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Malu 夢路
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目次

Malu 夢路の作品紹介

Malu 夢路のあらすじ

心を病んだ母のもと、幼い頃に引き裂かれた姉妹ホンとラン。 母の死を機に20年ぶりに再会し、他人も同然になった姉妹の奇妙な同居生活が再び始まる。 ある朝 姉のホンが目を覚ますと、そこに妹ランの姿はなかった。 数年後、ホンのもとに知らせが届く。ランの遺体が日本で発見されたと言うのだ。 居てもたっても居られず、仕事も家庭も放り出して日本へ旅立つホン。 初めて訪れる街を彷徨いながら亡き妹の姿を思う。 ある男、ある女、残された日記、懐かしい白のサマードレス… その向こうに浮かび上がる、彼女の謎めいた微笑みと眼差し。

Malu 夢路の監督

エドモンド・ヨウ

原題
製作年
2019年
製作国
マレーシア日本
上映時間
112分

『Malu 夢路』に投稿された感想・評価

4.0
【静寂な空間】

この映画には静寂に包まれてるような感覚を覚える。

しかし、その奥底には、押し潰されそうになる苦しみや悲しみ、つらさ、痛々しいまでの心の叫びが閉じ込められている。

静けさが貫かれている世界は、人間の生きる世界ではないようにも感じる。

日本では至る所にお墓があり、人の住む場所と隣接していることが珍しくない。

そんなことも、後半の舞台設定が日本だった理由なのだろうか。

ホンとラン。

姉妹でありながら、異なる道を歩んだことで、わだかまりを抱えたままだった。
再び、わだかまりを抱えたまま、別の道を生きる。

もう、赦しはないのか。

だから、生と死のはざまで、赦し合おうとしたのではないのか。
そして、赦すことが出来たのではないのか。

今、生きている僕達の間でも、赦し合うことが出来るのではないかと思わせる作品だと思う。
ストーリーだけに依らず観てほしい気がする。

また、心の叫びを抱えながらも独特の静けさとマッチした細野晴臣さんの音楽が印象的だし、永瀬正敏さんはもとより、水原希子さんも注目だと思う。
東京国際映画祭2020

おぉーー、ほとんど情報なしに観に行ったけれど、こういう映画だったのね・・・というのが率直な反応。
つまりちょいネガティブ。

ヨーロッパ映画のような肌触り。
アラン・ロブ=グリエ?

とある中国系マレーシア人(なのかな?)の女性が死に至るわけですが、幼い頃に分かれ分かれになった姉が彼女の跡を追いながら何があったかがわかる仕組み。
頭の中にある思いなどが映像化されるところが多々あるため、妹は生きているようですが、イメージです。
最終的に日本に来ており、水原希子ちゃんと永瀬正敏氏が出演しています。

****

スクリーンを前にして「うーん・・」と、上記したようにネガティブになった一因に<音>があります。撮影している中での町のノイズ、室内の音、セリフ・・・。
まずどれも音量が適切とは思えず。

全編通して意図的に音をコントロールしようとしているのは確かです。

カット替わりを海の音先行にしたり、喫茶店内のBGMをスピーカーから出たものの録音から音源直に移行させたり、山の上の川の音などなど。

でも「シャーーーー」といったノイズがカット替わりで入ったり消えたりします。
報道映像、ドキュメンタリーなどでよくあるやつ。
場所場所にノイズってあるもので、だから撮影隊が来ると、いちいち「あれ切ってもらっていいですか?」などとノイズをカットしようとします。この場合は、そこでの発言等音声をそのまま使う目的で極力綺麗に収録しようとしているからです。

映画など作り物の場合はだからアフレコにしたりするものですが、この作品では、前半特に、セリフのないシーンでも撮影時に入っていた音を生かそうとしたためにノイズも拾っています。
日本でのパートはそれがほぼ無くなるんです。たぶん日本のスタッフがそのあたり上手にやったのかなと。

ただしセリフの位置(MA時の立体的な位置のこと)と音量は最後まで気になりました。
通常部屋の中で右の方にいる人ならそっちに音も振るなどしますけどね、・・ちょっと粗かったなって。

****

言いたいこと全て受け取れたかはわかりませんが、決して悪い映画じゃないと思います。

自分がこだわりすぎなのかも。
日本公開すぐなので、皆さんのレビューを楽しみにしたいと思います。
「アケラット ロヒンギャの祈り」のエドモンド・ヨウ監督による日本・マレーシア共同製作作品はタイトルの「夢路」にあるように、現実なのか夢なのか、登場する姉妹、ランなのかホンなのか、入れ替わり、入り交じって不思議な世界観を醸し出して観客を誘う。
作品自体は心を病んだ母のもと、幼い頃に決別した姉妹の確執が中心になっている。
20年も決別していたランとホンの姉妹だが、母の死によって再会して一緒にまた住み始めるのだが、長きに亘る断絶による溝はそう簡単に埋まる筈もない。
再びバラバラになった姉妹は、数年後、意外な形で相見えることになる。
この映画は、前半がマレーシア、後半が日本という二部構成になっていて、夫々、海辺、横浜市内、山間部が舞台として印象的に登場する。
日本のパートでは水原希子さんと永瀬正敏さんが重要な役柄で登場し、この姉妹に影響を与えていく。
果たして母と娘たち、そして姉妹の確執のドラマはどのような結末を迎えるのか?
人によって解釈に異なると思われるラストが余韻を残す。

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