
『Kamita Label』はキューバ音楽のCDを制作する、日本人によるプロジェクト・チームだ。2000年のレーベル設立 以来、数多くのCDをプロデュースし、キューバ国内の権威ある音楽賞にノミネートされるまでになった。しかし、近年 になりキューバ音楽を取り巻く状況が大きく変化し始め、録音に参加した音楽家たちの生活も一様ではなくなった。 キューバのNo.1サックス奏者セサル・ロペスは祖国での活動を続ける選択をした。社会主義を堅持し、モノ不足が慢 性化したキューバでは不自由な生活が当たり前。ジャズの音源チェックは古道具屋で漁ってきたレコードで行い、自宅 倉庫を改装した即席の音楽スタジオにオンボロ楽器を持ち寄って、音楽仲間と熱いセッションを繰り広げる日々。 一方、若き天才ピアニストのアクセル・トスカは、6年前に海外ツアーへ出た折、ニューヨークの音大のスカラシップ を獲得して米国へ移住した。キューバとは長年、政治的敵対関係が続くアメリカ合衆国。あこがれ続けたジャズの聖地 で理想の音楽を追求するが生活は決して楽ではなく、地下鉄に乗る金にも事欠き、ハーレムのボロアパートでコッペパ ンをかじって糊口をしのぐ毎日。こんな生活でも、数年前に経験した宿無しの日々を思えば、いくらかマシなのだが。





