オルミ愛が爆増した映画
人生ベスト。

これから定職に就こうという人間にはきつい
「大人」というカラフルにみえる世界に憧れ真似して、恋している青年が就職して、白黒の「大人」の世界に、毎月一回給料日に妻にキスされる世界に入っていく
監督の元職場を再現したらしい。白黒の世界から抜け出し映画監督になりヒロイン役の子と結ばれた監督に嫉妬しかない
目線の交錯の描く世界は人生の全てだ、、
これから白黒の世界に行くんだ、あゝ就職したくない…

まずはこんなにレアでかつ重要な作品を上映してくれる新文芸坐シネマテークに感謝。

「複数」の映画作家と「単数」の映画作家がいる、と書いたのは蓮實重彦だが、オルミは後者であると書いたのもまた蓮實であった。あっさり言えばそれは語りの構造のことだろうが、それはこの『就職』を観るとものすごく腑に落ちる。しかし、上映後に大寺さんが講義(面白くてためになるってヤツです)で語っていたように、一見素朴ながら「明確にされない/語られない部分」の豊穣さがすごく、これは別の意味で紛れもない「複数」じゃないか。こういうのが映画の醍醐味だと思う。

2回目:2016年9月16日/池袋 新文芸坐
うーん、2度目の方がすごかったな。

• #2016藤原