“闇社会の帝王”と呼ばれたニューヨークの伝説的なマフィア、マイヤー・ランスキーの半生を描いた伝記映画。
伝記映画だが、マフィアモノってことでよくある王道のストーリー。90年代の映画ってこともあり演出はやや古臭い。
マイヤー・ランスキーはマフィアというよりビジネスマンだったんだろうなぁ…

フランク·コステロの作品を観たので、気になっていたこちらも観賞。こちらは、マイヤー·ランスキーの半自伝で、こちらも需要の少ないであろう作品。1970年(68歳)に脱税容疑を受けイスラエルに逃亡し、2年後、国外追放された彼が、過去を振り返る。例によって地味だけど、史実に忠実で、私は観て良かったです。

移民の子でユダヤ系のランスキーは頭脳明晰、バグジー·シーゲルは腕力で彼を助け、2人は子供の頃から一緒に賭博で稼ぐ。不良グループのボス·ルチアーノと友人となり、禁酒法時代にはバグジーと共に密輸ギャングのダッチの元、酒の密輸のみならず、他の密輸トラックを襲って酒を横取りし、転売して稼いだ。



ネタバレ　↓



更にコステロの紹介でロススタインに認められ、自ら密輸ビジネスに参入。ルチアーノらと酒輸送等の規模を拡大し、更に麻薬ビジネスにも手を染め、コステロ同様、政治家や有力者を金で買収した。
1930年、マフィアの抗争でボス·マランツァーノをユダヤ系殺し屋に殺させ、ルチアーノの抗争を助けた。
ルチアーノやコステロ、バグジーらと全米犯罪シンジケートを立ち上げた。
禁酒法廃止後、競馬やドッグレース、私設馬券場、競馬通信社を支配し、ネバダ州の賭博合法化で、バグジーをラスベガスに送り込み、キューバではバティスタ政権に賄賂を送り賭博リゾートの利権を独占。
儲けた金はスイスのダミー会社に送金、資金洗浄した。
ラスベガスのフラミンゴの建設は難航し、バグジーは数百万ドルの資金を溶かした。
会議で、マイヤーは最後まで1人反対するが、バグジーは暗殺された。
何故か小者と見られていたランスキーは、違法賭博で3ヶ月の禁固刑で済んだ。又、NYマフィアのアナスタシアと衝突し、ヴィト·ジェノヴェーゼと結託した。
カストロの革命政権が誕生し、ホテルは没収され、ランスキーは大損。
1960年代からFBIに目をつけられ、1970年に脱税容疑を受け、イスラエルに逃亡したが、2年後、帰化申請が却下され、国外追放された。
アメリカ政府は訪問先の中南米諸国にランスキーを入国させない様に圧力をかけ、アメリカに強制送還された。
その後、保釈され、1976年に病気と老齢を理由に告訴は取り下げられ、マイアミの隠れ家で質素に暮らし、1983年肺癌で死去。
ランスキーは、最初の妻アンナと離婚し、セルマと再婚。アンナとの間に3人の子供がいて、離婚後も良好な関係だった。
長男は足が悪く、次男はエリート軍人校を卒業し、陸軍士官になった。

ランスキーと言えばルチアーノと思っていたが、バグジーとの絆がこんなに深いと思っていなかったので、勉強になりました。後半でジェノベーゼと組んだのも意外でした。やはり、イタリア系、アイルランド系が多いNYマフィアの中で、ユダヤ系のランスキーは異質。それでも頭脳で人脈をマフィア内にも政治家や有力者にも作り、一度も収監される事が無かったのはお見事でした。

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ギャンブル

ユダヤ移民で、様々な悪行をことごとく成功させてきたマイヤー・ランスキーの物語

何という人だ

ワル
幼い頃からワル

過去と現在
政治などいろんなものが絡む

時代を感じれる作品でもありました