ぴあ満足度ランキング90.3点で1位だったので、9年前に劇場で観た作品。

この映画は、2007年10月1日、日本が国際刑事裁判所（ICC）に加入するタイミングで緊急公開になったのです。

国際刑事裁判所（ICC）とは・・・


特定の民族や集団に危害を加える集団殺害や、紛争の起きている地域で拷問や虐殺を行った人など、

戦争犯罪を犯した個人の責任を裁く裁判所で、歴史上初めてできる常設の国際法廷なのです。


例えば、個人が犯罪を起こせば、警察に捕まり、起訴され罰せられるのが当たり前ですが、

世の中で戦争、紛争という名の下の非人道的犯罪は、今までは訴える方法も無く、起訴する国際裁判所もなかったわけです。


公開の1カ月前の2007年9月27日

『ミャンマーで銃殺されたジャーナリストの長井健司氏さん』

がその例です。


事件から1ヵ月が過ぎても外務省の成果は何もないに等しく、犠牲になるのはいつも一般市民で、誰もその責任をとろうとはしていません。

こういった事件を裁くのが国際刑事裁判所なのです。そういう経緯もあり、緊急上映が決定したのです。


この映画は、戦争犯罪人を告発する国連検察官カルラ・デル・ポンテを追ったドキュメンタリーで緊張感あふれる国連裁判所の模様と、

虐殺によって家族を失った者たちの声に真摯に耳を傾ける検察官カルラの姿を通して、戦争が残した深い傷が浮かび上がってきます。


実際に、このような問題は日本でも報道されている以外にも数多く各国で起こっています。国際刑事裁判所（ICC）に105番目の国として正式に日本が加入したのです。


国際法廷が戦争犯罪人を裁くだけではなく、戦争の抑止力になることを望みたいです。

• #ドキュメンタリー

　国際人権法違反に基づき、戦争犯罪人を法廷に召喚するために執念で臨む国連戦争犯罪主任検事カルラ・デル・ポンテに密着したドキュメンタリー。旧ユーゴ内戦という民族・宗教入り乱れた紛争における大虐殺の主謀者として戦争犯罪人を追う。アンジーの監督作品の際にも書いたが、私は、オシムとストイコビッチのW杯不参加によりこの地域の紛争に興味を持ったが、正直複雑過ぎて理解するには及ばない。それ程、当事者同士の強い憎しみ合いは他人の私なぞには判らないのである。故にこういう問題への国際社会の関与も非常に難しいと思う。大人数の虐殺が犯罪であるならばアメリカの介入による殺人行為は虐殺ではなく政治であるということか。勿論、人間の生命がその尊厳を抹消されるが如くの殺人は人道的には許せない行為だと断言できるが、法によって裁かれることが正義なのかどうかはこの作品を観る限り断言は出来ない。しかしながら、このカルラというスイス女性がこの一点の法廷に拘ることも理解は出来る。もしかしたら、このカルラの様な国際人が1,000人程存在すれば、ナチスや旧ユーゴ以外の、米軍原爆による民間人大虐殺や旧ソ連による戦争犯罪等にも公平に遡って法廷での審理が期待出来たりしないのだろうかな。カルラは一人しか存在しない。

旧ユーゴスラビアの戦争犯罪人を追いかけ回すオバハン。
正義は非常に難しい。こちら側にもあちら側にも存在する。
しかし、明らかに存在する正義がある。それを行使するために飛び回るカルラ。
その手に強大な力がないため、駆使する手段は脅し。
ひたすら脅す。それしか手がない。
糾弾されるべき人物が逃げ回る。それが現実か。
世界がオバハンの訴えを無視する。
世界が闇に覆われていく様を感じる作品。
要は自国の利益が大切なんですって。