命をかけて弟を守る。

韓国映画史上最高の製作費をかけ朝鮮戦争の真っ只中で家族愛、兄弟愛に溢れたドラマティック戦争映画。まさに韓国版プライベートライアン。戦場シーンを寄せて演出して迫力があり、いい意味で韓国映画らしくクドいくらいにあからさまに人情劇を突きつけるが、当時劇場で乗っかって涙😭

それはやはりチャンドンゴンとウォンビン兄弟の絆がちゃんと心に響いたから。2人の対比的な魅力と相性が素晴らしい。

「母なる証明」と共にウォンビンの瞳は無垢で美しくも深い。可愛い系イケメンの彼の役者としての力は実は凄い。もっと本当は認められてももいいのに。と思う。

しかし、この映画では特にチャンドンゴン素晴らしかった！

でもこの映画で魅せてくれた彼の男らしさの記憶がどこかで塗り替えられてしまってはいないだろうか？

ちゃんと彼の役者としての凄みを覚えているだろうか。

そう、、あのCMのおかげで、、

あなたのことがシュキだからぁ〜〜‼️😭

これ以降役者のイメージ浮かばない😭😭

彼のためにもう一度この映画を観てほしい、、笑

2004年の朝鮮戦争を描く映画で、とある兄弟の戦火の中での絆を描く。

その兄弟、チャンドンゴンとウォンビンのダブル主演。この当時のこの2人。まさに韓国映画の顔とも言っても良いゴールデンコンビ。

韓国の戦争映画と言えば、朝鮮戦争。
最近だと『モガディシュ』が韓国の戦争映画だが、あれはソマリア紛争。

朝鮮半島の北と南の衝突を描く作品は同じ民族同士の争いだからか、より剥き出しで生々しい。『JSA』とかも、戦争ではないけど北と南の摩擦が生んだ友情がとても印象的で好き。

今回はガッチリ戦場。
冒頭は2人の兄弟の関係性や人となりを描く街中の風景が続くが、ある日突然「戦争が始まった」となり、疎開したつもりが強引に徴兵される。

学はない靴磨きだけど、一家の中心で皆を支える頼もしい兄チャンドンゴン。
体はややひ弱でナヨナヨしてるけど、これからの時代を生きるために勉強頑張る弟ウォンビン。

とても仲睦まじい兄弟。

しかし、それが怒涛の嵐の如く、徴兵され最前線に連れていかれる。
徴兵されて汽車に乗るときも、戦場に着いてからも、弟だけでも返そうといつも気にかける兄。
そんな自分のために体を張る兄の無謀な行動を心配する健気な弟。

その2人の心情と裏腹に、周りはガンガン死んでいき、お互いがお互いを心配して思えば思うほどこの異常な現場においてはそれがすれ違いにもなったりする。

兄と行動を共にして生きるも死ぬも一緒でありたい弟、前に飛び込むのは自分の役目でせめて弟だけでもと弟を後ろに追いやって自分だけ前に進み、自分が戦争を終わらせてやると言わんばかりに生き急ぐ兄。

戦争においてはその兄がもてはやされ、英雄視され、勲章をもらう。やがて、北や戦争そのものに怒りすら覚え始める兄。
その兄の言動や勲章やそのために失われる他の犠牲に矛盾を感じる弟。
余計に2人に距離ができる。

猛烈な北と南の弾幕吹き荒れ、敵も味方もせっかく知り合えた仲間も容赦なく次々に倒れていく中で、2人が進む先にあるものは、、、。

戦時という苛烈な非常事態の中で、何もかもが狂ってる環境で、殺すか殺されるかのギリギリの精神状況。

ジリジリと蝕まれる心と体。
この異常な環境に置かれ続けることによって徐々に狂い始め、何のために続けているのか、どこへ向かうのか、何が大切なのかわからなくなってくる。

同じ民族だから余計に疑心暗鬼も募り、嘘やデマにも翻弄される。正確な情報など皆無に等しく、今、目の前で起きていることを手繰り寄せることでしか前に進めない。

何が何だかわからず、それがそういうもんだと思う他ない。
そう、それが戦争なのだと強烈に伝えてくる。

韓国版の『プライベートライアン』と言っても良い。
戦場のシーンはめちゃくちゃすごい迫力。『プライベートライアン』以上に泥臭く、昼も夜も平原での数の多い野戦が続くので、ものすごい壮絶さ。

この最後の野戦。
空からも地上からも荒れ狂う弾幕、弾け飛ぶ土埃、乱れに乱れて揉み合う北と南。
どっちがどっちかもわからなるほど混沌とした地獄絵図。

壮絶な紆余曲折を経た2人の兄弟の事の顛末が詰め込まれている最後の戦場が物語るアツいドラマ。

もうアクションも、ドラマも、何もかもが圧倒的な映画。

これは戦争映画としても、韓国映画としても、アツい絆を描くドラマ映画としても、どの角度からでも傑作級の作品。


F:1907
M:4419

• #戦争の映画

製作費208億ウォンに最後の戦闘シーンはエキストラ3000人。稀に見るスペクタクルだったのに涙はなかった。惜しい。ウォンビンの願いを無視したチャンドンゴンの身勝手と勘違いのせいだ。笑。最後にやっと心通じたのが救いだったけど、遅かった。