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海に向かうローラ
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『海に向かうローラ』に投稿された感想・評価

KUBO
3.8
国際人権デーの関連イベントにて鑑賞。

最近『ミッドナイト・スワン』とか悲しいLGBTもの見たばっかりだけど、これは希望が見えるタイプのLGBTもの。

ローラはカミングアウトした途端に父から家を追い出され、施設で暮らすトランスジェンダーの女の子。

優しかったお母さんが亡くなって、お葬式に行ったのに、頑固な父親に女装が親族に恥ずかしいと葬式にも入れてもらえない。

そんな険悪な父とローラが、亡き母の遺灰を散骨するために、車で海へと向かうロードムービー。

主演のローラ役の俳優さんがちょーキレイ! LGBTモノでいろんなトランスジェンダーの美人を見てきたけど、この方が優勝! 男でこんな脚キレイな人いるんだ! きっと全女子が嫉妬するw

最初はただ意地悪に見えるお父さんも、「男は男らしく」という旧来の価値観でしか計れない男が、妻を亡くし、息子がトランスジェンダーで、どうしたらいいんだ?という人間らしく追い詰められていった後に、完全には理解し合えなくても、息子の選んだ道を認めていく姿がいい。

私はこのお父さんの気持ちに重ねて、もし自分だったらどうするかな(?)とかすごい考えた。

何度もケンカを繰り返しながら、少しずつわかり合っていく2人。希望の見えるラストがいい。




*亡きお母さんのiPod。2人がケンカするといろんな反応を起こす。ディスプレイがバグったり、感電したり、ついには…。お母さんはずっと2人を見守っていたのね。
映像がいいとか、
映画としての語り口もよくできてるとか、

主演のミヤ・ボラルス自身のトランス女性でベルギーのアカデミー賞で有望女優賞を受賞しているレベルに演技も存在感もビジュアルも素晴らしいし、

父親(ブノワ・マジメル)のキャラクターも冒頭では一側面しか見えない古い価値観の男だったのが、じわじわ彼の多面的な部分も見えてくるとこのいいし、

LGBTQへの無理解という問題と同時に
「思春期の子供と親」という問題がそもそも大きいしそれって永久に解決されないよね
さらにそこにセクシュアルマイノリティの問題が絡んで難しくなっちゃってるね
フランスでさえもまだこのレベルなんだね、
ってとこもいいし、

いくらでも広げられる話を「父と子」のみにギュギュッと集約したこともいい。



***


しかし、
こんがらがった問題が解決されていくのが、ずっと
「実は知らないとこでこういうことが行われていた」
「実はこうでした」
「実はこう思ってた」
という事実が羅列されていって
「あ、そうだったんだ…」とお互いに軟化していく、という流れ。


これがいい。だからいい。という人もいるかも。。


***


ラストについてはコメント欄に。
菩薩
4.2
とても良かったし嘘の無い映画だなと思った。トランス女性であるローラと彼女の存在を認められない父親が、母(妻)の死をきっかけに再会しその遺灰を遺言通りに処理する為にギッスギスながら旅に出るお話。ローラはそんな父親が当然大嫌いだし、父も父で「分からない」「理解の範疇を超えている」の一点張りでなかなか話にならないが、共に私の方が母(妻)を愛していたと証明したいが為にもなんとか旅は継続される。トランス差別者にとって風呂とトイレは攻撃の為の常套句として用いられるが、この父親も娘に対し立ちションを要求するクソっぷり、ただそこに明確な「悪意」があるかに関しては難しく、彼は彼で「息子」だと思い育てて来た子がある日突然「娘」になった事実に対し克服しようの無い葛藤を抱え続けている。旅の途中で少しは二人の距離が近づいたかと言えばそこまで接近したとも言い難いが、ただ「娘と父親」の関係は難しくとも「子と親」の関係性の回復は多少見られ、彼女は最後自ら積極的に父親に対しアプローチを試みる。結局母親の遺言もその目的は果たせずに終わるが、彼女の魂は死後も二人の中をどうにか修復せんと試みている様に取れるし(この辺りは若干ファンタジー)、目的が達成されてしまえばそれで二人の関係性が終わってしまう事を危惧してのあの結末なのかもしれない。途中のナイトクラブでの女性同士の連帯も清くて良い、後はどうにかして父親が自分自身にケジメをつけられれば…と思うが、きっと一朝一夕にはいかないのである。ビジュアルも良いし話もシンプル、私は当事者ではないので無責任かもしれないが、存在の自己回復映画として充分に観る価値はあると思う。

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