もしも名画座の支配人だったら その３

シンデレラリバティーとは、アメリカ海軍の俗語で、夜中の12時までに帰還しなければならない休暇のことをいう。中々粋な言い方。

海軍の水兵と、子持ちの娼婦の地味で切ない恋物語。

水兵を演じるのが、あのゴッドファーザーで血の気の多い長男をやったジェームズ・カーン。あの役とは全く違い「下品な言葉は使わない。嘘はつかない。女は殴らない」をモットーにする優しい男。この優しさがあれば、ハチの巣にされなくてすんだかも 笑。何故そこまで彼女やその息子に優しくするのかと問われ、"気分がいいから"だと答えます。誰かのためでなく、彼も孤独で誰かに必要とされることが嬉しいのだ。何と正直なことか。そこがまたいいんです。

娼婦はマーシャ・メースン。決して美人というわけではないけれど、ダメな母親でもどこか憎めない。

昔、かぐや姫というグループの「神田川」という曲に「若かった頃、何も怖くなかった。ただ、あなたの優しさが、怖かった〜♪」という歌詞がありましたが、それを思い出しました。優しさが重荷になることも、、あるんだねぇ〜？（そこまで優しくされたことないから分からんけど 😢）

何がどうということはないのだけれど、何か心に残っていた作品。「発掘良品」で出ていたので、久しぶりに観ました。やはり、そんなに特別ではないんですけど、何か心地よいんです。
音楽がジョン・ウィリアムだということを、今回初めて知りました。これも、また良かった。

• #もしも名画座の支配人だったら
• #発掘良品

ジェームズ・カーンの限りない優しさ
どうしてそこまで？という問いに、「気分がいいから」と答えるのがまたらしくて良い

だけど…これ良い話か？
11歳で歯を磨いたことなく虫歯だらけの息子をもっとなんとかしてやってくれー母親。
身体を売るのは良いよ、それも立派な仕事だよ
だけど息子に責任持ってくれよー
バート・ヤングは制服が似合っていたし、水兵の男たちはみんな気がイイ奴で最高だったけど、母親があれじゃなあ。
男たちの物語なら、これでOKてことかな

人情味溢れる優しい映画。独り身の淋しい水兵と一人息子を抱える女性がバーで出会う。

とにかく、J・カーン演じる水兵がいい人。先行き不安な状況でも、生活苦の女性に献身的な深い愛情を注ぐ。言わずもがな、息子にも。そこに、ある出来事を境に恨みを抱いていた、かつての上官も交えながら、希望ある未来に向けて再生していく。

ただ、人生は一筋縄ではいかなーぃ。幸福感がありながらも、不完全さを伴う終盤の展開に、ニューシネマらしさを感じましたね。これは素敵な映画や。