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『Brand Upon the Brain! A Remembrance in 12 Chapters』に投稿された感想・評価

[家族の愛、家族の呪縛] 90点

一年で『The Saddest Music in the World』『Cowards Bend the Knee』という二本もの映画を撮った2003年から3年が経って、シアトルの非営利映画製作会社"The Film Company"から、地元ロケ&地元の俳優を使うなら製作費に糸目は付けないという破格のオファーがあり、マディンはこれを引き受けた。そうして完成したのが、ガイ・マディン青年を主人公とする自伝的"私"三部作の二作目である本作品だ。遂にキャリア初のサイレント映画として製作され、トロント映画祭でのプレミア上映ではオーケストラや活弁士を付けたライブ上映となり、その後のアメリカ巡業(?)でも活弁士としてクリスピン・グローバーやジョン・アシュベリーなどの有名人を呼んだらしい。通常上映ではイザベラ・ロッセリーニがナレーションを担当した版が出回っているが、マディン本人はマスターテープを紛失したそうなので、クライテリオンの倉庫から好きなソフトを持って帰る企画で"自分の映画だけど持って帰るわ"と語っている。ちなみに、『脳に烙印を!』という邦題でフィルメックスで上映されている。

"私"三部作の前作『Cowards Bend the Knee』では"父親になる責任"から逃げ出した男を中心に物語が展開されていたが、続く本作品は12歳の少年マディンを中心に、彼の両親が経営する灯台の孤児院を通して"家族の呪縛"について描いている。特に存在感の強烈な母親は、ガイや彼の姉シスの行動を逐一監視しており、灯台の閉塞感も相まって中々肩身の狭い子供時代を送っていたことが示唆される。海ではなく陸を向いていることからも分かる通り"灯台の光"は母親の目であり、忙しなく動いてはガイとその姉シスを灯台に連れ戻し続ける。或いは、科学者である(ほとんど顔すら見せない)父親が開発した蓄音機型携帯電話を使って、二人の子供に呼びかけ続ける。勿論、これが彼の子供時代の完璧な写像とは思えないし、大いに誇張しているのだとは思うが、これまでの作品の多くで息子と母親を含めた近親者同士をくっつけてきたマディンにしては最悪な家族仲を取り持つ人間が不在で、それでも尚互いを見る目線に"愛"と"憎"が入り混じっている様が妙に生々しくて気色が悪い。しかも、家族構成が父母姉で完結し、ガイはそれとも孤児院の子供たちとも別枠で愛されているために、彼は下記の"蜜"搾取や孤児院経営に関わること無く、終始傍観者の目線を貫いている。これもガイから見たら"近付きにくく離れにくい"という母親との距離感に繋がってくる。

それでもやはり、島にやってきたウェンディという子供探偵(!)がチャンスという兄に変装し、ガイとシスの双方から好意を寄せられるという展開は実にマディンぽい。母親の重い愛に応えられない二人の子供はウェンディ/チャンスに入れ込み、チャンスの調査に協力することで反抗期特有の鬱憤を晴らそうと躍起になる。調査内容が調査内容だけに映画版の名探偵コナンばりの修羅場をくぐり抜ける羽目になるが、やっていることとしては興味本位の"いたずら"の延長線上という感じで、実に子供らしい。だからこそ、母親に反発するシス(やチャンス)と、なすがままにされるガイとの対比は痛々しく、結局抵抗しなかった(或いはするメリットがなかった)後者の時間はどれだけ月日が経っても止まったままになってしまう。

人間関係だけの奇天烈さだけで終わらないのがガイ・マディンである。灯台の孤児院に暮らす子供たちの後頭部には奇妙な穴が開いており、子供探偵ウェンディ/チャンスはそれを調べに灯台にやって来ていた。そして、それはガイの母親が若返り薬のために子供たちの"蜜"を吸い取るというバートリ・エルジェーベトみたいなことをやっている痕跡だったのだ。劇中では何度か母親の年齢が若返ったり年を取ったりを繰り返しており、更には心臓を捧げて死んだ夫を生き返らるなど、到底人間とは思えない化け物じみた活躍を見せてくれる。マディン流魔的世界にピッタリな設定だが、子供から見た大人の世界(化粧とかも含むのだろう)はそれほどまでに摩訶不思議だと言いたいのかもしれない。或いは、彼の両親が若い頃の話をしていたのを曲解して"若返りたい"と子供ながらに誤認していた記憶の具現なのかもしれない。

結局、ガイは30年経っても過去に囚われ続けている。彼は主を失った灯台を訪れ、過去の遺物に触れることになる。ウェンディとの初恋、母を継いで暴君と成り果てたシス、仕事している父親の後ろ姿、相変わらず愛してくれる母親、そして相変わらず受け止めきれない自分。誰もいなくなって初めて、自分の居場所が過去にしかないことに気が付き、絶望の淵に立たされる。マディンの作品群の中では群を抜いて憂鬱な気分になる作品と言えるだろう。
4.4
まじで噂通りの最高な作品だった!
この監督もなかなかな作品
撮る方なんだけどブニュエルの
黄金時代などの影響受けてるらしく
大好きな私にとっては朗報すぎ!!

経歴もなかなか!
銀行の支店長やったり
ペンキ塗りの仕事とか
監督になるまで色々やってる笑

灯台で悪魔的な出来事って
のがめちゃくちゃテンションあがる。
ライトハウスをちょい思い出す。
とにかくママの監視が怖い。
あの画は恐怖だし
なんとも伝えがたい美しさ。

君の悪い愛の数々。
サイレント映画の美しさ。
かなり好みの監督。
4.5
【あなたの脳にノスタル自慰を!】
ガイ・マディンの自伝的映画『脳に烙印を!』を観た。本作は数少ない日本に紹介されたガイ・マディン映画であり、東京フィルメックスの特集上映で降臨した経歴がある。当時の私は小学生だったので、羨ましいと思う一方今出会ってよかったとも思う。さて、本作は、ガイ・マディン映画の中でもトップクラスに面白い一本であった。

灯台にガイ・マディンがやってくる。廃墟となった場所で絵を描こうとすると、過去の残像がボゥと浮かび上がる。テレンス・マリックの『ツリー・オブ・ライフ』のように自分の人生を感傷的に描くノスタル自慰映画はあれども、これはガイ・マディン映画だ。彼がノスタル自慰するとは、すなわちサイレント映画の文法でそれをやるということに等しい。スタイリッシュに、浮かび上がる過去の残像をチラつかせながら回想が始まる。

母からの監視、抑圧への怒りをあらわにした本作は、怪物のような奇怪な動きをする母が、戦闘機のような灯台から監視する異様な光景を紡ぎ出す。"Big Brother is watching you."と言いたげな灯台の下でガイ・マディンや仲間たちがごっこ遊びをしながら、自由を求めて母と対峙する。バレるかバレないかサスペンスの中、序盤に登場するあるガジェットを使いながら、母を攻略しようとする過程は観ていて楽しい。

ノスタル自慰映画は自己満足を超えて、監督の執着が投影されると面白いのだが、まさしく本作はそうだ。相変わらず、言語化しにくい作品ではあるが、一度観たら忘れられない傑作だと言えよう。2022年、日本ではジャック・リヴェット、エリック・ロメール、ロベール・ブレッソン、レオス・カラックス、カレル・ゼマン、タル・ベーラと様々な巨匠の旧作大量放出祭が繰り広げられているが、もうそろそろガイ・マディン映画を上映してもいい頃なのではないでしょうか?

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ライトハウス

上映日:

2021年07月09日

製作国:

上映時間:

109分

ジャンル:

配給:

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あらすじ

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