ズボラな離婚歴ありの男の家に几帳面で料理もこなしてしまう離婚で傷心中の男が転がり混んだことがきっかけで起きる珍騒動が良い。性格が正反対の中年男同士の同居をテーマにしたコメディを60年代にやってのけてしまうのは早すぎる。

おっさんたちが脂ぎった顔を並べて口をモニョモニョさせること。フレームインしたジャックレモンの移動をカメラがぬるっと追うこと。

だらしないバツイチ男オスカー（ウォルター・マッソー）の部屋に仲間たちが集まり、いつもどおりポーカーを楽しんでいるところに、生真面目な仲間フェリックス（ジャック・レモン）が妻に離婚を言い渡され、自殺をほのめかしながらやって来る。心配したオスカーはフェリックスと同居することにするが、やがて性格の違いによって大ゲンカが始まる。

ジャック・レモンとウォルター・マッソーの名コンビを堪能できる作品。
電話口で相手に甘い言葉をささやいた後に、“お前の女房だよ” って受話器を渡すあたり、ニール・サイモンらしい笑いが光る。なんだか、懐かしいドリフか寅さんを観ている気分になる。笑

特に、ダブルデートが涙の会になっていく自然な流れが見事で、腹を立てるオスカーと泣いてるフェリックスが妙に笑えちゃう。

正反対の2人がお互いに影響し合って、変わっていくけど、変わらないものは変わらない。
“じゃあなフランシス” “じゃあなブランチ” って息の合ったラストシーンは、深い友情と男の哀愁を感じさせてくれる。

同じニール・サイモンの「裸足で散歩」だけでなく、「男はつらいよ」にも出ていたハーブ・エデルマンやジョン・フィードラーと脇役の配置も完璧！
エンディングの、セシリー＆グエンドリンのキャスト紹介も粋！