【ドキュメンタリーのススメ】
フォックスキャッチャー事件の裏側
(2016)

◆ドキュメンタリーの種類
　証言に基づく解説型
◆描かれるトピックス
デイヴ・シュルツ殺害事件
(1996/1/26)

〈本作の粗筋〉 公式HPより
レスリング金メダリストはなぜ殺されたのか？家庭用ビデオで撮影された未公開映像を交え、大富豪から殺人犯となったジョン・デュポンの転落の軌跡を追う。

〈見処〉
①映画では描かれてない大富豪の闇部
・『フォックスキャッチャー事件の裏側』は、2016年にNETFLIXにて配信された証言型ドキュメンタリー。
・本作は、2014年に公開された映画『フォックスキャッチャー』で描かれている、米国三大財閥の1つ、デュポン家の御曹司ジョン・デュポンが、自らスポンサーを務めるレスリングチーム所属の五輪金メダリスト、デイヴ・シュルツを射殺した事件を題材にしている。
・当時「フォックスキャッチャー」に参加していた元レスリング部員に加え、シュルツ婦人が20年ぶりに朽ちた施設を訪れ、当時の証言を生々しくカメラに収めている。

②結び…本作の見処は？
○: 家族愛に飢えた富豪と家庭を大切にする好漢の被害者を対比的に解説したドキュメンタリー。映画『フォックスキャッチャー』では描かれなかった、大富豪が転落していく様を、当時の映像から、多角的に多角的に明らかにしている。
○: ファミリービデオに残る、被害者家族の幸せな姿が痛々しいが、ドキュメンタリー映像として価値がある。

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『フォックスキャッチャー』を観終わってから続けて観ました。
デイヴの家族や関係者などのインタビュー。当時のビデオや音声などを編集したドキュメンタリーです。
コレを観ると『フォックスキャッチャー』がどのように脚色されたかが分かるんですが、非常に良い改変ですね。実際の事件にはマークシュルツは出てきませんし、デイヴとジョンがどんな人だったかって事がより鮮明になりました。
ジョンという人は愛国心に溢れ、スポーツの発展を願う素晴らしい人物なんですよね。レスリングだけでなく、近代五種や水泳なんてのもやってますし。しかしながら、少しずつ正気を失っていってしまうんですよね。ここら辺は実話の方が怖かったですね。
思ったのはこの事件はふとすれば回避できた。だからこそデイヴの死は悔やみきれないですよね。ジョンに関してもとても悲しい人だと思いました。デイヴの娘さんがジョンに対して、憐れみの言葉を残していたのが印象に残りました。

映画「フォックスキャッチャー」を観た後に。

この映画観ると「フォックスキャッチャー」でどこが脚色されているかが良くわかる。映画版で主役クラスの扱いだったデイヴ·シュルツの弟、マーク・シュルツはこのドキュメンタリーでは登場しない。

映画版でも不気味に描かれていたデュポン財閥の御曹司ジョン・ジュポンの狂気は、より具体的な行動例を示して実際のジョン・ジュポンの方がさらに狂気の根が深いことが示されている。

殺されたデイヴ·シュルツはみんなに慕われ、愛され、尊敬されているのに対し、御曹司ジョン・ジュポンはまるで逆。プライドが邪魔し、コンプレックスが抑えきれなくなったときに凶行に及んだことが映画版よりわかりやすく描かれていた。

金だけでは人間は動かせない。勉強させていただきました。