劇中の「マレーナ」の引用からも、ハオ・ジェの映画はイタリア映画的な性や感情表現への大らかさが見られる。他にフェリーニの「アマルコルド」のような感じも連想された。
ただ、初恋を描いた甘づっぱい映画ではなかった。大らかさだけでなく、そこに「映画を作るんだ」という強烈な意志が込められた作品でもある。
ハオ・ジェの映画は過去作も一般公開されていないが、東京国際映画祭のコンペティションをきっかけに、もっと多くの人に観られたらうれしい。

TIFF2015にて鑑賞。少年期の恋を大人になってもずっと心に抱き続け、こんな形で決着をつけるなんて何とも切ない話だ。微妙に違う笑いのツボ…昔、訪れた北京の雰囲気を懐かしく思い出すほど中国カラーの強い作品だと感じた。

東京国際映画祭で観た主演女優さん、綺麗でした。
監督の実体験が元になっているのかな。
初恋の切ない想いの果ては、灰色の空に覆われて。
ややノスタルジーに酔い過ぎて、冗長な感じもします。