テナント/恐怖を借りた男の作品情報・感想・評価

テナント/恐怖を借りた男1976年製作の映画)

THE TENANT

製作国:

上映時間:126分

3.7

あらすじ

ポーランド人のトレルコフスキーは、パリのアパートの一室を借りた。前に住んでいた女性シモーヌは、この部屋から飛び降り自殺を図ったという。壁の穴に押し込まれていた1本の前歯。部屋に残されていた女性のドレスと化粧道具。煙草の銘柄や飲物の好みの変化……。やがて彼は周囲の人々によって自分がシモーヌに変えられていく事を感じ始める。被害妄想は次第に膨れ上がり、ある夜、その妄想は現実と化す……。

「テナント/恐怖を借りた男」に投稿された感想・評価

Iri17

Iri17の感想・評価

4.9
観終わった後釈然としない話だったが、ユダヤ人であるポランスキーが演じている事の意味に気付いたら、実に面白い映画だつた。メタファーに次ぐメタファー、伏線に次ぐ伏線で、現代ヨーロッパ史とアイデンティティを奪われる恐怖を描いた作品。詳しくは鑑賞後に町山智浩さんの解説音声ファイルを聴いていただければ。

『水の中のナイフ』も『ゴーストライター』も正直全くハマらなかったのだが、今回は本当に面白かった!
怖かった。。。もう、そりゃ色んな意味で。

ベルトリッチの「暗殺の森」は大衆(マジョリティ)に染まることで、何とか己のアイデンティティを堅持しようとした男の話だったけど、この作品では目に見えない偏見が暗黙の集合知として、ある男のアイデンティティを緩やかに剥奪していく。
ポランスキーの作品中、俺の中では「反撥」がずっとベスト・ワンでしたが「テナント」はそれを軽く越えちゃいましたよ、今頃になって。

…けど、ホント、怖かった。。。
小森

小森の感想・評価

-
相変わらず周囲に人格を歪められる人を描くのが上手い
ロマン・ポランスキー監督自らが怪演する変わったスリラー。
撮影監督は、スヴェン・ニクヴィスト。
『燃えよドラゴン』を観て欲情するイザベル・アジャーニは、あまり綺麗に撮られていない。

物語は、フランス国籍のポーランド人の独身男=トレルコフスキー(ロマン・ポランスキー)は、アパートを探していたが、事故物件(前住人の女性は投身自殺)の部屋を借りる。
近隣住民が変人だらけ、前歯が壁穴から出てくる部屋、入居後から様々な幻覚を見て、強迫観念を抱き始める男。
残された前住人の女性服を着て化粧したトレルコフスキーは、女用かつらを購入したりして、ますます変になっていく。
結局、自室から二回飛び降りて、自殺未遂となる男だが、病院で男が包帯だらけで寝ていると、その男の眼に映るのはイザベル・アジャーニと自分。
という夢か現か定かでない終わり方が不思議な映画であった。

しかし、観終わって面白かったか、と問われると、さほどではない感じ。
美まさ

美まさの感想・評価

4.1
ポランスキーのユダヤ人としての実体験と妻のシャロン・テート殺人事件から醸し出される、いつまた周りの人間が自分達を殺す虐殺者になるかもしれない恐怖、が映っている映画。
ポランスキー演じる主人公が引っ越してくるアパートの住人はみな一様に主人公に冷たい。
「出身はポーランド、国籍はフランスだ」とあくまでユダヤ人としてつぶやく主人公。
印象的なのは主人公の友人の一人が病気の隣人に冷たくするところだ。
まるで「俺さえよければいいんだから、たとえお前が病気だろうがファッキン知るかよ」とでも言わんばかりに。
あれ、不寛容な現代社会みたいだな。
これを自分で演じるのは凄い。
トイレから見つめる者のホラー感から
彼を恐怖に陥れる住人のジョーク感まで何でもござれ。
後ポランスキーは「理由も無くこっちを見詰める人」が上手。
まな

まなの感想・評価

2.3

このレビューはネタバレを含みます

ポランスキー監督のファンなので&とても怖いと評判を聞いて鑑賞。
感想としては…そんなに怖くなかったw

オチとして、アパートが呪われていたOR主人公の精神が病んだ、どちらを受け取るかで感想もかなり変わってきそう。私は後者で。
頭がおかしくなった時は、周りが全て敵に見えるのもよく分かるし、些細なことが自分を罠に陥れる為だと思い込む点は、とても上手く表現されていたと思う。
ただ、主人公が決定的におかしくなるまでは退屈だった。そこが残念。
ポランスキー監督の恐怖描写はこの作品でも確かなものだが、いかんせん途中で飽きてしまう話のだるい展開が本当に惜しい。
Otun

Otunの感想・評価

4.3
変わらず、ブレイキングバッドからの箸休め的映画鑑賞。
再見。ポランスキー作『テナント』。

お盆の最中。連れがわが家に来てて、まー時間もあるし、さて、家で映画でも観るか、となり、レンタル中の今作を
『ホラーだけど傑作だからこれ観てみる?』と私が訊くと、『怖い?見る見る』と言うので二人で見たら、終わった後『なんじゃこりゃああ。変態やんか。お前も変態なのか。何これ。もやもやだわ。もやもやさまーずだわこれ』との強い叱責を受けた。
だから、聞いたのに。

という訳で、
ポランスキーの変態っぷりがここまで全開、解放されて界王拳100倍みたいになってる作品、私は他に知らない。

物語。アパートを借りに来た一人の男。
その部屋は、前人が飛び降り自殺を図ったいわくつきの部屋。
新生活が始まり、るんるんの主人公。
が、その内に不可解な違和感が彼を支配していく、、、。

全編を通して、うっすらと張られた緊張感が秀逸すぎる。
冒頭から、観客の心臓の鼓動がトクントクンと少しづつ上がる。
そして、終盤はデビットリンチ作の様な錯綜の連続!最早、コメディ。

ここまで、変態性を強く出して、
主演までやるポランスキー!!界王拳100倍のポランスキー!!!
最高や。だけど、二度と連れとは鑑賞しません。
324

324の感想・評価

4.5
少しずつ逸れた縫い目が連なって面となった最終形が、とんでもなく歪なラインになってしまっている恐怖。繊細に積み重ねたシークエンスに圧倒される。住居映画でトップクラスの完成度と面白さ。
ゆじ

ゆじの感想・評価

3.3
サスペンスホラー?といった感じなのかな?
話の展開も興味深く、主人公がどんどん狂気に侵されていく描写も怖い。

だが、今回の収穫はステラ役のイザベルアジャーニ。
変なメガネをかけたりして、ことさら美人を表現しないようにしているっぽいが溢れる美しさが隠しきれてない。

よくわからないところもあるけどそれも含めて良い映画なのかな。
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