ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポの作品情報・感想・評価

「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」に投稿された感想・評価

RydiaRich

RydiaRichの感想・評価

3.7
ダメ男でも惹き付けられてしまう女性は多いもの。
女性が強くて泣けてきます。

最後のシーン、夢の中みたいなシーンで良かったなあ。
二人ともぼんやりとしていて消えてしまいそうなのに、それでいて未来がきちんとあるようにも見えて。
太宰にハマっていた20代半ば、
生家を訪れたりしては、
作品を再度読みあさり、映画も見ていた。

このヴィヨンの妻、なんとも女の心情を仕草でよく伝えている。

口紅を塗り直して会いに行くシーンは、拍手ものの表現。

あれから数年、太宰にハマっていた私は、
そういう恋愛期だったから
ハマっていたのだと思った。

今は違うな、と、観たあと苦笑してしまった。
tipneko

tipnekoの感想・評価

3.2
美術が素晴らしい。完璧に作り込まれた世界。

脚本の力で物語の世界に引き込まれ、とても面白く鑑賞したのだが、どうしても、どうしても、この愛すべきクソ男のことを
私は愛することができなかった。
原作読んでないからかなぁ
↓↓ストーリー語りが大半なのでネタバレと思われる際は以下ご容赦ください💦





大谷(間違いなく太宰治)はツケで飲んでいた店から(返すどころか!)金をふんだくったため、佐知(大谷の妻)は、自ら人質代わりにこの店で働きはじめ、望むと望まぬに関わりなく、外の世界に触れることとなる。

佐知が大谷と知り合ったのは、まったくの偶然だった。
佐知は当時、弁護士を目指す辻という男が好きだった。司法試験に落ち続けるこの赤貧男が、寒さに震え、「せめて暖かいマフラーが欲しい」といった言葉に触発され、佐知は生まれて初めて万引きをしてしまう。
佐知は捕まるが、私は両親を支え、今日まで一生懸命に働いてきた。好きな人が寒さに耐えていることが不憫で、ただ暖かい思いをさせたかった。これから私は留置場に入らなくてはいけないのですか、私は今までの人生を台無しにするくらい悪いことをしてしまったのですか、と警官に訴えた。

交番の周りには人だかり。しかし、当の辻は自分の経歴に傷がつくことを恐れ、佐知を見捨ててその場を去った。その反対に、偶然そこに居合わせ、彼女の訴えに心を動かされた大谷は万引先に品物代金の倍額を払って示談とし、警官に啖呵を切り、面識のない彼女を救いだした。

この日、佐知は好きな男に見捨てられ、しかもその先の人生さえどん底になりそうな中で、見ず知らずの大谷に救われたのだ。

とはいえ、大谷は元祖ダメンズ…。
結婚しても家に金を入れないどころか、彼女が稼いだなけなしの生活費すら酒代としてかすめ取る。そのうえ外には女がいて、家にも帰ってこない。

2歳の子供を抱え、客に酒を出し、それでも佐知は少しも辛そうにしないし、大谷を責めたりもしない。しかし、そんな佐知が大谷には脅威なのか、あいつの心の中にはまったり澱んだ沼がある、などと毒づく始末。

放蕩を繰り返すくせに、反面、佐知に思いを寄せる男がいると知るやいなや、速攻で二人の逢引きを妄想し、嫉妬深くネチネチと佐知に絡む。挙句、自暴自棄になって外の女と心中騒ぎ。
この事件で殺人未遂で立件させられそうになれば、佐知は大谷の弁護のため、自分を見捨てて立派な(?)弁護士となった辻にすがるしかない。

こうしていつもロクデナシ男の尻拭いをし、遂には今やすっかりスノビーな辻に、お金で返せない借りを払うことまで余儀なくされる。

なんでさっさと見限らないかが不思議極まりない関係だが、彼女はどん底の自分を救ってくれた、人間として不完全で弱い自分自身に苦しみ、葛藤と逃避を繰り返すこの男を受け容れ、なにがあっても支え切るのだと(多分、無意識の中で実にあっけらかんと)括っているのだから仕方ない。

「人非人といわれたっていいじゃないですか。私たちは生きていさえすればいいのよ。」ですと。そんな最低ラインでOKの線引きなんかしちゃったら、大抵のことどころか、全ての災いだって容易に赦せちゃうってことじゃないの😵??)

私はこの物語に、オスカー・ワイルドの「幸福の王子」やフェリーニの「道」、あとちょっぴり、「夫婦善哉」を重ねてしまった。

ちなみに、「ヴィヨンの妻」のヴィヨンは、15世紀のフランス詩人、フランソワ・ヴィヨン(=無頼と放蕩の代名詞となった御大)にあやかっているみたいです。
にく

にくの感想・評価

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『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』。夫のフランソワ・ヴィヨン的放蕩と相対する妻。本家ヴィヨンはもっとずっと大らかだけどね。ま、あれだけのセットを組んだ段階でもう勝ったも同然。それよりもなによりも広末涼子。松とすれ違うシーンのあの流し眼よ。で、桜桃はともかくタンポポってなんだろ?
映画『ヴィヨンの妻』で残念だったのは、夫の心中未遂現場に松がやってくるシークェンス。死を想う松は木々のざわめきにハッと我に返るのだが、ここは音楽をつけずに自然の音を聞かせるべきではなかったか。パスカル・フェランが『レディ・チャタレー』で森の音それ自体を音楽として提示したように。

原作『ヴィヨンの妻』読了。「人非人でもいいじゃないの」の意味合いが映画とは全く異なる。小説の主題は夫婦愛ではなく諦念である。やはり映画の脚本家はF・ヴィヨンの何たるかを知らないのだろう。作品としては決して悪くないが、タイトルにヴィヨンを掲げた以上、松の「育ちのよさ」は裏目に出る。
松たか子の演技見たさに鑑賞したが、原作を含め、太宰治の生涯や彼の残した作品を理解してないと何とも評価し難い。勉強してから改めて鑑賞してみます。
hiro

hiroの感想・評価

4.5
大谷がクズ男だけど、クズっぷりを含めて凄く色っぽい。
そして妻のさちが愛情あふれててさらに色っぽい。
2人の最後の立ち姿が素敵すぎる、どうしよう。

さちはもっと幸せになれるんだから!と思うんだけど、好きなもんは仕方ないというのも分かる気がする。

観たタイミングが今で、私は良かった。
今は口紅のシーン思い出して、評論家はなんて言うてるのか気になってる。

私は太宰治の本はまともに読んだことがないので、台詞などにはその雰囲気が感じらた。よく読む人にすれば、どんな評価になるんだろうか。
BOKUMA

BOKUMAの感想・評価

3.9
松たか子の演技が観たいから観た。

太宰は文体やら表現力やら云々を総合して優れていると感じるのですが、内容だけではクズ男性の厨二病。理解できましぇんでした。

戦後の演出が細かく金かかっていてるなと。
Tak

Takの感想・評価

3.3
松たか子の演技は素晴らしいと思う。

けど、やっぱり太宰治の良さはわからない。

小説をいくつか読んで、分からなくて。
ならば映像化されたものをと思い本作を鑑賞。

うーん。出演者は好きなんだけど、全く共感できない。大谷はただのクズ、椿屋の亭主は底抜けのお人好し。
大谷の妻に至っては何を考えているのかさっぱりわからない。

やはり私に太宰治はムリ。
生まれてすみません、なことばかりする夫(浅野忠信)に負けず劣らぬ妻(松たか子)。ネジの緩み具合に周り(広末涼子、妻夫木聡、居酒屋の主etc. )がどれだけ振り回されたことか。太宰を斜めに見ると実は愉快な娯楽作。
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