🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-621 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-492

🖋オープニングで決闘から逃れようとしたステファン（ルイ・ジュールダン）がエンディングでは一転決闘に臨む。知らずに無くしたほんとの愛、そんな自分の人生に結末をつけるためか。。。このオープニングとエンディングで全てが語られているその演出がとても素晴らしい！！繊細なタッチの美しいモノクロ映像と、ドラマティックな展開が見事な、切ないメロドラマです。

🖋フォンテインのナレーションによる回想、淡く艶やかな恋、そしてウィーンらしい流暢なカメラワークと美しい映像、ウィーン生まれのマックス・オフュルス監督ならではです。淡い恋を一生を懸けて大切に想い生きてきた女性リザ（ジョーン・フォンテイン）を美しくも儚く描いた作品です。

🖋本作、ツヴァイクの小説『未知の女の手紙』の映画化で、製作は主演のフォンテインと当時の夫ウィリアム・ドージャーのランバート・プロで、言い換えれば正に彼女の為に作られた作品です。当時31歳のフォンテインが、なんとティーンエイジャーから始まり、生涯をかけて一人の男に想いを寄せ続けた女の一生を見事に演じきりました。

😢Story:（参考:allcinema ）
20世紀初頭のウィーン。決闘を明日に控えたステファン（Ｌ・ジュールダン）は一通の名も知らぬ女からの手紙を受け取る。そこには、彼がピアニストとして嘱望されていた頃に彼の隣室に住んで、初恋を胸に母と共に移転したが、その後ウィーンに戻り彼と再会、素晴らしい一夜を過ごした－－という女の想いが切々と綴られていた。そして、再度会った時には彼は既に娘を忘れ、想い出の夜に宿した息子は病死。本人も今や死の床にあると手紙は告げる……。

🔸Database🔸
・邦題 :『忘れじの面影（1948）』
・原題 :『Letter from An Unknown Woman』
・製作国 : アメリカ
・初公開 : 1948
・日本公開 : 1954/07/03
・上映時間 : 86分
・受賞 : ※※※
・監督 : マックス・オフュルス
・脚本 : ハワード・コッホ
・原作 : シュテファン・ツヴァイク
・撮影 : フランク・プラナー
・音楽 : ダニエル・アンフィシアトロフ
・出演 : ジョーン・フォンテーン、ルイ・ジュールダン、マディ・クリスチャンス、マルセル・ジュルネ、アート・スミス

🔸Overview （参考:映画. com）🔸
ステファン・ツヴァイクの小説『未知の女からの手紙』の映画化。主演者ジョーン・フォンテーン（「デカメロン夜話」）が主宰するラムパート・プロの1948年作品で、製作は「ジュリアス・シーザー(1953)」のジョン・ハウスマン。「月光の女」のハワード・コッホが脚色し、「快楽」のマクス・オフュルスが監督したものである。撮影は「ギャングを狙う男」のフランク・プラナー、音楽ダニエル・アンフィシアトロフ（「銅の谷」）。フォンテインをめぐって、「デカメロン夜話」のルイ・ジュールダン、マディー・クリスチャンスズ、マルセル・ジュルネ、アート・スミス、キャロル・ヨークなどが出演する。

• #死ぬまでに観たい映画1001本

　愚かな男と、純真な女性、二人の悲劇。本作『忘れじの面影』は今まで他者、特に異性と不誠実に接して来た人にしてみれば、下手なホラーよりも怖いラブロマンスに見えるかもしれません。

　プレイボーイのピアニスト、ステファンの元に届いた手紙。記憶に無い女性から届いたその手紙は「あなたがこれをお読みになる頃には、私は死んでいるでしょう」という一文から始まるものでした。手紙の続きを読むに従って、ステファンの中に蘇る女性との記憶。この『忘れじの面影』は、甘美なメロドラマの様相で、女性の記憶と記録が次第に、まるで亡霊のように男性に取り憑いていく過程を描く「恋愛怖いね」型ホラーだと思いました。

　マックス・オフュルス監督は徹底的に美しい画面構成、カメラワークで、この悲劇的な「運命の恋」、20世紀における女性差別を描きます。オフュルス作品では『輪舞』と真逆、『快楽』から続くようなアンチ・ラブロマンスの極みが本作であるように思います。
　何よりも怖いのはラスト。ステファンの後ろで蘇る女性の笑顔に戦々恐々でした。

隣に引っ越してきたピアニストの男・ステファンに想いを寄せ続けた女の姿を描いた作品で、主演を務めたのが日本生まれのジョーン・フォンテイン。10代から30代までを見事に演じきってるんだけどやはり綺麗。

マックス・オフュルスの映画は初めて観たけど、確かに流れるようなカメラワークはとても良かった。

• #死ぬまでに観たい1001映画