『ユマニテ』(1999)、『フランドル』(2006)で2度のカンヌ国際映画祭グランプリを受賞したフランスの鬼才ブリュノ・デュモン監督が、「カイエ・デュ・シネマ」誌ベストテン第1位に選ばれた『プティ・カンカン』(2014)のテイストを発展させ、2016年に発表した作品。美しい海辺の町を舞台に、奇妙でユニークなキャラクターたちが繰り広げるシュールでブラックなファンタジー・コメディ。第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でプレミア上映され、カンヌ・サウンドトラック賞で最優秀シンクロ音楽賞を受賞。「カイエ・デュ・シネマ」誌ベストテンでは第5位に選ばれた。1910年の夏、フランス最北部ノール県にある美しい海岸沿いの田舎町で、観光客の連続失踪事件が発生。カレー署の刑事マシャンとその部下マルフォワが捜査にやって来た。観光客が姿を消したスラック湾では、漁師一家の長男マルートが観光客たちを入り江から海までボートに乗せて案内していた。その頃、毎年この地に避暑にやってくる上流階級のヴァン・ペテゲム一族が丘の上の別荘に集まっていた。やがてヴァン・ペテゲム家の娘ビリーとマルートとの奇妙な恋が始まり、謎と秘密に満ちた物語はさらに混迷を深めていく…。
グルジア出身の鬼才オタール・イオセリアーニが監督・脚本・編集・出演を務めた代表作。パリ郊外にある屋敷に住む家族を中心に、個性的で多彩な人々の日常や人間模様を飄々としたユーモラスなタッチで描…
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