『近代社会にも放浪民(ノーマッズ)は実在した！？』




今日も夜勤でお疲れじゃ〜んな女医の元におーっと何やら毛むくじゃらのよく見たらイケメンでまたよく見たら築地魚河岸3代目も凌駕する5代目ジェームズボンドのピアース・ブロスナンじゃないですかー！！そんな彼がアイルランド俳優だと言うのにラ・フランスのイケオジ風のフランス語をペラペラ喋り始めたかと思えば「ニ・ソン・パ！！ニ・ソン・パぁぁぁ〜！！」えぇ？どこのコトバでカムサハムニダ？？謎のコトバを女医の耳から血が出るくらい連呼しまくった後男は絶命してしまう。。。。


監督はこれがデビュー作！？「ダイハード」「プレデター」のジョン・マクティアナン。この人ドッカンバッカン監督とばかり思っていたのですが……まさかホラー畑出身だったとはですねー。いやーヒッピー＝「悪魔」という発想？これが何より面白いんでありますねー。全身黒革でハーレー乗ったイカしたチンピラですよ？カツアゲされたら怖いかな、くらいの恐怖はあれど「不気味」…？というとちょっと想像しづらいというか、BGMもガンガンロックだし不気味な雰囲気ははっきり言ってない。なのにジワジワと「怖い」。これはアレだ「意味がわかると怖い話」に近いかもしれません！！



↓ブログにも感想書きました↓
https://edamamemamade.wixsite.com/edamame-movieimpact

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人造都市が作り出した亡霊

『プレデター』『ダイハード』のジョンマクティアナン監督デビュー作！シュワちゃんが本作に感銘を受けたため『プレデター』に抜擢されたらしい。でもいつものマクティアナンからは想像できないほどに抽象的で悪夢的ホラーのような作風に驚き！個人的にはこっち方面でも作って欲しかったかも😂

どこ見ても酷評しか見当たらないけれど、わたし的にはかなり好きだった！街の中に出没して悪さの限りを尽くすバイカー集団。彼らに惹かれ、気づかれぬように後をつけては写真を撮り観察する人類学者（ブロスナン）を描いているのだけど、そのバイカー集団はカメラに映らず、寝ることもなく活動する悪魔たちだった…そして盗撮してるのがバレてしまい…的な感じ。

本作は、その人類学者が冒頭で死んでしまう。その死の間際に人類学者の思念的なものを植え付けられた女医の主人公が人類学者の記憶にダイブする…というスタイル。とりあえず一晩中隠れてシャッターを切り続ける学者さんはもう狂気でしかないし、ド変態だよね🤣見つかって目の前でエロダンスされてるのもニヤニヤしながら撮ってたし😅

本作はロスに移り住んだ時にマクティアナン自身が感じた、根無草のような人造世界の異様さをベースに製作されたようで、監督の自伝的な内容になっているらしい。「砂漠の上に作られた都市」と作中でも言及されるように、虚無なロスに無理矢理にでも馴染もうとする人類学者は当然その本心とのギャップに違和感を覚え、アナーキーな存在であるバイカーへと惹かれていく。

そのあたりは『サイコマニア』からの影響が強そうにも思えるし、本作のバイカーを吸血鬼として描いた同時代の『ニアダーク』や『ロストボーイ』とも共通項を見出せる。あと『キャンディマン』はかなり近いと思うけど、フィルマの関連作品に出てくるとかどんだけこの機能精度すごいの？😂

本作のような反帝国主義的な内容をどちらに傾倒するわけでもなく、「故郷を離れ旅に出るとどこまでが現実かわからなくなる」という作中セリフを主人公と人類学者の双方に投影させ、「ブルジョワな暮らしを楽しむ」とか本心でないことを口走ってる学者や、30時間以上連続で労働を強いられる現状をなんやかんや理由つけて自分を納得させてる主人公の内面的な葛藤へと舵を切っている。学者が歩むさまざまな場所は幼少期のトンネルであるし、現状からの解放と、一見解放に見えるけれどそれすらも元々組み込まれたシステムでしかないものに絡め取られてしまうという対比は、監督の今後の映画人生を予言しているようにも見えて面白かった。

• #ホラー映画と怖い映画

2023.4.20

アクションが観たくなり、ジョン・マクティアナンをチョイス。記念すべきデビュー作はまさかのサスペンスホラー。

ホラーやとは思うけど、典型的なホラーとはちょっと違う。まずゴリゴリにロックがかかってる。今作が作られたのは1984年頃か。HR/HM的な音楽が流行ってる時なんかな。観客を怖がらす時に流れるけど、怖さがほとんどない。

深夜に運ばれてきた血だらけの男と関わったことで、とある闇に巻き込まれる看護婦の話。見えてるけど存在しない人間たち。タイトルのノーマッズは放浪者たちという意味。彼らは眠らず、色んなところに移動して動き回る。たぶん彼らは死んだ者たちかな。何かしら罪を犯したから天国にもいけず、見えるけど存在しないものになって一生徘徊しないといけない、みたいな。のわりには自由にやりすぎというか、罰になってない。ピアース・ブロスナンが彼らに取り込まれるオチは読めたけど、なんでそうなるのかはわからん。ノーマッズを殺してしまったからか。ノーマッズは罪なき人々を自分達と同じ境遇に引き込もうとしてるんかな。いやでもブロスナンが深入りしすぎたから危ないよってシスターみたいな人が言ってたしな。となると積極的に引き込もうとはしてないのか。なんかよくわからん。

なぜレスリー＝アン・ダウンがブロスナンの記憶を追体験出来たのか。ノーマッズの目的や存在意義。カリフォルニアの外までは追わないこと。レスリーたちを屋根裏部屋まで追い詰めといて何もせず帰ったこと。色々わからんことが多すぎる。たぶん脚本の詰めが甘い。ノーマッズたちの服装がキッスみたいなスタイルで、「マッドマックス」を思い出す。話の流れ的に暴走族には関わるなと言ってるような気がしやんでもない。ジョン・マクティアナン、なんか嫌なことされたんかな。

ブロスナンは今作が映画キャリア三作目。もちろんまだボンドではない。レスリー＝アン・ダウン見たことある気がしたけど、たぶん初めまして。どことなくマーゴット・ロビーに似てる気がする。他はまったく知らない。ブロスナンも駆け出しやし、ある程度低予算で作られた作品なんやろうな。この時期の彼を観れたのは良かった。

冒頭の入りが良かっただけに消化不良な出来。ここからアクションで成功するとは思われへん。ノーマッズの1人をビルから落とすシーンは「ダイハード」でハンスが落ちるシーンを連想させる。気に入ったシーンやったんかな。次はシュワちゃん。楽しみ。