売春防止法の施行直前の東京。義治と蔦枝はただあてもなく歩いていた。蔦枝は「赤のついている方へ行ってみたいの」と交差点を思いつきで幾度も渡り、そして二人が辿り着いたのは洲崎にある遊郭街「洲崎…
>>続きを読む大川端に程近い東京の花街。芸者置屋・つたの家に、職業紹介所から女中・梨花がお目見得にやってくる。女将・つた奴のお目見得が無事に済んだ梨花は、お春と名も変えられて住み込むことに。早速使いに出…
>>続きを読む女手ひとつで息子を育てるため、銀座で女給として働く雪子。時折金の無心にやってくるかつての情夫と縁を切り、新たな亭主を得ることを考えたりもするが、いつも想像に終わるのだった。そんなある日、雪…
>>続きを読むはじめは女として、二度目は人間として…。芸者小えんの姿をとらえて人の心の美しさ醜さを描き、大きな感動を与える文芸巨篇。
芸者上りの倉橋きんは、今は色恋よりも金が第一。昔の芸者仲間などを相手に金貸しをやっている。ある時、若い頃にきんと燃え上がるような恋をした男から会いたいという手紙が届く。美しく化粧をして相手…
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