『鬼婆』新藤兼人監督による60年代モノクロ妖怪ホラー

この監督作品はそこまで観ていませんが、毎回人間の汚い部分を見せつけてくる嫌ぁなイメージですw

侍ってカッコいいと思いがちだけど、彼らのせいで大変な目に遭っている百姓たちも当然いて、そちら側をじっくりと描いている感じ。

そこに今回は妖怪も加わり、おどろおどろしさマシマシでした！



平安時代。

落武者たちに暴行殺害された若い娘と母がいた。

同じ頃、羅城門にて声をかけてきた美女について行った侍が、喉を喰い千切られる事件が多発。

そこで、手柄をたて百姓から侍となった銀時が、その犯人を殺す命を受ける。

が、美女は消えた妻に、その母は自分の母にそっくりだった。

妖怪の仕業なのかなんなのか。
それでも妻に母に会いたい。

銀時は命令を無視して彼女たちの下に夜な夜な通うのだが……



落武者に殺された2人は、魔神と契約し、侍の生き血を吸って現世に留まることに。

彼女たちはお察しの通り銀時の妻と母。

銀時が百姓のままなら良かったのに、侍になってしまったがために殺さなければならず。

一方、銀時も命令に従わないと、それはそれで殺されるので、はてさてどうしたら。

なんとも救いのないお話でした(´_ゝ`)

この頃のホラー？怪談？って大体バッドエンドよねぇ～

でも侍を誘き寄せブチ殺すのとか、屋敷の雰囲気とか、モノクロということもあり不気味で面白かった！

新藤兼人監督による妖怪もの。化け猫が武士たちの生き血を吸う！妖怪ものと知らずに借りてしまったけど面白かった。映像がいい。

平安時代、落武者たちに強姦され、家に火を放たれ亡くなった母（乙羽信子）と娘（太地喜和子）。2人は黒猫が化けた妖怪となり、夜な夜な武士たちに復讐する…

冒頭から、男の身勝手で暴力的な行動から始まったので、化け猫になった母と娘が武士たちに復讐する姿が爽快！化け猫なので、猫らしい身のこなしと殺し方。

ストーリーはさておき、幻想的な映像に終始見入りました。轟々と上がる炎、夜の竹林、妖艶な女たち、血を舐める黒猫…どのシーンも幽玄的で美しい。『雨月物語』を彷彿させます。

艶っぽい太地喜和子、妖艶な乙羽信子は化け猫メイクなのに凛としている。夫役には若い中村吉右衛門と、役者も揃ってます。

• #猫が好きです

平安時代。夜な夜な羅城門に侍を誘惑して惨殺する女二人組が現れる。
地獄の戦地から戻ってきた百姓上がりの英雄が女二人組の討伐を命じられる。
ハイブリッドな化け猫映画。なかなか面白い。「鬼滅の刀」の鬼のエピソードにありそうな、わかりやすい少しウエットな物語が展開する。
冒頭の野武士が山から降りてきて農家に入る所から、セリフなしなのだがかなり引き込まれる。エンタメよりの話に能や竹林での横移動なんかのジャパニーズ要素がいい塩梅で、面白い日本映画は黒澤だけじゃないぞ！とカンヌに出品なのも納得。
佐藤慶さんの源頼光がパワハラ上司で大江山の鬼退治もでっち上げで、広告代理店みたいに宣伝が大事というのは異様におもろいし、太地喜和子さんもビーチク隠さず侍を誘惑するなんて適材適所すぎるし、中村吉右衛門さんももっと出演作品見たい！と思わすし。
乙羽さんは案の定、顔面だけで怖いというブレのなさが貫禄十分。
殿山さんは漫画みたいだったがそれで満足。
白黒なんだが、撮影・照明がしっとりしてて黒く潰れるということもなく素晴らしい。