私はヴァレンティナの作品情報・感想・評価・動画配信

「私はヴァレンティナ」に投稿された感想・評価

wada

wadaの感想・評価

-
気になってたので映画館で観られて良かった。作品も良かった。ブラジルのトランスジェンダーの平均寿命が35歳ということが衝撃でより詳しく知りたいと思いパンフ買った
CharlieZG

CharlieZGの感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

トランスジェンダーの元男子、転校先で通称名“ヴァレンティナ”と呼ばれるまでの偏見と差別に立ち向かう話。

通称名での手続は両親のサインが不可欠、行方不明の父を探す手助けをしてくれる友達、我が子は宝だと全面的に応援をしてくれる母、性的マイノリティ同士理解し合えるゲイ友・・・
卑劣な厭がらせや暴行をする連中がいる一方で、味方がいることも確か。

特に転入拒否の要望書を盾に教室への入室を拒む肉屋の兄貴の横暴を見て立ち上がるクラスメート達に支えられ毅然と自由を訴えるヴァレンティナの勇気には胸が熱くなった。

物心ついた頃から思い悩んだ分、ありのままの自分で自由になりたい・・・そんな当たり前がまかり通るまで、まだまだ時間が必要なのかも。

ヴァレンティナ役YouTuberティエッサ・ウィンバックのリアルな表情がストーリーを引っ張って行くが、それもそのはず彼女自身もトランスジェンダーだそうだ。

余談
ヴァレンティナが引っ越す先の“ミナス・ジェライス州” は内陸部でゴールドラッシュの歴史を持ちながら自然豊かな美しい所だそうです。


監督 カッシオ・ペレイラ・ドス・サントス

キャスト
ティエッサ・ウィンバック
グタ・ストレッサー
ロムロ・ブラガ
ロナルド・ボナフロ
マリア・デ・マリア
ペドロ・ディニス
貧富の格差が凄まじいブラジルに暮らすトランスジェンダーのヴァレンティナ。

転校先のグループLINE(?)でアウティング&ミスジェンダリングをされたり、自宅の窓を割られたりといった危害を加えられる彼女だが、これは決してフィクションで済む話でもなければ遠い世界の話でもない。
アメリカや日本のネット上には、宗教右派や一部のラディカルフェミニスト(TERF)達、そして一般の人たちによる主にトランス女性に対する根拠のない憎悪を煽る言説が溢れているし、アメリカでは2020年に最低でも41人のトランスジェンダーが殺害されている。

そして、本作は性暴力の被害者に向き合う物語でもある。
閉鎖的な田舎のコミュニティでは性的マイノリティの生きる権利は脇に追いやられ、トランスジェンダーの入学を反対する父母会28人の署名が学校に提出されるほどには前時代的だ。

同じトランス女性が主人恋の映画と比較をすると、『海に向かうローラ』がシスジェンダー、ヘテロセクシャル中心の世界が徐々に変貌しようとしているポジティブな面を中心に描写していたのに対し、こちらは未来永劫保守的な空気が変わるビジョンが見えない田舎からはさっさと脱出しなければ生存権が保障されないという、地方在住の当事者が置かれた危険な環境に立ち向かうヴァレンティナとクラスメイト達の連帯が力強い。
LGBTQをテーマにしたブラジルの作品。ブラジルは同性婚が合法の国なので、比較的性の多様性の面で進んだ国のイメージがあったのですが、実際は当事者たちは根強い差別や偏見に直面し、ヘイトクライムに晒されている現状があるようです。この映画の主人公17歳のヴァレンティナはまともな学校生活すら送れません。苦境を乗り越えようと何とか前を向き歩みを進める彼女の姿を見ていると、胸が詰まる思いでした。彼女の境遇が少しでも改善されることを願ってやみません。
ヴァレンティナ役の俳優は自身もトランスジェンダーの方。"当事者による表象"が達成されているすばらしい映画でした。
コウキ

コウキの感想・評価

3.8
ただ普通に生きたいだけなのに。

トランスジェンダーの生きづらさ、取り巻く実態が如実に映し出される。
同様のテーマを扱った作品も多く見てきたけど、ブラジル映画は初めてだったため、新たな視点を得られた。
日本やアメリカにおけるトランスジェンダーへの差別、偏見以上のものがブラジルには根付いていることが思い知らされる。

自らを表す名で学校に通いたい。ただそれだけのことなのに、それができない現状の歯痒さ。

作品を通して、支えてくれる家族、友人の存在がどれだけ必要不可欠かがわかる。誰も1人では生きられない、うちに秘めた想いを言葉にして、受け止めてくれる存在が傍にいること。それだけで人生は救われる。
 17歳のトランスジェンダーの高校生ヴァレンティナの青春ドラマ。ブラジルの小さな村に引っ越したヴァレンティナは、旧姓ラウルでなく、通称名で学校に通うため、行方不明になった父を探している。
 トランスジェンダーのことを伏せて、生活を送っていたヴァレンティナだが、年越しパーティーで見知らぬ男に襲われる事件が起きる。それをきっかけに、脅迫、暴力、SNSでのいじめなど、様々な問題に直面してしまう。

 もちろん、辛いシーンもあるのですが、友人のゲイのジュリオや未婚の母のアマンダや、母親が支えとなり、後押ししています。
 トランスジェンダー当事者のYouTuberのティエッサ・ウィンバックがヴァレンティナ役を演技していて、根本的な部分を共有している点も重要です。

 ブラジルは同性婚を法律で認めています。一方で、トランスジェンダーの中途退学率は82%、そして平均寿命が35歳と言われています。

制度が変わっても、人の心が変わらなければ、社会は変わらない。根本的な問題を投げかている気がしました。

 やや駆け込み足な部分もありますが、ラストに象徴される前向きな青春映画でした。
 
たまご

たまごの感想・評価

4.5
一貫して母親や友人が味方であること、これだけでも十分希望がある。

それぞれがマイノリティである友人との交流には瑞々しさを感じる一方、マイノリティ間の性差にも意識的。
「キスをしたことがない」この事実が多くを語ってる。


最後のシーンを見て、ドキュメンタリーではなく、あくまでフィクションで良かったのだと思った。
当事者に対して希望を発信している作品であり、非常に明確な社会的メッセージを強く打ち出した作品。
ブラジルの・・・そのまんまなのでしょうね。

ブラジルはジェンダー関連の法の整備は先進的だがLGBTQの市民レベルの理解は追いついていないそうで、トランスジェンダーの82%が中途退学そして70%だったかな?は35歳までに亡くなるのだそうです。亡くなられる理由は自死の割合も多いのでは?と思えてしまうほど、本作で描かれるトランスジェンダーの「生きにくさ」は半端ないです。

主演の方は演技未経験と思えないリアリティある演技でした。インタビュー記事を後で読んだら自身がトランスジェンダーで現実と重なる部分が多かったからだそうですね。いやそれにしても、彼女を見続けるのが辛くなるほどの演技であり物語でした。きっと母親への気持ちとか仲間への親愛の感情などはすごく重なるんでしょうね(ご本人の実母はお亡くなりになっているそうですが)

なぜこれほど寛容になれないのかなぁ?同じ人間なのに。宗教的な理由もあるのかなぁ?とすら思ってしまうほどに彼女に向けられる感情は「嫌悪」なんですよね。差別というよりも憎しみにも似た感情をぶつける世間。本当に何がそんなに許せないのか?が僕自身もわからないです。でも、それがブラジルって国なんでしょうね(地域差はあるにせよ)もちろん、日本を含めて至る所にあるんでしょうね、僕自身が知らないだけで。

でもね、そんな世界を作っている方々は気づくべきなんですよ。自分の知っている範囲や世界を頑なに守り、その中だけで力を誇示することの滑稽さを。自分の知っている世界でしか生きられない弱さは客観的にすごく格好悪いってことを。
大事なことは「男らしさ」「女らしさ」ではなく「自分らしく生きる」ってこととそれが叶う「環境をつくる」ってことなんだと思うんですよね。

ラストの彼女の表情はきっと「願い」なんだろうな。
とても見るのが辛いですが、多くの方に見ていただきた作品です。
ゲル

ゲルの感想・評価

3.6
直接的な描写が避けられているため、ヴァレンティナの身に何が起こったのかわかりにくかった。
間接的な描写でもう少しわかるようにしてほしかった。
会話から察することはできるけれど、ちょっと不親切と言わざるを得ない。
次々に問題が起きるので、時間内に収まるのか不安になった。
簡単に解決するはずもないので、ヴァレンティナはこれからも闘い続けるということなのだろう。
ラストに示された統計結果が衝撃的。
ブラジルがそのような統計を取っていることもちょっとした驚きだった。
そして、ヴァレンティナ役のティエッサ・ウィンバック自身もトランスジェンダーだということを鑑賞後に知って更に驚いた。
鑑賞中はまったく気付かなかった。

2022年に観た嘔吐シーンのある映画10本目。
mity

mityの感想・評価

4.0
ブラジルにおけるトランスジェンダーの中途退学率は82%。その平均寿命は35歳と言われている···という事実に驚いた。そして、トランスジェンダーであるというだけで暴力の標的にされるという現実にも。
クラブで自分から近付いておいて、ヴァレンティナがトランスであると知った途端、態度を豹変させた男。力付くでヴァレンティナを追い詰めたあの男の行動が、ヴァレンティナが直面する暴力の一端に過ぎないことが恐ろしかった。

ヴァレンティナの場合、クラブに入るために必要な年齢確認の為の身分証提示が、知らない人に知られたくないことを知られてしまうという辛さを伴っていて、身分証が自分であることの味方にならないって、本当どうなんだろうかと思う。
通称名で学校に通うことは法律で認められているのに、父親が蒸発したためにその手続きが出来ないでいることも。出欠が取られることを気にするヴァレンティナの不安げな表情を観ていると、柔軟な対応は出来ないものなのだろうか、と思えてならなかった。

ヴァレンティナがトランスであることを隠しているのと同じく、ジュリオもまたゲイであることを隠して生きていて、同性婚が認められている国だとしても、偏見は根深いものだと思い知らされた。作り手の希望が込められたラストに、やっぱり1人1人の意識の問題でしかないなと、改めて思った。


#50_2022
>|

あなたにおすすめの記事