サマーセット・モームの自伝的小説の映像化。
医者を目指す学生のフィリップが行きつけのカフェで見つけたウエイトレス　ミルドレッドに一目惚れして猛アタック。
しかしながら、ミルドレッドはフィリップを振り向いてくれないどころか気を持たせたあげくに金持ちの男との結婚を決めてしまう。
この見事なほどな性悪女を演じたのはミドルレッドを演じ切った若き日のベティ・デイビス。めっちゃくちゃハマってる！
絶対に小悪魔とか魔性とかじゃない、こんな女どこがいいの？っていうほどの女なんですが、これが何故か妙に生々しいというか、実体験というのを納得してしまう。
フィリップにはいつもフィリップを気にかけてくれる女の親友が居て、フィリップがミルドレッドに振られた後に寄り添い付き合うのに、ふらっと戻ってきたミドルレッドに迫られ、悩みつつもその優しい親友兼恋人を振ってしまう。
本当いるよねーこのタイプの男。
追っかける事で俺はこの女の事が好きなのだと思ってしまう精神的ドM恋愛男子。
側から見れば、この穴にハマれば生気もお金持ち吸い取られていくだけなのは容易に分かるのに・・・そして当然のごとくフィリップはミドルレッドのドツボにハマっていいボロボロにされてく。
後半の展開はそれでも、ミドルレッドざまぁ！とは痛快になるはずもなく、何だか異様に後味の悪いハッピーエンドを迎えてる気がするのは私だけではないはず。
「愚かな恋愛」というカテゴリーで見たら、トップ10にランクインしそうな痛々しい男のラブストーリーといった印象でしょうか・・・
どうせ女にボロボロにされるおバカな男の恋愛なら、(関連は全くないけど)谷崎潤一郎の同名小説の方が徹底してる気がします。

ベティ・デイヴィス、綺麗なのに性格悪い役が多いですね。でも、それがはまっていました。若くて美しい女性から本性を出した醜い女性へと演じ分けていて、彼女の凄みが伝わってきました。

物語は、一目惚れした女性ミルドレッド(ベティ)に真面目な医学生フィリップ(レスリー・ハワード)が振り回される話。

彼が「青白くて謎めいて冷たい君」なんて言っている時点で既に女性との力関係が分かろうというもの。彼女はツンデレ、次第に悪女の本性も現すが、憐れなフィリップはとてもお人好しに接していく。ちよっとモヤモヤが募っていく展開でした。
そんな彼も今後の変化が期待出来そうだったラストは良かったです。


映像はノイズがひどく、いかにも古い。1934年の映画。原作はモームの「人間の絆」。

【足に軽い障害のある医学生ケリーがカフェ店員ミルドレッドに一目惚れ♡それからの人生】

ベティ・デイヴィスさん追っかけ中
1934年のフィルムは､さすがにエモい
今観ると、ハラスメント発言にもハラハラ😅

原作はサマセット•モームの自伝的小説『人間の絆(1915)』で、谷崎潤一郎氏の『痴人の愛(1924)』とは異なるようだが､悪女に翻弄される男の姿に共通するものがある
関連の有無は谷崎さんのみぞ知る

ミルドレッドの細眉と目の間隔が広い当時のメイクが美しく、まるで肖像画のよう✨
悪女かつ男運のなさも、見事に顔で現している

優柔不断ケリー🆚奔放ミルドレッド
さあ、勝つのはどっち？！