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無秩序/ディスオーダー
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『無秩序/ディスオーダー』に投稿された感想・評価

3.8
 突然の夜の雨に濡れた石畳は人の気配もなく、ショー・ウィンドウは不気味に静まり返っている。深夜の場違いな訪問者は最初から3人のチームワークが纏まっておらず、てんでバラバラだ。明らかに犯罪のずぶの素人の所在なさげな足取りだけが不気味にピックアップされる。そもそも彼らは足手まといになりそうな女なぞどうして連れて来たのだろうか?自分たちが犯罪に手を染める姿など年頃の女に見せたところで大して尊敬などされないだろうに。楽器店に陳列された目玉商品の数々に男どもは目が眩んでいるところに突然、亡霊のような男の手がぬっと現れるのだ。この冒頭場面の演出は力が入っているものの大して上手くない。だが真に不気味で亡霊のような第三者の介入と殺人隠蔽には、オリヴィエ・アサイヤスの萌芽が処女作からはっきりと見て取れる。断末魔の叫びを目撃した後、女のふらつくような背中をピックアップするフロントライトの光はそこで行われた行為を覆い隠すのだ。この冒頭場面は非常に気合が入っているにも関わらず、被写体との距離から編集から何から何までがまるで素人の戯言にしか見えない。しかし大雨を降らせたこの大変な場面の中で唯一まともに評価できるのは、ほとんど狙いを外れた潰れたような「黒」の描写なのだ。

 Joy Divisionの1stアルバム「Unknown Pleasures」の1曲目のタイトルを冠したオリヴィエ・アサイヤスの処女作は、彼の幼少期のJoy Division愛に溢れた映画だ。青春群像劇の主人公の名前がイアン・カーティスをもじったIvanだったり、New Orderの初期作から数曲が実際に使用されていることからも明らかだろう。ピーター・サヴィルがデザインし、今ではPost Punk期のアートワークの中で必ずやトップ・クラスに躍り出る芸術的なジャケットは、黒背景に白字でギザギザの山脈のようなパルサー波の断面に覆われている。そこにはモノクロ以外の一切の色がない。今作も当時のフィルムの状況はあるのだろうが、映画にはほとんど色がない。出て来るのは専ら夜のライブハウスやナイトクラブの描写ばかりで、彼らを乗せた車が軌道を外れる時も緑に覆われた路肩以上にひっくり返った車体の裏側の黒ばかりがクローズ・アップされる。そもそも彼らの衣装もほとんど黒だ。そもそもバンドで一旗揚げようと意気込む彼らの顔には最初からほとんど精気がない。両手に花状態のIvanはさながらリア充だが満ち足りた表情など一度も見せないし、Ivanの才能に嫉妬しながらも犯罪の片棒を担ぐもう1人の主人公アンリもヒロインのアンもほとんど笑みすら見せない。ひたすら深刻で陰鬱な世界がここに切り取られる。

 そこに横たわるのはバンドの成功物語とはかけ離れた明確な死であり、犯罪が明るみに出る恐怖、そして残酷な青春時代の終わりに他ならない。父の財布からくすねられるなら最初からあんな大それたことをするべきではないと思うものの、過保護すぎる父親の庇護がわかる場面にはアサイヤスはたっぷりと時間を割き、すっかり老いぼれた父親のブヨブヨな背中からケツまで隠そうとしない。その露悪的な表現そのものがブレッソンへの無邪気なオマージュにも見える。兵役に取られる人間やぬるま湯につかった人間、そして自死を決断する人間。老いに反旗を翻すはずのバンドマンたちは否応なしに陰鬱な人生の清算の時を迎える。ラストのニューヨークでのレコーディングは場所が変わることで彼らの身に訪れた明確な変化を現わしている。Joy Divisionの自伝のような無邪気な物語は、ほとんどフランソワ・トリュフォーの『突然炎のごとく』だ。戦争もない時代に生まれたティーンエイジャーたちはほとんど『突然炎のごとく』のような虚しい愛や将来への絶望を経験しながら、死の予感もない空白な時代で、どうしようもない大人へと成り果てて行く。陰鬱で、心底悲惨な彼ら彼女らの衝動よ。戦後世代がポップ・カルチャーと心中し、ポストパンクに熱狂する中で多くの人々のIconだったイアン・カーティスは死に、あとには工業的なNEW ORDERのアッパーな多幸感的な機能美だけが取り残された(NEW ORDERのLPもリアルタイムで全部買うほど好きだが、Joy Divisionとはまったくの別物)。イアン・カーティスの死は殆ど事故みたいなものだったのだが、それに心打たれた若者は処女作に自身の初期衝動を切々と込める。何とも無邪気で、何とも残酷なアサイヤスの処女作のじめっとした湿度に当時の時代背景を考えながら、あの頃を反芻し思わず絶句する。
菩薩
1.5
すんげぇ退屈だったし横のにいちゃんが最後の方で突然奇声を上げだして何事かと思った。大罪を犯しその罪悪感に駆られていく者、秘密を知り得ても公にするのを憚る者、皆自分勝手に自らの首を締め上げ、遂にはイアン・カーティスの様に縊死する者も。当たり前の様にNew Orderが流れ、なんならPere Ubuなんかも流れ、衣装はギャルソンにアニエス・ベーって見てくれだけは良かったが、ライブシーンの演奏と音が全く合ってないとかなんだったの…。レコーディングのとこのギターも下手くそが過ぎるし、何が面白いんだか全く分からんまま終わってしまった、残念。
[虚無に堕ちた若者たち] 70点

アサイヤスマラソンの記念すべきスタートを飾るのは彼のデビュー作である本作品。楽器店に侵入した男女三人組が店主にバレたので殺してしまい、それを言えずに放置しておく罪悪感や気まずさから発生する虚無が周りの人間にも波及していき、人間関係が変質していく様を描いている。とは言ったものの、基本的には仲間内の惚れた腫れたの繰り返しで、秘密にしていた不倫関係が表面化してくるといった感じ。大きな間違いに対して誰からも責められないという地獄を味わう三人は、それぞれがバンドの主要メンバーでありながら"一人にしてくれ"と連呼することで自分を守り続け、ロンドンへ向かう旅の途中で一人ずつ道を外れていき、成功を目前に控えたバンドは散り散りになっていく。低血圧気味な青い映像は彼らの憂鬱をそのまま色に変換したかのような圧迫感があり、鮮やかな色すらも退廃的に見える。

後半になればなるほど報道も言及もされない殺人という大犯罪への罪悪感や焦燥感が増していき、非現実的な側面も強調されていく。犯罪映画のジャンル解体をいとも簡単にやってのけてしまった。

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