イチロヲ

ラリー・フリントのイチロヲのレビュー・感想・評価

ラリー・フリント(1996年製作の映画)
3.5
ポルノ雑誌「ハスラー」の成功で財を成した反体制思想家が、表現の自由を掲げながら法廷闘争劇を繰り広げていく。1974年に人気雑誌「ハスラー」を創刊した人物ラリー・フリントを題材に取り上げている、伝記映画。

物語はフリント兄弟の子供時代から開始。貧困生活が人格形成の核となっており、兄弟は性産業の世界に入った後、ハスラーの成功により豪奢な生活を結実させる。しかし、「わいせつ裁判」の圧力により、兄ラリーは反体制の精神を滾らせていく。

「何を読むかは個人の自由である」と弁護すると、「子供が読んだらどうするんだ」という伝家の宝刀を抜いてくる。さらに、雑誌に風刺を掲載すると、ネタの真意を逐一説明しなければならない。裁判に必要な行程なのだが、端からみるとバカバカしい限り。

なお、実際のラリーには、数名の前妻と子供がいたらしいが、そこはざっくりと省かれている。日本でも、「奇譚クラブ」を創刊した人物の伝記映画、「日活ロマンポルノ裁判」の実録映画など、好材料が揃っているのだが、現実的に難しいのだろうなぁ。
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    イチロヲ

    イチロヲ

    映画はたぶん好き。