が鳴り響くというこの不敵さ。まさに座頭市。
しかし、市はその後の展開でなかなか仕込み杖を抜いて人を斬らない。「メクラの血も赤えや」などと侮辱されたにもかかわらず、敵対者との対決は物語の後半まで尽く回避されるのだ。そんなフラストレーションの蓄積も相まって、野川由美子が怒りの市と会合する場面はホラー映画のような緊迫。長ドスを逆手に持った座頭が雪駄の音をたよりにゆっくりと近付いてくる恐怖を演出している。
お約束のアクションについては、戦いの途中で市が深手を負うのは珍しいと感じたが、特に面白いものはなかった。志村喬が医者なのは回復アイテム的なあれだろう。なので市が怪我をする必要が無かったら、普通の町人でもいいような役回りなのだが、なかなかどうして有能である。渋くて有能なのだ。
秩父を旅していた市(勝新太郎)は浪人・小鹿野弦八郎(待田京介)ら一味に斬られた百姓と遭遇し、医者の順庵(志村喬)の家に担ぎ込んだ。
順庵とその娘・志津(三木本賀代)の好意でしばらく世話になる事になる。
その頃弦八郎やお秋(野川由美子)ら一味は町を仕切る大宮ノ松五郎(土方弘)を脅し、そこを隠れ蓑にしていた。
実は弦八郎は順庵の息子で縁切りされ浪人として生きていたのだった・・・。

勝新太郎版劇場シリーズ第18作目。

黒澤明作品でお馴染みの志村喬が脇を固め、ストーリー的にも複雑に人間関係が絡み面白い。

今作は浪人一味に拳銃で撃たれ瀕死の状態になる座頭市が見ものでした。
大怪我を負い、順庵に治療され倒れていたが順庵親子に身の危険が迫ると戦いに挑むんです。
瀕死になり血だらけで斬りまくる座頭市の姿は恐ろしいが、かっこいい!
そこまでして順庵親子を助けるものの、ラストはその身内である弦八郎と対峙するわけですが…。

何とも虚しい締めでしたねぇ。
スカっとはしないイヤな気分にさせられるというか。
ま、あくまでも座頭市自体がヤクザ者なんですから仕方ないですけどね。
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