ロメールを炊き込みご飯の具にしてフェリーニをほぐしてぶっかけてアピチャッポンをアクセントに添えたみたいな、流石に自分でも何を書いているかさっぱり分からない。オカンが死んだって言うから出向いてみたら下ネタガンガンマダムに嫌気が刺すもオカンの死体が行方不明になってなんだミステリーが始まるのかと思ったら結局そんなんも一個の振りでしか結果的には多少性嫌悪気味で不感症に陥っていたミセスが旦那のおちんちんの綺麗さに感動して爆イキするって言う謎の感動で終わる。マジで意味が分からない飛躍の仕方と言うかジャンル横断だがドニ・ラヴァンは登場の時点でラヴァンで非常に良いし、ミセスの肉体が交感を取り戻しはするものの必要以上に逸脱するでもなく、あたかもオカンの導きかの如く人生は祭りで愛のあるSEXは歓びだとの真理に立ち返るのだから童貞の私は困ってしまう。死者のみならずそれを愛する者までをも包摂する以上な懐の広さ、なんでこれが人生讃歌に着地出来たのかが最後まで分かっていない、怪作過ぎる。

アルノー＆ジャン＝マリー・ラリユー監督作。脚本・演出・配役、最高すぎる作品でした。

40代の女性キャロリーヌ（イザベル・カレ）は、疎遠だった母イザベルの葬儀のため、南フランスの村を訪れる。

プールで全裸で泳いでいた作業員たち、イザベル（現地ではザザと呼ばれていた）の世話をしていた女性パティ（カリン・ヴィアール）、ハンターのアンドレ（ドニ・ラヴァン）、パティの息子カミーユら、様々な人々と出会う。

いくつも部屋のある大きな家の一室のベッドに横たわる母の遺体を確認したキャロリーヌは、早々に葬儀を終え、その家を売りに出し、夫と二人の娘の待つスペインへ戻る予定だったが、なんと突然、母の遺体が消えてしまう・・・

ある犯行の可能性を示唆する警官ピエール。
葬儀にやって来た母の友人だと言う作家ジャン（アンドレ・デュソリエ）は遺体が消えたことにショックを受け、見つかるまで数日滞在すると言う。
そんな中、村では祭りが始まる。

遺体消失事件のサスペンスな空気を漂わせつつも、
・キャロリーヌに村の様々な男との性的関係について赤裸々に語り続けるパティ
・パティから聞く知らなかった母の姿
・キャロリーヌに熱い視線を送る若きカミーユ
・死臭がするというナニにそっくりのきのこスッポンタケ
・墓地でパティに過去を独白するジャン
・夜祭での...
などが展開する中、生と死、性、欲望、母への感情...キャロリーヌの内面と行動の大きな変化が描かれた作品となってます。

タイトル『21 nuits avec Pattie（パティとの21夜）』は、パティと仲の良かったザザが、二人の経験について本を書くべきだと話したというそのタイトル案。※21はタロットで最も強いカードのナンバー

とんでもなくおもしろい。「Got My Mojo Working」（だったはず）の不穏でヘヴィーなカバーからはじまり、生もしくは性という主題をつらぬきつつも、ホラー、ミステリー、コメディと自在にジャンルを横断しながら、最終的にはハートウォーミングな家族のバカンスへと着地してしまう。クライマックスの高揚感とその予想外すぎる跳躍がすばらしい。闇、森、幽霊というとりあわせはアピチャッポンあたりにもつうじるところがあるし、それに祭りと踊りと雷がくわわれば現実を逸脱しないはずがないだろう。多様な生（性）のありかたをふくむ自然の営みにぴったりと寄りそうことで、イザベル・カレのこころとからだは解（開）放され、昼と夜の変転、異界の侵食と秩序の回復をつうじて、彼女の世界にもバランスがもたらされる。神話的にはむしろオードソックスな筋立てであり、その必然とも奇跡とも思えるような二重性がたまらなく好みであった。そして娘ふたりは最高に可愛らしく、旦那への手コキは最高にほほえましい。