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曽根崎心中
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『曽根崎心中』に投稿された感想・評価

CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.5
【世にも珍しい人形浄瑠璃映画】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=q6meyRrJcOM&t=994s

国立映画アーカイブの特集「日本の女性映画人(2)――1970-1980年代」で『ねむの木の詩がきこえる』を観たついでに『曽根崎心中』を観た。てっきり増村保造の映画だと思っていたら、もう一本同名のタイトルの作品があり、しかも全編「文楽(=人形浄瑠璃)」だった。これが凄まじかった。

人形浄瑠璃を映画として捉える際に、舞台の拡張として映画のフォーマットが使われるべきである。それを惜しみなく実践しているのが本作だ。神社を舞台に、男が小屋に入り女と親密な関係になる。そこへ代官が登場するのだが、カット割りで室内と、外を交差させる。このアングルは舞台では出せない。映画としてのカット割りを用いることでより人形に魂が吹き込まれ、人間らしさが生まれてくる。一方で、舞台としての利点も活かされており、例えば男が遊郭に潜入する場面。女の着物の下、絶妙な空間に身を潜める。観客は、空間全体の構図を知ること。それにより修羅場の宙吊り状態が効果的に表現される。さらにそこへカット割りを挿入し、階段から電気に手を伸ばそうとする女。絶妙に届かない状態から落下。再度、電気がつくまでに遊郭から脱出できるかのサスペンスが始まる。舞台としての全体像の提示により、火を起こす者を背に脱出を図ろうとする様子がスリリングに映し出される。そして、L字の空間を横移動させ、奥行きを持った感情高まる移動が表現されていく。人形浄瑠璃映画は実質初めてだったのだが、ここまで豊かに空間が捉えられているとは感動であった。こういう意外な出会いができるのが国立映画アーカイブの利点なのかもしれない。
くずみ

くずみの感想・評価

4.0
実景の中で文楽人形が生きているよう。通常の客席からの見え方とは異なる、人形自身の視界を思わせる角度からの映像が新鮮。天満屋で床下から見上げる徳兵衛と、二階から見下ろすお初など。メイキングがあったらすごく面白そう。

身を震わせるお初の可憐さ。「覚悟の顔」で迷いを断ち切る徳兵衛。ヒトの手を離れた文楽人形の、死体=モノ感にはいつも胸をつかれる。主遣いは先代玉男と簑助の名コンビ。頭巾の中は今の◯◯さんかな〜と想像するのも楽しい。
当時の織大夫・呂大夫の勢いある語りもよく、字幕無しでかえって集中して聞けた。
人形浄瑠璃の舞台を撮影したものかと思ったら、人形浄瑠璃で人形劇映画をやっていた。とても楽しかった。
何が楽しいって、目の前に人形たちの世界が広がっているのが楽しい。舞台ではまず味わえないから。後景には上方の夜の街がずっと続いていて、そこに色んなエキストラ人形が黒子と一緒に歩いている。絵画をキャメラで撮った時、絵画の世界がフレームの外へと延々に広がっている心地になるが、それと似ている気がする。普通なら舞台セットには端のあるのに、スクリーンというマスクで切り取ることで、逆説的にその世界から端が消える。

ショットの長さのリズム感が心地よかった。芝居を長回しで撮る事で、芝居の呼吸とキャメラワーク(回り込んだり、ドリーイン/アウトをしたり)が連動してグッと物語世界に引き込まれる。人形のクロースアップが、顔に浮かび上がる影の濃淡や、瞬きの具合、アングルなどと相まって本来人形にあるはずのない感情が伝わってくる。ショットの息の長さ/短さのリズムやキャメラワークが人形を役者にしているのだなと思った。

セットがすごい。浄瑠璃は三人繰りのため、人形プラス黒子3人が入らなければならない。階段があればその階段は人も上り下りするし、人形が過ごす屋内にも人が入っている。だから単にセットが豪華なだけではなく、そのデカさが際立つ。加えて人形のデカさも際立った。

人形の痙攣するような動きが印象的。指先や肩が震えていて、そこに感情が乗っている。

舞台なら舞台上にいるはずの義太夫が、ずっとフレームの外にいる。そして、義太夫がフレーム内の声(フレーム内にいる人形たちの会話)、フレーム外の声(例えば「火の用心」)、オフの音声(人形の動きや擬音、擬態語を語りで伝える)を全て司っているのが興味深い。舞台ならそんなことを考えずに義太夫の語りを聴くはず(セリフと語りの違いは意識するだろうが)なのに、映画にしたとたん声に仕切りが生まれる。

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