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天使の入江
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目次

天使の入江の作品紹介

天使の入江のあらすじ

『シェルブールの雨傘』のジャック・ドゥミ監督の作品。パリの銀行員として働くジャン。カジノで大当たりしてからギャンブルにハマってしまう。カジノで出会った美女・ジャッキーと意気投合し、ますますのめり込むが……。

天使の入江の監督

ジャック・ドゥミ

原題
LA BAIE DES ANGES
製作年
1963年
製作国
フランス
上映時間
80分

『天使の入江』に投稿された感想・評価

4.4
 湾岸の道を歩くジャンヌ・モローの印象的なアイリス・イン、やがて車は遠ざかるヒロインを後退撮影で据える。8月6日フランス・パリ、銀行員のジャン・フルニエ(クロード・マン)は真面目で堅実な銀行員、母親は既に他界し、時計屋のこれまた堅実な父親との2人暮らし。実直という言葉を絵に描いたような男やもめの暮らしぶり。体調不良で早退した彼を送る同僚のキャロン(ポール・ゲール)の姿。彼は昨日購入したという新車をジャンにこれ見よがしに見せびらかす。「お前のところは金持ちでいいな」というジャンの言葉に対し、キャロンはルーレットのギャンブルで一山当てたんだと自慢する。妻に2年ローンだと嘘をついて一括払いで買った新車、貧しい暮らしぶりのジャンに対し、お前も今週、ギャンブルに来いよとキャロンは誘い入れる。その日の夜、父親に相談すると「賭博師は怠け者だ」と父親は厳しい口調で罵る。カジノに入り浸るような奴は人間ではないと云う強い調子、堅実な銀行員であるジャンは父親への反発心もあり、同僚とアンギャンの市営カジノへ向かう。白昼夢のような鏡張りの印象的な世界。そこには聖と俗の境界線として多数の鏡が置かれている。フランをチップに変えた後、2人は後ろで喚く1人の女の痴態を目撃する。支配人が彼女を引き摺り回し、これで二度目だからと出入り禁止を言い渡す。ブロンドの髪の女は、取り乱した様子で抵抗を試みるが、男の力の前には為す術もない。ジャンはその日、13と云う数字を頼りに一点買いし、ビギナーズ・ラックで見事に大金を手にするのだった。

 処女作『ローラ』でヌーヴェルヴァーグ左岸派の恐るべき天才として世に登場したジャック・ドゥミは、続く『シェルブールの雨傘』の脚本を既に書き上げていた。愛する妻で3歳年上であるアニエス・ヴァルダとの幸せな新婚生活。妻のヌーヴェルヴァーグ傑作『5時から7時までのクレオ』のカンヌ国際映画祭出品に併せて現地に到着したジャック・ドゥミは『シェルブールの雨傘』の出資者を探し回るが、皮肉にも夫のミュージカルには買い手がつかなかった。失意のどん底にあったジャック・ドゥミはカンヌのカジノにうな垂れるように連れて行かれ、天啓のように今作のアイデアを得る。熱にうなされたような張り詰めた空気、金を巡る人間たちの欲望、その悪魔のような衝動にうなされたドゥミは一心不乱に今作の脚本を書き上げる。かくして幸か不幸か本命の『シェルブールの雨傘』の映画化実現の困難さから余技的に生み出された今作は、トントン拍子で出資者を勝ち取り、ジャンヌ・モロー主演で見事映画化される。ジョゼフ・ロージーの62年作『エヴァの匂い』のダメ押しのようなジャンヌ・モローの華麗なるファム・ファタールぶり。ギャンブル依存症の美しい年上女は夫と離婚し、3歳になるミシューの親権は夫に奪われている。妻の役目を剥奪された女は、実直だが母親の面影を知らないジャンと突然ドラマチックに恋に落ちる。然し乍らそこには男女の機微の違い、ギャンブル依存症と云う精神疾患を抱える女との壮絶な恋愛が待ち構える。パリからニース、そしてモンテ=ネグロへ。男女のファッションの白黒をモノクロームに叩きつけるようなジャック・ドゥミの光と影の色彩感覚。そのあっと驚くような逆転劇。幸運のテーマと天使の入江のテーマを明確に対比させたミシェル・ルグランの煌びやかなスコア、男と女、罪と罰、天使と悪魔、宗教と賭博、愛情と嫉妬、ルーレットの出目のような壮絶なラスト、どれを切り取っても完璧な『シェルブールの雨傘』前夜のジャック・ドゥミの何度観ても素晴らしい奇跡のような傑作である。
Kota
3.6
“賭けの醍醐味は貧困と贅沢の両方を味わえる事。”

ジャック・ドゥミ監督長編二作目。平凡な銀行員の男性がカジノにハマり現実逃避していく様と、カジノで出会った美しい年上の女性に惹かれていく様を描く。冒頭、カンヌの海沿いをカメラが高速で駆け抜けていくシーンからのめり込む。

ほぼ80分ずっと二人でカジノのルーレットで勝ったり負けたりしているだけなのに、最後まで飽きずに観れてしまうこのお洒落さと心地よさは本当に凄い。ラストも唐突なんだけどなんかフランスっぽくていいよな。ルーレットの回ってる所とか、チップ換金するところとか、ホテルのチェックインとかのシーンを毎回いちいち映す事に、ストーリー的に入れないと尺持たないんです感が存分に出ていて好き(笑)。
“この情熱のお陰で生きていられる”

パリで銀行員として真面目に働くジャン(マン) は、同僚に連れられ初めて訪れたカジノで大当たりしてからすっかりギャンブルの虜になり、南仏ニースでカジノ通いの日々を過ごしていると、そこで出会ったブロンドの女性ジャッキー(モロー) に惹かれ、ふたりは益々ゲームへのめり込んでいく。

ジャック・ドゥミ監督の長編第2作。
それはオープニングから心掴まれる。
ミシェル・ルグランのピアノスコアと共に、“天使の入江” 沿いを通る“英国人の散歩道” にひとり佇むジャッキーを捉えたキャメラが猛スピードで遠ざかる疾走感からカジノの緊張感、さらには男と女の躍動感へと常に胸踊らされ、ピエール・カルダンによるモノクロを意識したモローの衣装とも見事に調和する。

小道具としての演出なのか?フランスで最も有名な煙草のジタンを吸うマンに対し、アメリカ生まれの両切りラッキーストライクを吸うモロー。
封緘紙を剥がし、全開けにしたソフトパックから一本取り出しては火を付け、紫煙をくゆらす姿がカッコいい。

妻のアニエス・ヴァルダ監督がカンヌ映画祭に『5時から7時までのクレオ』を出品した際、同行したドゥミが友人に誘われカジノへ行き、そこで目にした人々の賭けに魅せられた地獄のような情熱にショックを受けて、これをアイディアに僅か数日で脚本を書き上げ、既に仕上がっていた『シェルブールの雨傘』を中断してまでも本作を優先し仕上げた逸話も実に興味深いではないか。

“賭けの魅力は、贅沢と貧困の両方を味わえること”

ともあれ、“人生”という回転盤に放り出された玉のように、何処とも無く転がされていく男と女の残酷な運命を描いた傑作であることには違いない。

108 2021

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