凄い!宮部みゆき原作なので話の面白さは間違いなかろうとは思ってたけど、いやまさかここまで映画的な完成度が高いとは。一時も目が離せないストーリーテリング、距離感を詰めることで惹き付ける濃密な演出、出番の多さに関わらず印象深い役者陣。
ふと見せる子供の残酷さや滲み出る大人の保身。中学生という最もあやふやな年代だからこそのスリルに終始釘付けだし、そこに息づく人物たちの心情の見せ方に感動とは異なる思いで何度も泣きそうになった。そして凄いショットの連発。前篇でこれだ。後篇どうなるんだ…
役名と同じ芸名の藤野涼子、悩み泣く顔も真っ直ぐな決意の表情も素晴らしい。数年経ったらとんだクールビューティーになりそう。『幕が上がる』とは別人のような黒木華を始めキャストがどれもハマってる。判事の井上君いいなー。あと塚地が出てくるとホッとします。
地味そうな話だしわざわざ前後編に分けるほどなの?と思ってたけどとんでもない、全く無駄のない作りに圧倒されましたよ。色んな切り口でもってとにかく語りたくなる。ああ…これは凄いよ。ミステリとしての決着も楽しみすぎる。