スペインのガリシア地方で残忍な殺人事件が勃発。犠牲者の体には人間の仕業とは思えない無数の裂傷があり、大半の村人は狼の仕業と決めつけ、狼退治を開始。
　そんな中、ある人物が、死体からあるものが取り除かれている点に着目し、これは人間の仕業だと確信するのだが……。

　ダークファンタジーのような、スリラーのような、ホラーのような、サスペンスのような。
　雰囲気は良い。そしてなかなか気色悪い。
　舞台はスペインなのだがセリフは英語。
　ラストには驚きの真実が待っている。
　更に本作、何と実話ベース。それも驚きだ。

　最後に、ジュリアン・サンズのご冥福をお祈り申し上げます。

適当ジャケ借り映画

呑気に稲刈りしてる自称狼男の姿が笑える。
パンズラビリンスの主演の女の子がちょい役で出てます。

1851年、スペインガリシア地方で住民が野獣に殺害される事件が多発。狼の仕業との噂から村人は狼狩りに奔走。バーバラは姉の恋人で行商人ロマサンタに惹かれていくが、姉とその娘が消息を絶ち…というストーリー。
ジャケットからはB級狼男映画の印象を受けますが、アリャリスの狼男事件と呼ばれる実際に遭った殺人事件を基に映画化したサイコ・サスペンスです。「REC」シリーズでジャウマ・バラゲロと共同で監督をしていたパコ・プラサが監督を務めています。
序盤は姉の恋人に惹かれる主人公バーバラと姉マリアの嫉妬でドロドロの関係が描かれますが、マリアと娘が森の中で襲われ、精神学者の教授が狼の犠牲者とされた遺体が人間によるものと断定してからはサイコサスペンス色強くなっていきます。
結構前半の方で犯人は明らかになりますが、中盤からのバーバラと警官たちが殺人犯の行方を追う展開などは地味ながらも緊迫感あって悪くなかったですね。
中盤で雨に打たれる狼の毛が抜けて皮膜に包まれ、それを破って人間が出てくるシーンはインパクトありましたね。
結構時系列が交錯しながら描かれるので登場人物の関係などがイマイチつかめなくて混乱する所はありますね。アントニオも何時の間にか捕まっていて混乱しました。
直接的なゴア描写は殆どないですが、チラッと映る犠牲者の遺体は中々のグロさです。
ジュリアン・サンズが自分を狼男だと主張する殺人鬼ロマサンタを怪しく演じています。ヒロインのバーバラを演じたエルサ・パタキーも凄い美人で見応えありました。風呂のシーンはシュチエーションと言いエロすぎでしょう。
終盤の裁判シーンは結構アッサリ終わりましたが、ここをもっとメインに描いても面白くなったかも。警部が言っていたように精神障害を装った知能犯のサイコパスという印象受けましたね。共犯？のアントニオも支配して殺人に加担させたっぽい所もサイコパス感強いですね。
ラストは何とも言えない余韻を感じました。本当にバーバラの事を彼なりに真剣に愛してたのか、それとも最高の獲物として最後に取っておいただけなのか。
最後のテロップ見る限りアントニオの存在は疑わしい感じなんですね。ロマサンタの最期もこの映画独自の解釈なんですね。
凄く地味な映画ではありますが、サイコサスペンスとしては悪くなかったですね。「クリミナル・マインド」好きな人なら好きなんじゃないかな？