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彼女と彼
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『彼女と彼』に投稿された感想・評価

Omizu
4.0
【第14回ベルリン映画祭 女優賞】
『初恋・地獄篇』羽仁進監督作品。ベルリン映画祭コンペに出品され、左幸子が女優賞を受賞した。キネマ旬報ベストテンでは第7位に選出された。

傑作。羽仁進監督の最高傑作。被差別民と団地の奥様を通して日本の社会格差を描き出している。羽仁監督の冷徹でドライな描写と左幸子の存在感に裏付けられた見事な作品。

団地で中流階級の奥様として何不自由ない暮らしをする直子、あるときスラム街の男が知り合いだと気づき交流するようになるが…

徹底して一歩引いた目線で描く羽仁監督の演出が素晴らしい。過度に踏み込んだ演出はしない。だからこそ伝わる静かな社会格差。団地とスラム街、近くにあるのにまるで別の世界のようだ。その二つを繋ごうとする直子の存在が浮いていく。

左幸子はこういう役が本当に似合う。静かだけど行動力があるというか。周りの空気を読まず踏み込んでいくような。悪気はないんだけど空気を読まない役が多いよね。

静かで残酷な傑作。羽仁監督のどこかアングラな世界観がこの話とよく合っている。相容れない二つの階層、繋がることは不可能なのか。子供の描き方もすごく残酷で気が重くなる。さらっとした演出だが実は日本社会の暗部をダイレクトに描いてもいる。もっと評価されてもいい作品だと思う。
RIO
3.6
この彼女の透明感に期待してたので始まってからちょっとアラッとなったけど モノクロー✨

とても考えさせる物語だった
人助けとか見て見ぬふりが出来ないとか
献身性 ある種の道徳心の扱い方

当然のことのように家に上がり込む男
世話をしてもプイッとされてしまった盲目の女の子
この2人は極貧の生活を強いられている
他人の人生に踏み入れていって もういかなる障害もなくなっていく

何の不自由もなく夫にもとても大切にされている
子供がいないせいなのか夢中で2人の世話をやく彼女は快感でしていることなのかそれとも優越感
それは違うと思ったのは彼らの家の地域にゴミみたいに積まれていたイットカンを思わず崩してしまい彼女はきちんと片付けていた
細かいかもしれないけれどそこに何となく相手の領域に対するわきまえが現れていたように思えた
彼女はある1つの観念に取り憑かれてしまった
毒にも薬にもならない毎日ではなくてもっと自分を必要としてほしい

責任を持って出来る事と無制限にしてあげれることの線引き
満足のいかなかった結果に彼女がとても虚しそうな表情
現代的な満たされている中から生まれる不安感からきているかもしれないけどきっと時間が解決してくれることを感じる

他人にしたことはああで良かったのかいつでも憂鬱なものだからと親切な人を見ていてそう思うからです

武満 徹の音楽もシリアスでした
leyla
4.0
長文になってしまった💦スルーしてください。


「バタヤ」という言葉を初めて聞きました。バタヤとはゴミ箱からゴミを漁ったり、紙くずや廃品を回収して生活をする人のこと。

1960年代の百合ヶ丘団地が舞台。新興のマンモス団地に住む主婦の直子(左幸子)は、向かいのバタヤ部落に暮らす伊古奈(山下菊二)という男が気になり、追うようになる。当時、団地は市民の憧れであり中流階級の証のようなもので、バタヤ部落に取り残された人々との対比が痛々しく映る。

次第に団地内の希薄な人間関係が浮かび上がっていき、専業主婦の直子は団地の中でしか生きられない孤独で不自由な人間であることがわかってくる。

バタヤで暮らす伊古奈と直子の夫(岡田英次)はかつて同じ大学の同級生だった。その対比もまたお見事。夫はサラリーマンで当たりさわりなく生きようとする男であり、伊古奈はドロップアウトしてバタヤ部落で身内でもない盲目の少女と犬のクマと鳥と共に暮らす男である。直子はそんな伊古奈に惹かれていく…

セックスレスの夫婦生活に寂しさを感じて伊古奈を男性として求めていたのか、伊古奈のような自由な生き方に憧れていたのか、戦時中に満州で体験した過去を伊古奈に投影し親切にしていたのか、直子が伊古奈に惹かれたハッキリした理由はわからない。

高度成長期の日本で起こっている差別、偏見、貧困などの社会問題を核としながらも、どこか捉えどころがない直子の行動にハラハラしたり、不安な気持ちにさせられる独特な雰囲気の作品でした。最後に犬のクマをいじめて殺してしまう子供たちに、人間の本能を見て怖くなりました。

伊古奈を演じるのは前衛芸術家の山下菊二さんで、下手な演技が逆に不思議なムードを醸し出している。盲目の少女もすごい存在感。当時の監督の妻でもある左幸子さんのどこか色っぽく、無垢な雰囲気から目が離せなかった。左さんは今作でベルリン国際映画賞で銀熊賞を受賞しています。

羽仁進監督の作品は初めて観ましたがご本人の印象と違う作風で他の作品も観てみたい。山下菊ニさんも知らなかったけど、絵がご本人の優しそうな雰囲気と違ってシュールで独特なのに驚きました。


📌MEMO

主題歌「まだ生まれない子供」
作詞・谷川俊太郎/作曲・武満徹

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