近頃Netflixのドラマで、フランスの女優フィリピーヌ・ルロワ・ボーリューの名前が再び聞かれるようになった。

彼女が初めて日本に紹介されたのが、「さよなら夏のリセ」。５０年代のフランスを舞台にした青春映画。１９８０年代に映画雑誌を読んでいた世代は、「あーこれ雑誌の片隅に載ってたよな～」と懐かしいこと必至。何だったか忘れたけど、フィリピーヌ・ルロワ・ボーリューは当時日本のＣMにも出演していたと記憶している（知ってる人教えてください）。

大学入学資格試験（バカロニア）に合格したらアンリ４世のベッドで（女同士で）愛し合おうとか、初体験は好きな人でないと・・・とか、妊娠騒ぎとか。描かれるのは性をめぐって悩める若者たちの姿。しかし、悩める大人達も妙に印象に残る。しかもフィリピーヌの母親はミレーヌ・ドモンジョ、友人の余命短い父親はロベール・オッセン、親ドイツ政権の元大臣にモーリス・ロネという、青春映画とは思えない配役だったり。

しかしどのエピソードも今ひとつ消化不良。フィリピーヌの父親の市長選出馬の話は最初だけだし、クリスチャン・バディム（バディム監督とカトリーヌ・ドヌーブのお子さま）と母親の近親相姦的なムードもよくわからないし。唯一おぉと思ったのは、冴えないおデブちゃんが、妊娠して悩んでいる娘に「僕の子供ってことにして結婚しよう！」と言って愛を勝ち取るラスト。あまりの涙ぐましさに泣けてきた。

それにしても、ロジェ・バディムが何故この時代に青春映画？とも思ったが、ヒロインのヌードをなめるように撮るカメラは、やっぱり変わらないバディムの視線だった。

本作の後のフィリピーヌは、１９８５年のヒット作「赤ちゃんに乾杯！」（ハリウッドリメイクは「スリーメン・アンド・ベビー」）で子供を男三人に押し付ける母親役を演じている。また９３年の「愛するための第９章」（これもハリウッドリメイクされた）では、出産を控えたヒロインを好演している。その後しばらく名前を聞かなかったが、まさかネトフリのドラマで復活することになるとは。８０年代育ちには嬉しい。

#過ぎゆく夏の思い出映画🍉 でVHSビデオ鑑賞です。耽美的、官能的な作品の印象が強いロジェ・ヴァディムにしては珍しいティーン・エージャーものの青春ストーリー。監督とカトリーヌ・ドヌーヴの間に生まれたクリスチャン・ヴァディムと、あの『黄金の七人』の"教授"ことフィリップ・ルロワの娘フィリッピーヌ・ルロワ・ボーリューが主演、ミレーヌ・ドモンジョ、ロベール・オッセン、モーリス・ロネ、カロリーヌ・セリエら脇役も豪華です。リセは日本の高校を指すそうです。

思春期の男女の恋愛とセックス、それと若さゆえの過ち、主人公に影を落とす父親の過去など見どころも多くDVD化が要望される一作です。爽やかな青年たちの話なのに女性を舐め回すような映像はいかにも変態ヴァディム🤭らしく（笑）、車で若者たちが郊外へドライブ中に雨が降り、「雨に唄えば」を歌ったり、ロックンロールでリズムをとったり、アメリカへの憧憬が随所に見られるのも当時のフランスの様子を垣間見ることができます。

• #ヴァディムの青春ストーリー
• #VHSビデオ映画部

何ともフランスらしいおおらかな青春譚。テンプレ通りに収束していく男女の輪舞にもひと安心(カトリーヌ･ドヌーヴの息子とフィリップ･ルロワの娘だとか)。
城に侵入してアンリ4世のベッドで百合プレイおっ始めたり避妊の為にコーラであそこ洗おうとしたりと、性に対する稚拙さと大胆さが滅法楽しい