実際に起きた小学生誘拐事件をもとに様々な人間模様を描いたヒューマンドラマ。
主演は萩原健一で、小柳ルミ子が共演。
原作は1980年に発生した宝塚市学童誘拐事件を描いた読売新聞大阪本社社会部編のドキュメンタリー作品。　

私立豊中若葉学園の小学生男児が、下校途中に誘拐される。
男児は小児科医の息子で、犯人は身代金として三千万円を要求してくる。
警察は新聞社に報道協定を要請し、捜査官が被害者宅に待機して犯人からの電話連絡を盗聴。
犯人は次々と身代金の引き渡し場所を指定してくるが、警察の張り込みがバレて、人質解放が見送られてしまう。
果たして少年は生きて戻って来るのか？　

少年とその家族、誘拐犯とその家族、新聞記者、警察の人間模様が丁寧に描かれている。
報道協定を自らの解釈で協定違反をする読売新聞社、
両親の懇願を無視して人命より犯人逮捕を優先する警察など、報道や警察のエゴが描かれている。
特に原作が読売新聞社製作のドキュメンタリーであるにもかかわらず、コンプライアンス違反によるスクープ入手を自ら誇らしげに語る読売新聞社の倫理観の欠如はマスコミの姿勢を象徴している。
実話ベースの作品なので恐ろしい。
本作品は、警察に届けたら、助かる命も失われかねないことがよくわかる骨太の秀作。
誘拐犯の妻を演じた小柳ルミ子は映画初出演にして素晴らしい演技で、日本アカデミー賞にて助演女優賞を獲得したのも納得です。　
「うち、お父ちゃん好きや！」　　

2021.12　BS・日テレで鑑賞　　
第6回 日本アカデミー賞にて最優秀助演女優賞、最優秀撮影賞、最優秀照明賞を受賞（1983年）

• #阪急電鉄
• #ポケベル
• #宝塚新大橋のパワーシャベル
• #喫茶店アミーゴ
• #伊丹空港のチケット売り場
• #オートバックス
• #丹後の船屋
• #ジャムパン
• #牛乳キャップ
• #車のトランク

監督の伊藤俊也は、「花いちもんめ。」「ルパン三世 くたばれ！ノストラダムス」「ロストクライム−閃光−」「日本独立」と、お元気ですね。
主演の萩原健一は、「八つ墓村」「影武者」「いつかギラギラする日」「居酒屋ゆうれい」を上げたいです。
本作品は、1980年に起こった宝塚市の学童誘拐事件をもとネタに、読売新聞大阪本社の同名ドキュメンタリーが原作のようです。
喫茶店経営に行き詰まった数男(萩原健一)は多額の借金も抱え、医師の息子を誘拐し身代金を要求するのですが····。誘拐犯と被害者両親と、県警捜査員と新聞記者と、誘拐犯の家族それぞれを多面的に描いて行くのです。40年も前の、このジャンルの作品としてかなり頑張っていると思います。そして萩原健一&小柳ルミ子が、大御所俳優たちに取り囲まれ光を放っておりました。

兵庫県で実際に起きた小学生誘拐事件を新聞記者たちの取材活動を通して書き綴ったドキュメントが原作の🎬です。

寒い冬の日の午後に学校帰りの小学生が誘拐された。


愛する子供を奪われた・・恐怖と不安の若い両親。
誘拐した子供を車のトランクに押し込み転々と彷徨う犯人の動揺と焦り・・何も知らない貧しい生活苦の妻と子供。


犯人逮捕に全力を投入する県警捜査陣と報道協定の中でもスクープを狙う取材陣。


最後の妻子の夜逃げシーンは辛い・・犯人役の萩原健一そして妻役の小柳ルミ子そして幼児の高橋かおりと胸を打つ家族でした。