名作ハートフルコメディ。

原題:POCKETFUL OF MIRACLES

名匠フランク・キャプラ監督の最後の作品。

TV地上波で観ました。


30年代、禁酒法時代のニューヨークが舞台。

暗黒街のボスのデイブ（グレン・フォード）には秘密があった。

りんご売りの老婆アニー（ベティ・デイヴィス）のりんごは、デイブにとってラッキーアイテム。

アニーから験担ぎにりんごを買うと、どんな危険なことにも対処できた。

デイブは、そのアニーが今最大のピンチに直面していることを知る。

赤ん坊の時にスペインの学校に預けた娘が伯爵の子息と婚約し、挨拶のため会いにくるという。

実はアニーは、自分は裕福な貴婦人だと偽り、スペインに仕送りを続けていた。

娘達が本当の自分の姿を知れば、娘の幸せは壊れてしまう。

そこでデイブは一肌脱ごうとする。

多くの仲間の協力を得て、アニーを1日だけの貴婦人にするための大芝居を用意する…

不覚にもぼろぼろ号泣してしまった（笑）。
キャプラ作品何本か観たことあるんだけど、こんなにハマるとは。『素晴らしき哉、人生！』『或る夜の出来事』も嫌いじゃないけど、本作はツボでした。ユーモアたっぷりで、決して派手ではなくて、でも心がじわ〜っと芯から暖まる作品。遺作とのことで、集大成のキャプラ節炸裂。

30年代のニューヨーク、貧しいリンゴ売りの老婆アニー。彼女の売るリンゴは運がつくと評判で、町のギャングの「二枚目デイブ」もその恩恵を受けている。そんな彼女には幼い頃にスペインの学校に預けた娘がおり、彼女が伯爵のフィアンセとともに帰国するとの一報が入る。自らの身分を社交界の花形の貴婦人だと偽っていたアニーは途方に暮れるが、デイブたちはそんな彼女を救うべく大芝居を打つことに。というあらすじに心惹かれ、ずっと観たかったんですがTSUTAYAにも無くてついにamazonでDVDを購入！買ってよかった〜。

いわゆる『マイ・フェア・レディ』的な、ヒロインが大変身を遂げるストーリーなので観ていて爽快！
アニー役は大女優ベティ・デイヴィス。往年の名女優ですが、彼女なくしてこの映画は成立しなかったと思う。どすっぴんで顔はススだらけの貧相なおばあちゃんを熱演しつつ、大変身を遂げたあとの美しさと言ったら...！本当に別人です。でも変身した後に見せるふとした表情や仕草は、自信のないリンゴ売りのおばあちゃんそのもの。

デイブ役のグレン・フォードの憎めない感じ、その愛人クイニー役のホープ・ラングのはすっぱだけど苦労を重ねてるからこそ人情味に熱い感じ、部下のジョイ役のピーター・フォーク(コロンボ！！)の絵に描いたような「てやんでえ！」江戸っ子テンション。そして私のオールタイムべストである『風と共に去りぬ』のヒロインの父役のトーマス・ミッチェエルが美味しい役で出ております。これが彼の遺作とのこと、変わらぬ存在感で好演してます。...と、まあ枚挙にいとまのない豪華キャスト。
キャラクターそれぞれの色んな人生経験や背景がは彼らのセリフから想像できる脚本も本当に見事。

邦題は『ポケット一杯の幸福』になってるけど、原題は"Pocketful of Miracles"からもわかる通り、アニーに起きたささやかな奇跡のお話。忙しない毎日の中で、お金はあるけど他人に対して冷たくしたり、周りを顧みなくなっている人々＝ギャングたちや警察、知事たちと、貧しいけれど思いやりに溢れたマイノリティたち＝リンゴ売りや花売り、物乞いたちが、アニーを中心に次第にひとつになってゆく。
ラストシーンで、初めはアニーを目の敵にしていたクイニーが「泣けてきちゃうわ」と感動の涙を流すシーンがあって、作中で観客と同じように感涙するキャラクターがいることがすごく新鮮だった。そして起きた奇跡、夢物語のようで現実にもありえそうな愛に溢れた結末に涙が止まらなかった。

アニーが全編通して何度もつぶやく"God bless you."(みんなに幸せを。)の精神を忘れない人でありたいなーとしみじみ。良い映画は本当にまだまだたくさん溢れてますね。
ちょっぴり冗長なところもあったけど、笑えるシーンもたくさんあって大満足。ギャングが必死におばあちゃんのために人助けをするステキなお話です。

【ギャングのボス デュードが､幸せを呼ぶリンゴ売り老女アニーのピンチを救うため芝居を打つ】

ジャッキーチェンのリメイク版『ミラクル/奇跡』を観たかったので原作から鑑賞🎬と思ったら本作もご本人の『一日だけの淑女』のセルフリメイク

リンゴ売りアップルアニー役のベティ•デイヴィスのビフォーアフターが違いすぎてほぼ別人Ꙭ

恋バナあり母娘愛あり､展開はおもしろいんだけど､ギャングの話は 相互関係や目的が理解できなくなるタイプなので集中力が切れてしまった

ピーター•フォークみたいなピーター•フォークが出てた