ベアトリス・ダル演じる美人のイカれたサイコ女が何の変哲もないハサミでひたすら人をぶっ刺しまくる姿は衝撃的だった。ただ、ただグロかった。前半が退屈で、グロありきの部分が強すぎてストーリーそのものはハマらなかった。

その赤ちゃんを本当に守ったのは…。


自動車事故で夫を亡くし、お腹の子供と共に生き残った妊婦のサラ。
出産を間近に控えていたクリスマスの夜、謎の怪しい黒尽くめの女がやってくる。
彼女はサラの名前に加え、夫が死んだことも知っていた！！！
すぐさま通報し警察が駆け付け、謎の女は逃げ出した。
しかしその夜中、謎の女は家の中に現れ、サラのお腹の子供を狙いハサミ片手に襲い掛かってきた！！



出産を控えた妊婦が、謎の侵入者の襲撃を受ける、スラッシャー・ホラー・スリラー。
所謂「我が家に謎の侵入者が侵入してきた系映画」で、妊婦と謎の女との血みどろな戦いが描かれる。

言うまでもなく血みどろ目当てで観た訳だが、急行の付いた展開と緊張感のあるドラマ運びで、グロ以上にスリラー映画として見応えがあった。

前半は物静かで不穏な雰囲気で主人公の人間関係やドラマが描かれる。
残酷描写は皆無だが台詞ナシでも主人公側の不安や孤独を上手く描写しており、話に引き込まれる。
そして悪夢からの目覚めを経て、謎の女との血みどろな攻防戦が始まってからは、そのまま血みどろまみれで最後まで突っ走ってくれる。

お互い血まみれ傷だらけになりながらのバイオレンスな死闘。
殺害描写や流血表現の生々しさも凄まじく、切り株は少ないながらもスプラッター度数も高め。
更に、この手のホラー映画のお約束として、様子を見に来た人達が殺され要因として結構出てくるのもナイス。
皆見事な死に様で散ってくれるぞ！ｗ


半面、お話のテンポはかなり良いし、ドラマも最低限ながらしっかりしているのだが、細かい所で突っ込み所があったのはちょっぴり気になった。

「あんだけ人来てるのに女一人捕まえられんのかよ！」とか、
「警察、幾ら何でも無能すぎ！ｗ」とか、
「あんな呼吸方があるか！！！ｗ止血する前に死ぬわ！！ｗｗ」とか、
「あの凶暴化した青年は何だったんだよ！！」とか。

そういった細かい「？」な点がちょこちょこ多いのは気になってしまった。
まぁ、慌てふためく人がとっさに出来る行動は結構限られてるのかもしれんが…。


とは言え、緊張感のある展開や大小さまざまでバリエーション豊かなグロ描写、そして高い緊張感と勢いろと巧みな伏線回収で83分を一気に見せきってくれる。
そして後半で明かされる衝撃の真相を経てのクライマックス。
そして美しいながらも余りにも重いラスト…。
まさか最後はああ〆るとはなぁ。物悲しいラストながらも思わず唸ったぞ。


ちょこちょこ不満点はあれど、それを上回るグロや緊張感で最後まで突っ走った、フレンチ・ホラーの秀作。
スプラッターな写生が大丈夫なら、是非とも観ておいて損はないだろう。
オススメ！！！！！！！

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“産まれる。”

［グロレベル4/5］フレンチ4大ホラーの今作だけ全然見つからずにやっとU-NEXTで（ノーカット版）。他の三作品もありえないほどグロくて完成度高くて好きだけど、これもマジやばかった…。家の中のサイコパス女との追っかけっこでなんでこんなに面白いんや。

とにかく痛い痛いのオンパレード。血みどろでグサグサのグチャグチャで「あ、直視できない」と独り言を何度も言いながら観ていた（笑）ベアトリス・ダルの狂った演技はもちろん、そもそもが翌日予定日の妊婦さんに闘わせる設定自体が趣味悪すぎ。ラストシーンもえぐかったな…。この、観終わった後の倦怠感がたまんねぇ。久々に他のフレンチホラーも観よっと。夏はホラーだ。

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