仮面で素性を隠し欲望の赴くままに他人を脅し穴蔵の闇の底に突き落とそうならば、時として人間は鬼以上の怪物に変わり果てることもある。
この種の悪意というものはその闇を通じて太古から現代へしぶとく生き続け…
構図陰影動きすべてがビビッドで、人物の欲望懊悩恐怖に生身で引き摺り込まれる。人間の文化伝統を"大人の狡知"とする解釈は進歩主義の臭いをさせつつも、大いに説得力を持った"物語"となっている。鬼面の表情…
>>続きを読む恥ずかしながら、新藤兼人は初めて観るのだが、想像以上に凄かった。南北朝時代、落ち武者狩りをする姑と嫁、亡き婿(息子)の戦友だった男、三人の物語。
カットの力が全て凄い。徹底したリアリズムで南北朝時…
すすき草原の中で繰り広げられる、人間の三大欲求を巡る話。
舞台となった、鬱蒼とした人の背丈程のすすき草原がすばらしい。動物的でありながら、思惑がうごめく舞台として人間的でもあり、そのどちらでもない自…
生と性への執着、生きなければという人間の本能。芥川の羅生門みたいな冒頭。
シーンはずっとどっかの河原で背の高い草が多い茂ってる場所から動くことはないけど照明の美しさやジメジメとした水辺のシーン、馬の…
殆ど薮と荒屋の往復だけで成立させているストーリーはシチュエーションスリラーにも通じるものがある、同時にこれは嫁姑問題を扱ったホームドラマでもあった。
嫁の逢瀬を目撃した事で、婆の中の女が疼き巨木に…