彼女と別れたり、ひっついたりダラダラしながら彗星が落ちてくるのを待ってますな映画。
ピンク映画でありながらエロを堪能するという意味では必然性はなく、普通に青春映画な感じ。但し林由美香さんの脱ぎ要員にはピンク映画感じました。
高速下の河原、死体、長回し、横移動、火力間違えた焚き火、演技する亀、燃え上がる壁に貼ってあるカレンダー、伊藤猛さんのシルエットがルパン三世、突如の水面キラキラ…
ダラダラ進むわりに「ハッ！」とする画面は多い。
今岡信治監督デビュー作だが、やりたいこと十分にやってらっしゃる感じ。

しかし、そんなことよりも奈賀愛子なる名前の女優・長宗我部陽子さんが最高によい！！。長宗我部さんだけずっと観ていたい気分。
いわゆる「不思議ちゃん」の役なんだが、小動物というか人を超越したオリジナルのゆるキャラみたい。他の作品ではキリリとされてるから演技力は凄いんだと思う。
ピンクのミニワンピースのビジュアルがあるだけでこの映画は成功してると思う。

何もない若者達が終末へと向かう淡い重力を描いたミッド90's日本的オフビート青春映画。当時の日本を覆っていたどん詰まりの虚無感が映し出されるタイムカプセル作品。

日本映画専門チャンネルで「獣たちの性宴 イクときいっしょ」のタイトルで放映。このタイトルから「彗星まち」だと気付いた自分を褒めてあげたい笑

この手の作品。なんとなくこんな感じだろうな〜と思いながら観て、やっぱりこんな感じだったか〜と頷いてしまう私です(*´ω`*)

まじで脚本なんてあってないような90年代臭（ってか山本直樹）にたじろいでしまったが、冒頭の引っ越し長回しとか焚き火に素直にやられた。つかこれの水辺の逆光みて映画撮りたくならないやつおらんやろ……。ラストの人体発火がマジで遠景だったのがちょっと残念だったが、これしかない！という編集と心地よすぎるセックスの省略が楽しい。川辺の横移動がすごい。まじで永遠に見ていたい。『彗星まち』ってマジで良いタイトル。今公開されていたら見向きもされないだろうが。