喋る女。黙る女。

私は貴方には絶対取り込まれない。全てが虚偽であろうとも私は話すことをやめない。それが全て嘘であり、演技であっても。

元祖ファイト・クラブ的な…？ネタバレはしようがしまいが、タイトルが全てを物語っているのでご想像にお任せします。また、物語の内容がどうであれ、強烈なイントロモンタージュとその後に続く暗鬱な描写、そして何より二人の女性の言葉と心とがクロスオーバーする演出は素晴らしいの極みなので必見です。イングマール・ベイルマンの作品は「THE純文学」って感じがして軽く見れません…。どうしても構えてしまうと言いますか、引き摺ってしまうと言いますか。常軌を逸した脚本と映像は容易に言語化できるものではありません。

観賞後感じたのは冒頭のモンタージュが、登場する二人の女性の全てを物語っているということ。ファイト・クラブでいうラストのビル爆破のシーンのようなものでしょうか。それが強烈な写真のスライドとして映画の一番初めに登場すると。またそのモンタージュを眺めるような形で登場する男の子も様々な立場として考えれます。果たしてどちらの子なのか…。どちらというか、その一人の子なのか、という感じに。

もっとベイルマン作品を観よう。

女優のエリザベートは舞台上で言語障害に陥り、身体の動きも失った。医者に療養を勧められ、看護婦のアルマと共に海辺の別荘を訪れる。アルマは言葉の不自由なエリザベートをよく理解し、懸命に尽くす。やがて2人は心の深いところから親しくなっていくが…。イングマール・ベルイマン監督の仕掛ける物語展開がすさまじい。リヴ・ウルマンとビビ・アンデショーンの、2人の意識が互いを行き交うという演技合戦には圧倒させられる。

ぜひぜひ

やっと見れました！
イングマールベルイマン監督
仮面　ペルソナ

始まりのよくわからない感じが
また魅力でした、
ファイトクラブの卑猥な画像の
元祖ですね笑

エリザベートとアルマという2人の女性、
大女優と看護師という、まったく違う職業の女性が、エリザベートが失語症になったことで出会い、それから生活を共にし、
徐々にお互いが侵食していく話。

ちなみにイングマールベルイマンは奥さんがいて、アルマを演じる女優さんと恋人関係であったのちに、エリザベートを演じる女優さんと恋人関係になり、そのエリザベートを演じる女優さんは妊娠して、結婚抜きで出産したそうな。
#泥沼かよ
なベルイマン監督なのでした。

素晴らしい作品を生み出すアーティストで凡人はいない気がするんです。
非凡人紙一重説。

人は侵食する。
夫婦やカップルや、親友など、
“似てくる”というのもこの侵食現象だと思う。

ペルソナに関しては書き始めたら長くなりそうだ。
この映画はとにかく見とくべきだと思う。
画期的なんだ！色んな意味で！

スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督作品初鑑賞です。
1967年のモノクロ作品でスピルバーグやデヴィッド・フィンチャー、デヴィッド・リンチに多大な影響を与えた『仮面/ペルソナ』。
とても難解な作品。
正直に言うと1回観ただけでは全く理解出来ず悔しいのである程度情報を入れたうえでもう1回観た。
この作品は1回観たくらいで理解出来るとはとても思えない。

ベルイマン監督は当初はタイトルを『映画』にする予定だったようだ。
これはベルイマン監督の真意を紐解くうえでとても重要なポイントになってくる。

僕なりの解釈をここで全て語りたいがとんでもない長文になってしまう。
そんな長文は誰にも読んでもらえないだろうし、僕もめんどくさいので止めておく(笑)

僕の勝手な解釈を簡潔に書く。
(⚠️ネタバレになるのかすらよく分からないが何の情報も入れずに今後鑑賞される予定のある方は読み飛ばして欲しい⚠️)










冒頭のモンタージュ映像はベルイマン監督が製作する映画や芸術作品そのものを暗示している。
(例：男性器+縦の唇(女性器)=SEX)
要は映画は性、暴力、死、神であると。
長くなるので根拠は割愛する。
(上下逆アニメや蜘蛛の映像は申し訳ないが僕には理解不能だ)
これは当初タイトルを『映画』にしようとしていたことでも裏付けられる。
しかし当時こんな手法がよく取れたものだ。
だだの過激な映像を並べただけの作品と取られかねない危険な手法だ。

『仮面/ペルソナ』の意味についてはこれは広く知られているように心理学で言う人間の2面性を表す。(人はみな仮面を付け別人格を演じている)
少年が読んでいる本が『現代の英雄』ということでそれも裏付けられる。
そしてエリザベートはベルイマン自身を表しておりアルマはベルイマンの別人格。
要はエリザベートが"仮面"でアルマが"内面"だ。
この作品は"ドッペルゲンガー"をテーマにした作品でもある。
実は最初からエリザベート、そう、ベルイマンひとりしかいないのだ。

ユダヤ人の少年が写る有名な写真が明らかに他の映像よりも長く写し出されていたり、焼身自殺する僧侶が映し出されることからベルイマン自身も芸術で人が救えるのか苦悩していたことが窺えるし、芸術(映画)の表現においても2面性に苦悩したのではないだろうか。
事実ベルイマンは病に倒れ入院している。

そしてエリザベートとアルマは融合(回復)し社会復帰する。
すなわちベルイマンは何らかの答えを得て芸術活動(映画製作)を再開する。

芸術で人を救えると信じて─

最後の映像がそれを象徴している。
ような気がする(笑)
とても深い。

この解釈が合っているかどうかは分からない。
しかしそう解釈すると辻褄が合う。

この作品は映画に対して造脂の深い人やベルイマンに詳しい人でないと作品の本質を理解するのは難しいと思う。
しかし純粋に構図の素晴らしさや白と黒とグレーの陰影表現の美しさを楽しむもよし、女優ふたりの卓越した演技と美しさを堪能するもよしのとても懐の深い作品だと思う。

✨ありがとう✨のんニナchan😉