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他人の顔
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『他人の顔』に投稿された感想・評価

TS

TSの感想・評価

3.4
【仮面をかぶり再び社会へ】74点
ーーーーーーーー
監督:勅使河原宏
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:122分
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事故で顔面に怪我を負ってしまった男が、科学技術の力を借りて別の男の顔を借りて人生をやり直すという話。顔が人に与える影響がどれほどなのかを再確認させてくれる作品でもありました。

ある男は、液体空気の爆発事故により見るも無残な顔になってしまう。顔全体に包帯を巻くようになった彼は、妻や周りの者たちとの距離を感じるようになってきたのだが。。

人を判断するときに必要なものとは何でしょうか。名前、声、顔。。その中でも顔は極めて重要な要素になってきます。我々も人を覚える際、顔と名前をまずは覚えますが、顔がわからなければ誰のことなのかさっぱりわからないです。冒頭、包帯の男は女に何故自分だとわかる?と問い、女は声が一緒だからです。というが、顔が見えていないのでそれは本当なのか?と再び問うシーンが印象的でした。一時的に声マネはできますが顔マネは難しい。したとしてもネタレベルであり、すぐにバレてしまうでしょう。

そんなことで、最愛の妻からも見放される彼でしたが、ひょんなことから全く別の男の顔の仮面をかぶることができ、社会に復帰していきます。そして面白いことに、全く別の顔で、最愛の妻に接近していき想いを寄せてもらうようにアプローチしていきます。
やはり人間は顔が重要。そしてさらに面白いことに、人間というのは人とコミュニケーションをするときに何かしらの仮面をかぶっていることも重要です。まさか、就職面接の時に、家の時の素顔を見せるわけもあるまい。好意を抱く異性には気に入られようと自分以外の「何者」かの仮面を被ります。今作のこの男が最愛の妻に接近した時は、リアル仮面をかぶっているのですが応対も今までと違う。結局のところ、人間は顔に仮面をかぶせながら心にも仮面をかぶせてしまっているという由々しき動物なのです。ラストの仮面軍団が往来するシーンはそれを静かに物語っている気がしました。
事故で顔面に大怪我を負った男 (仲代)が精巧な“仮面”を作り、別の人間になりすまし、ついには妻 (京)を誘惑する。

監督は勅使河原宏、原作・脚本は安部公房による「失踪三部作」(『砂の女』『燃えつきた地図』」)の2作目にあたる傑作だ。

勅使河原といえば、東京芸大在学中より安部と知り合い、共に前衛芸術運動「世紀」に参加し、安部の原作である『おとし穴』で映画監督となり、その後も先に記した「失踪三部作」で次々と安部の原作を映画化してきた。

彼ら作家と監督という関係性は、言語と映像、是即ち安部のイメージを、いかに勅使河原が上手く処理し、表現するかによるもので、そのシュールで独特な映像美は本作でも遺憾なく発揮されている。

そして何より磯崎新によるレオナルド・ダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体図」や三木富雄の「耳」が設置された無機質で透明で非現実的な診療所のインテリアデザインが素晴らしい。

「僕の画は記号」と唱えた手塚治虫の【漫画記号論】をなぞるなら、私たちひとりひとりの顔も、“自分が自分であること”を意味するアイデンティティーであると同時に、主体あるいは主観が対象を明確に把握するための“記号”と云ってよい。
だがそれは時として元素記号にもなり、組み合わせにいかんでは、いかなる化学反応を起こし、悲惨な末路を辿るか…《他人の顔》になりすました男が嫌というほど教えてくれる。

168 2022
原作は1964年に発表された安部公房さんの小説です
その2年後に制作された映画です
小説は学生時代に読んでいます
映画はモノクロです
海外で評価の高い作家さんです

簡単なあらすじ

事故で顔に大火傷を負ったオクヤマ(仲代達也さん)は、事故後、普段顔を包帯でぐるぐる巻きで過ごしています
妻(京マチ子さん)はつれない対応
オクヤマはかかりつけの精神科医(平幹二朗さん)に依頼して、妻に内緒で樹脂製の他人の顔のマスクを製作して装着します
他人になりすまして妻を誘惑し、(自分という他人と)姦通した妻に嫉妬して、奇妙な三角関係が生まれます・・・

前衛的で独特な小説の世界観を、ちゃんと映画化できるのか、興味津々でした

まず、あの包帯ぐるぐる巻きオトコ、笑えます
私だったら、もし暗闇でバッタリ出くわしたら腰を抜かす自信あります
でも、映画では、彼が街を歩いたり、ビアホールでビール飲んでいても誰も気にしません
いやいや、おかしーでしょうが!!
どう見ても、ミイラか、スケキヨか、「20世紀少年」にしか見えないんですけど!!

冒頭で会話してるシーンがX線画像でスケルトンだったり、体のパーツを水槽に浮かべたり、終盤ののっぺらぼうが集団で押し寄せるシーンはシュール!!
意識高い系で、芸術性が高いです

ただ、気になったのが、会話のシーンが多すぎること
オクヤマは顔をなくして非常に僻みっぽくなっているのか、いちいち否定的に反論します
正直かなり性格悪いです
安部公房さん自身脚本に携わっているせいか、普通、こんな芝居掛かった言い回ししないだろ、みたいな口論が多い

あと、全体的に男尊女卑が残っていて、この辺は不快に感じました

素人意見ですが、むしろ、会話を減らして、映像で見せる演出にした方が、想像力を掻き立てて良かったのではないかと、そう思いました

それから、仲代達矢さんと平幹二朗さん、2人とも大好きな俳優さんで、強烈なオーラを感じました
2人の競演を見るだけでも価値があります

映画の中で、オクヤマは映画を見るのですが、それがサイド・ストーリーとして並行して展開して行きます
旧軍人精神病院で働く顔の右半分にケロイドの跡が残る妹と、その兄の近親相姦のお話し

その妹さんが目が醒めるほど透明感があって、美しい

妹「にいちゃん」
兄「ううん?」
妹「そっちの側から見ると私、綺麗?」(ケロイド側を隠して)
兄「ああ、綺麗だよ」
妹「どのくらい綺麗?」
兄「綺麗すぎるくらいだよ」

気になって調べたら、入江美樹さんという女優さんでした
ロシア人とのハーフらしいです
小澤征爾さんの現奥様とのことです
現在77歳、お年を召しても上品で美しいのはお変わりないようです

昭和の渋谷駅周辺や新橋の街並みがレトロで素敵
小説もまた読んでみたくなりました

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