1964年　監督は富本壮吉。「妻の日のあいのかたみに」、「花実のない森」など若尾文子と組んでいる。
原作は三島由紀夫。この本は読んでいたはずだが、あまり記憶になかった。

　暗い映画。夫婦とその妻を愛し夫を殺しかけた青年の三人の奇妙な暮らし。妻が仕掛けた獣の戯れと言えるこの関係の行き着く先は？

　優子（若尾文子）は、夫の逸平（河津清三郎）が、乱行を重ねているが、嫉妬もせず、一言も文句を言わない、貞淑な妻であった。幸二（伊藤孝雄）は逸平が社長の「美陶苑」でアルバイトをしていた学生。優子が逸平に虐待されているのを知り同情する。ある日、逸平のあまりの乱行をみかねた幸二は、スパナで逸平をなぐりつけ、不具の身としてしまった。
　3年後、刑務所から出獄した幸二は優子に引き取られ、田舎での三人の奇妙な暮らしが始まる。

　夫の逸平はどこまでボケているかわからない。偽って二人の関係を覗き観ているふうでもある。　

　若尾文子が演じる優子は、夫の前で幸二に抱かれようとする。この奇妙な関係を作ったのはどう考えても彼女だが、彼女が何を考え、どうしようとしているのかわからない。

　夫に対する復讐なのか。復讐なら夫を捨てればいい。
　幸二を愛しているのか。愛しているなら二人で夫の元から逃げればいい。
わからない。だから獣の戯れなのか？

　主役の伊藤孝雄の演技が下手でそれだけでかなり評価を下げている気がする。
　若尾文子も今ひとつ物足りない。あまり楽しめる作品ではなかった。

　※若尾文子作品で私が後観たいと考えているのは
・「越前竹人形」 ・「卍」　・「氷点」がありますが、これらは正月まで楽しみとっておき、しばらく若尾文子はお休みします。
12月はNetflixの新着映画に浸ろうかと思います。

　2022.11.30視聴-527

• #若尾文子を観る

2011年に角川シネマ有楽町であった特集「三島由紀夫を【観る】」で観た記憶がある。この特集は三島由紀夫関連の映画が網羅的に観られて素晴らしく、毎日通った覚えがある。
この映画「獣の戯れ」では、若尾文子がたまらなく魅力的で、観て良かった一作だった。また機会があったら観たいな。

「黒の爆走」の富本壮吉監督作品。「アスファルト・ガール」の舟橋和郎脚本。三島由紀夫の同名小説原作。若尾文子31歳、伊藤孝雄主演映画。

伊藤孝雄の繋がった眉毛を見ていると両津勘吉を思い出す*\(^o^)/* 若尾文子は麗しい❤️

草門優子は、夫の逸平が、乱行をきわめているにもかかわらず、一言も文句を言わない、貞淑な妻であった。幸二はそんな逸平が社長であった「美陶苑」でアルバイトをしていた学生だが、優子が逸平に虐待されているのを知り同情にも似た思慕を感じるようになっていった…