笛吹川の作品情報・感想・評価・動画配信

「笛吹川」に投稿された感想・評価

貧しい百姓一族4~5代に渡る、農民から見た理不尽戦国物語。

戦国時代、武田領、甲斐国にある笛吹川の橋の袂に、虫籠の様な家に住む 戦場での立身出世を夢見る主人公一族代々の息子達と、領主武田家に翻弄されながらも平穏な暮らしを願うが、結果的に戦(戦争)に子供達の命を取られていってしまう両親を軸に物語は進み、最後は救い様の無い結末に向かって行くパターン。

同じ木下監督作品の『陸軍』とプロットが似た 戦国時代を例にした反戦映画だが、こちらの作品のラストはかなりやるせない…。

白黒映画なのにフィルムに焼き付け塗装してる方法で一部分がカラーになってる画面演出で不思議な雰囲気。

高峰秀子先生の15歳から晩年の老婆までの演技も 流石は希代の名女優。

やはり昔の役者さんは演技の振り幅の桁が違いますな~(^^)
Taul

Taulの感想・評価

4.0
『笛吹川』戦国時代を農家の視点から描く。パノラミックな合戦シーンや不気味なカラー演出などまたも演出はチャレンジング。市井の人の戦争への恨みが渦巻く。高峰秀子の15歳から老婆までの名演に見入る。

2011年8月鑑賞
たのQQQ

たのQQQの感想・評価

4.4
お、おっもしれ〜!
戦で何もかも奪われる貧農の世代を超えたストーリー。誰もが何かの生まれ変わり的世界観が無常感MAX。

特殊カラーはまあどうかと思うけれど、途中から話が面白くてあんまり気にならなくなった。一種の民話的味付けと思えば許せなくもない…かも?

デコちゃんと高廣の思い切った老け顔メイク&演技が立派。
(ただし高廣は老人の割には脚ががっちりしてるぞ〜)
役者がすごい豪華&自然がすごく美しい。
山岡久乃さんの調子乗った姉ちゃんの調子乗り振りがグー。
大きくなった上に髪の毛があったから田中晋二くんに最後まで気づかなかった。
台詞なし&出番わずかの川津くんがすごい存在感!

特殊カラーと原泉さんの不気味な存在感のせいでちょっと中川信夫監督「地獄」チックでした。

「先祖代々お屋形様のおかげになって」というセリフがパンチありすぎて腹にくる。



染五郎よ腹から声出せや!
重力

重力の感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます


家族でも、性別や普段背負ってる(と錯覚する)責任などあらゆる要因により、権力に対して恨むか、恩を感じるかが別れていた。それは戦にいく側か引き止める側かというのが大きく関わっている。しかしその権力に対する感情の溝がやがて、亀裂になっていく家族の当然を抱えて生きてゆかねばならないことの息苦しさ。たえがたい。
でも物語展開のスピードは、良い。いや早すぎるくらい。

子供がふざけて落書きしたような映像効果、あれなんなんや。滑稽にも思えるし、死んだ人の顔の冷たさの上に、最期に味わった苦味や雪辱なども感じさせてしまうこともあった。どちらも、戦の顔だ。

木下監督がみせる家族には、美しく、夏の川面が浮かぶような涼しさなつかしさなど、ありはしない。そこに信頼を置いてるんだけども。
戦国時代、武田家の治める甲斐国で暮らす農家の一族の60年を重厚に描く。高峰秀子と田村高廣か若者から老人までを演じている。

戦国時代を農家の視点から描いていて、興味深い。

農家でも戦に参加する子供がいる。戦に行かなかった子供が成長して家族を持っても、武田氏の終わりが近づくと…という話。

物語はテンポよく展開するが、戦国時代だけでなく、戦争に子供をやった親の気持ちも思わせ、やりきれない。こういうのを見てしまうと、大河ドラマを楽しめなくなりそう。

家族はおやかたさまにひどい目に合わされてるのに、「今までおやかたさまの世話になってきた」と話がすり替えられ、戦に参加する大義になっているのがいかにもありそうに感じた。

映像はダイナミックで、シネスコ画面に映える。笛吹川と、家族が暮らす家のそばに架かっている橋が美しい。
木下恵介監督。3作目。
彼のテーマは一貫しているように思う。男は戦いに行きたがり、母親は子どもの命をなにより大事に思う。理念の男(理念に流されがちの男)とお腹を痛めた我が子を愛する母(命をつなぐ女)。

高峰秀子がここでも若い妻から老女までを怪演していた。後半の鬼気迫る演技は見事。
2013年の感想。今年は、木下恵介生誕100周年で「はじまりの道」が公開。その時にスクリーンで観た「笛吹川」パノラミックな合戦シーンを観て、再見しなければと思ったのでした。上海時代にテレビで観た時は、???と言う作品。着色の仕方も意味あるのかという感じであったが、70インチのプロジェクターで観ると絵巻物の雲の役割で、そして木下監督の信条が表わされている。2時間の間に武田一族の滅亡と貧農一族の全滅を重ね合わせる戦国超大作なのだが、庶民の目から描かれるので勇ましくもなんとない、観ている内にこれは、太平洋戦争のアイロニーでありブラックユーモアなのだと気づく。しかし、合戦シーンや行列のシーンのパノラミックな映像は、特筆できる。黒澤とは違った洗練された合戦シーンだ。しかし、ほんの少ししか流さない。真に実験的な作品であり、娯楽性を何とか共存できないかとした作品。高峰秀子もこれがNo.1だという。情緒を廃して冷静に戦争を批判した映画で木下恵介の筋金入りの反戦精神に脱帽する。
yyy

yyyの感想・評価

3.4
戦国時代の親子5代に渡る家族の物語。
少し難しかった…

けど、自分の祖先にも確実にこの時代を生きた人がいるんだなと思う。

ソッコーで生まれ変わる考え方、いいな。

所々ついている色彩が初めは慣れなかったけど、怖いものでそのうち全く気にならなくなった。

木下監督のカルメンとは全然違う…すごい。けど、毎回女の心の哀しさをあぶりだす。

いわゆる絵巻物のごとく、戦国時代のある一家における出来事の断片がつながれて語られていくという構成だが、前半はまるで駆け足で見る大河ドラマの総集編のよう。

モノクロ画面にしばしばあらわれる色付きの雲も、その絵巻物的な装飾をねらったものだろうが、その実験的な着色がいろいろなものを台無しにして空回り。
戦争に翻弄される庶民(もちろんそれは明治から昭和にかけての日本の寓話だ)をえがいた骨太なものがたりのなか、はっとするシーンもおおいだけにいささか残念。

老けの特殊メイクはなかなかよい仕事。
pier

pierの感想・評価

3.4
戦に出ては虫けら同然のように殺される、農民たちの代々の歴史。
高峰秀子の老けメイクが凄くて、誰かわからないほど。
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