モラン神父の作品情報・感想・評価

モラン神父1961年製作の映画)

LEON MORIN, PRETRE

製作国:

上映時間:128分

ジャンル:

3.8

あらすじ

ナチ占領下のフランス。田舎町の学校で働くバルニーは、娘の洗礼を機に宗教への興味が湧き教会へ出向く。相手をしてくれたのは若く情熱的で勉強家のモラン神父。ユダヤ系フランス人である彼女は無神論者だったが、モランの話を聞いている内にキリスト教の教義に心惹かれ、やがてふたりの間には仄かな愛情が…。ヌーヴェルヴァーグの監督たちを陰で支えた名カメラマン、アンリ・ドカによるハイ・コントラストのモノクロ映像、激し…

ナチ占領下のフランス。田舎町の学校で働くバルニーは、娘の洗礼を機に宗教への興味が湧き教会へ出向く。相手をしてくれたのは若く情熱的で勉強家のモラン神父。ユダヤ系フランス人である彼女は無神論者だったが、モランの話を聞いている内にキリスト教の教義に心惹かれ、やがてふたりの間には仄かな愛情が…。ヌーヴェルヴァーグの監督たちを陰で支えた名カメラマン、アンリ・ドカによるハイ・コントラストのモノクロ映像、激しさとストイックな要素がせめぎあう演出が画面に異様な緊張感を醸しだす異色作。J ゠ P・ベルモンドと E・リヴァの新鮮な存在感も見所。

「モラン神父」に投稿された感想・評価

特に何も起こらないのだけれど不思議な余韻が残る映画。神父と主人公の会話、彼女のナレーションが印象的。
K2

K2の感想・評価

4.4
禁忌と戦う緊張感に包まれるドSとドMのストイック神学作品。

無神論者であるためキリスト教神学に対して挑戦的に接するも引き出される興味に徐々に理解と信仰を深めていく女と、寛大で時には厳しく接する神父。

モラン神父の寛大真摯な姿勢と時に突き放すような飴と鞭はそこはかとなく甘いルックスと合わせて意識せず女性を虜にしてしまう罪深いもの。自分に対する姦淫未遂の罪を自分に懺悔させるさまなんかはカトリックの禁欲的な雰囲気も相まってある種のプレイにしか見えない程魅惑的な雰囲気。斧や包丁に表される緊張感は流石。

キリスト教全然知らないけど一神父とはいえ説教の時に腕組んだり世話係という職へのちょっとした偏見とかは少し気になったけど昔の悪ガキ感みたいなものが出てるのかな(?)

序盤で「窮地に陥った時に神にすがるのは信仰ではなく現実逃避」ってサラッと言われちゃったら『沈黙』のAガーフィールドも即死しちゃう。
ガラス越しに映る強制退去のシーンがお気に入り。
ベルモンド、+愛アムール+シベールちゃんとか何これ。ここからタヴィアーニの『太陽は夜も輝く』に繋がるのだと妄想し、ナスターシャ・キンスキーのくちびる回想に暴走しつつ、シベールちゃんはシャルロット・ゲンズブールへと成り上がりついに神父も落ちたそりゃ落ちるわ…と勝手に妄想して納得。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.0
「モラン神父」
メルヴィル監督の傑作の一つである本作を4kリストア版で再鑑賞したが映像が綺麗で驚いた。本作は何と言ってもベルモンドとリヴァの共演だろう。現代では作れない占領下のもと神父と未亡人の愛を描いた作品でリヴァの感情的な芝居は天下一品で僕にとても影響を与えた女優の一人です…。
miosium2

miosium2の感想・評価

4.6
会話の間、人物たちの配置、影、目線、全部完璧(というか私の好み)。
なんで画面の中の人たちがこんなに心に寄り添ってくるんだろう…

内容は単調に思えるかもしれない。
でも私はずっと苦しめられていた、主人公の女性と同じ罪深いことを、望んでた!
この作品の素晴らしさを語れる語彙力がないのがなんとももどかしい…
エマニュエル・リヴァ演じる無神論者の女性バルニーと若く熱心なジャン=ポール・ベルモンド演じるモラン神父の邂逅を2人の神学問答を間に置いて描いた作品。
まず両者の演技が素晴らしく画面のほんの隅までその機微が行き渡っているように感じる。特にモラン神父の敬虔さとストイックさの色気は凄まじく、時折垣間見えるバルニーに対する無骨さというか少し横暴な態度もスパイスとして効いている。
初めは神学一筋のモラン神父の鼻を明かしてやろうとするバルニーだが問答を交わすうちに神父に惹かれてゆく様がこの映画の1番の見所。こんな尊厳的で迂闊に触れると怪我をしそうな危ういラブストーリーは初めて。2人の間に常にある刃物の存在感!
もう冒頭のバルニーの、女性に魅力を感じる旨を告白するシーンからグッと掴んで来る。メルヴィルの配役と脚本、主演2人の役作りと演技が見事に共鳴した傑作。

最初はベルモンド目当てにミーハーな気持ちで観たけれどそれを遥かに超えてたしベルモンドの永遠のファンになってしまった。
「勝手にしやがれ」の快活で軟派的役作りとはまた違うモラン神父という血の通ったキリストに心身を捧げる1人の神父になっていて驚く。まさにこれぞ役者。
DVD買います
Mitsunoir

Mitsunoirの感想・評価

4.0
レジスタンスで未亡人のバルニー。タバコ吸わないし拳銃も使わないしろくに走りもしないベルモンド演じる素晴らしきモラン神父。

モラン神父との議論を主旋律に、それを占領の状況や職場での出来事などの副旋律が支え、全体が無駄なく調和している感覚。徐々に変化して行くバルニーの考え・心情というのがほんと見事に描写されている。人間の堕落みたいなものも表現されているように思う。

会話で語るシーンも良いけど、映像的に語るシーンもよく、二人の間に一線を引くかのごとく、モラン神父が薪割りの斧を思いっきり土台に振り刺すシーンが好き。屋根裏を片付ける中で運ぶ運動の繰り返しから抜け出るかのように改心するという演出もいい。こうでこそ映画だ!って言いたくなる。
じゅんP

じゅんPの感想・評価

3.4
序盤こそ宗教映画として真面目ぶってるんだけど、途中から完全に神父の虜になってしまった未亡人の独り相撲と化す踏み絵ラブコメ。

罪と欲の狭間で信仰心ブレッブレになってもなお、実直に導こうと手を差し伸べてくれるとこがまたイケメンで、それゆえに互いの思いが空転していくのが痛ましい。
ベルモンドが神父役なんて、似合わないでしょ〜と観る前は思ったけど、それはそれは魅力的な神父さまだった。これは信者の女性たちが惚れてしまうのは納得。色気ありすぎ。ファン必見(๑˃̵ᴗ˂̵)

未亡人バルニーの、微妙に移ろいゆく心情描写が見事であり、格調高く硬質な、純文学のような作品。こんなプラトニック・ラブで派手な演出も一切なく、グイグイ引き込まれるってただ事ではない。
ちょっとでも触れることができるのか⁇とか、気になって仕方なくてずっと画面に釘付けだった笑

『シベールの日曜日』のパトリシア・ゴッジが、バルニーの娘役で出ているのも嬉しい。
ムチコ

ムチコの感想・評価

4.5
ベルモンドが女性をつと押しやる仕草などに表れる強引さ、「これアカン男やで!」と一発でわかる。うまい。

生のために思想(信仰)を曲げる女と、思想(信仰)のために生を押しのける男。特に男の側をいくらでもコテコテにできそうなのに、それをギリギリまでしない(ラストにほんの少し、そうとは言い切れないくらいの仄めかし)。すばらしー
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