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想像
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目次

想像の作品紹介

想像のあらすじ

世界的に注目されてる演劇カンパニー・チェルフィッチュ。演出家の岡田利規は俳優の”想像”という作業を重要視して代表作「三月の5日間」のリクリエーションに挑む。本作はオーディションを経て選ばれた7人の俳優のうち、1人に焦点を当てる。その俳優が本読みからパリ公演まで二年間に渡りパフォーマンスを”想像”によって豊かにしていく過程をミニマルにリフレインさせる手法を用いて描く新感覚ドキュメンタリー映画である。小道具やセットを極力、配したシンプルな空間で俳優が”想像”だけを武器に充実したパフォーマンスを繰り広げるまでのプロセス、その映画は、「他者への想像」が希薄化した現代に痛烈な批評性をもって作用するだろう。

想像の監督

太田信吾

原題
製作年
2021年
製作国
日本
上映時間
100分

『想像』に投稿された感想・評価

3.2
【永遠なる「三月の5日間」】
映像業界の辛辣な暴力と大阪・西成の実情を生々しく描いた話題作『解放区』を手がけた太田信吾監督新作はドキュメンタリー映画である。新作『想像』は演劇カンパニー・チェルフィッチュの「三月の5日間」を捉えたものである。「三月の5日間」とは2003年3月、アメリカ軍がイラク空爆を開始した日を含む5日間の若者達の日常をミニマルに描いた作品。若者の何気ない会話を、身体的誇張表現をもって描く独特のスタイルが評価され、2005年第49回岸田國士戯曲賞を受賞。本作を含む小説集が第2回大江健三郎賞を受賞している。そして、なんと国内だけでなく世界30都市でも上演される注目作だ。本ドキュメンタリーは、「三月の5日間」で主演を演じる板橋優里に着目している。

2021年5月29日(土)より横浜シネマ・ジャックにて公開の本作を株式会社 ゆかしさんのご好意で一足早く観させていただきました。

それじゃあ「三月の5日間」というのを始めようと思うんですけれど、5日間のまずその第1日目は、あっこれは2003年の3月の話なんですけれど、朝起きたら、あっこれは「美濃部」って男って話なんですけれど、朝起きたらホテルだったんですよ。朝起きたら...

樋口一葉の小説のように途切れない語りで、ドンドンと主語や時系列が遷移していく。映画や小説、演劇は、我々の日常ではタブーとされていることを仮想世界で行うことができる。仮想で創り上げた世界を我々が見ることで、現実との差異に気づく。それによって新しい価値観が自分の中で生まれたり、言語化できない心のモヤモヤが解消されたりする。「三月の5日間」の場合、情報過多な時代合理化と最適化が求められ、主語/述語のストレートな言葉のキャッチボールが求められる時代に反するがごとく、果てしないピリオドなき会話を紡ぐことで、ヒトが会話する際、様々な時空やイベントを整理しながら話していることに気づかされる作品といえる。

本ドキュメンタリーは、正直序盤は不安であった。ピントがボケた撮影、音編集の弱さ、岡田利規のふわふわした演技指導に、板橋優里のワンパターンな会話演技。大丈夫だろうか?と思った。

しかしながら、それが狙いだったりする。本作は、トライ&エラーを繰り返し、3歩進んで2歩下がる牛歩で少しずつブラッシュアップされていく板橋優里の魅力に着目しているからだ。映画やテレビのドキュメンタリー番組で描かれる成長譚は、テンポよく被写体の急成長が捉えられる。しかし、現実はそうではない。我々も、目の前の仕事や勉強に食らいついているうちに、いつの間にか大きく成長していることに気づくことがあるでしょう。これと同様に「三月の5日間」のリハーサルに明け暮れる板橋優里を執拗に追うことによって、小さな変化の積み重ねを可視化していき、それが魅力に繋がってくる。

最初は、岡田利規の演出意図がのみ込めずなかなか役を自分のものにできない優里。動作を誇張することが特徴の本演目であるが、彼女の誇張表現は右手を口のところへ持っていき、左手を自由にさせる一辺倒である。それが回数を重ねると、右手の癖がなくなってくる。一方で、頭の中で計算していることが観賞者からあからさまに分かるところがある。計算しながら3歩動いている心の呼吸が見えてしまう。セリフが身体にしみついているので、食い気味に他の演者の言葉に不自然に重ねてしあうこともある。役をものにして行くと、型にはまってしまうので解体する必要がある。酔っ払っているようにフラフラとしてみたりする。右手の癖の本質を見出し始める。右手は思考を補助するもので、左手は他者との関係に向いていることに。だから、手を頭の上にやり、脳内の引き出しから情報を出そうとしている演技をしてみたりするのだ。

こうして、台詞と言葉が乖離している台本読みから、いつの間にか誇張した動作に反してリアルな若者の行動を捉えるレベルにまで成長していることに気づかされるのだ。

反復により重層的に世界が紡がれていく傑作『王国(あるいはその家について)』が好きな私には興味深い作品でありました。
金太
-
大人になればなるほど
歳食えば食うほど

物の価値観、想像力は凝り固まってくる。

これまでの来し方、生き方、経験値などが勝手な決め付けの根拠になってくる。

いわゆる、経験則てぇやつがす。

経験則は邪魔である。


なぜかならば、

もしかしたら新しい発見や出会い、感動、成長があるかもしれんからだ。

もう歳だからええで。

そうゆうの嫌い。

ああ、それはないな。

こういった考え方は、捨てていこう。
人生が勿体無い。

コバみ人間にだけはなるまいて。
人生がつまらなくなる。

そうゆうこってすすすす。
「今情景をちゃんと立ち上げてた?」
「はい」
「そっか、でも僕にはそう見えなかった」

数え切れないほどこのやり取りをした。
演劇をかじって分かったことの1つとして、俳優が持つ「想像」を観客へ共有しなければ成り立たないということだった。「私は今2003年の、六本木の風景を立ち上げています、わかりますか?」
当たり前のことのようだけど、それが本当になかなか出来なかった。情景を丁寧に立ち上げられていない時、無意識でも予め立ち上げようとしてしまった時もなぜか演出家には全部見事にバレる。(予め立ち上げるとはつまり、左側にあのお店があって、目の前にはコレがあって…と演技をする前から台詞の中に出てくる事物を配置してしまうことを指す。)
そして自分の中で立ち上げていても、立ち上げていないように見えると言われる。情景であれ心理描写であれ、どんな想像をしても観客へ共有がなされていないと全く意味がない。それも客席全体へ、満遍なく。
強い演出を付けないタイプの演出家はみんな同じことを言うのだろうか。理想はあれど演出家側も明確な答えを持っていることは少なく、演者は演出家が出す僅かなヒントを元にただひたすらに自分と、自分の役と向き合い続けるしかない。少なくとも私の場合はそうだった。カメラには捉えられていないけど、岡田利規が「ぼくもよくわかってないんだけど」と発言するのを見るにきっと板橋さんもそうだったはずだ。
その向き合う作業には終わりも正解もなかったし、公演終了まで悩み続けた。蕁麻疹が出るほど、人生であんなに自分と対峙した期間は演劇以外だと就活くらいだろう。就活の方がその場凌ぎの嘘をついてしまえるので気楽なくらいだ。その悩み続けた当時の記録が日記として残っている。(さながら何年も前のような書き方をしたが全然今年の話)


2/14
「切実さが足りない」そう言われたのは何回目だろうか。12月末から稽古を始めて、その言葉を言われ続けてきた。
・台詞ではなくト書きをたっぷりと
・目線から逃げない
・遠くの観客にも届くように投げかける
・滑ることを恐れない
・フラフラしない
・話を聞いて!と前のめりな姿勢で
・情景を丁寧に立ち上げる
・常に観客を意識する、舞台上では決して意識を切らない

向いてないのかなと思ってしまう。観劇回数がそもそも片手で足り得てしまうほど少ないからだろうか。それとも私は切実さ、なんてものを元々持ち合わせてないんじゃないか。他人が書いた脚本で、他人の人生や感情を表現すること自体嘘っぱちなんだ。ていうか、私が素人で最初から下手だからどんな演技をしようとも▲▲さんの目には下手に映ってるんじゃないか、そんな気さえしてしまう。他人の言葉を自分の言葉として届けるってなんだろう。いや、でも確かにこの演目において私はまだ切なる思いを持てていない気がする。
本番までちょうどあと稽古は10回。「そんなに言うなら、もういいです、やめます」なんて言ってしまえたら。逃げることは簡単で、もう直向きになるしかない、とは分かっていてもそんな気にも少しなっている自分に嫌気がさす。
他人と比べることも無意味、正解を探すことも無意味。他人と比べてばかりいて、できるだけ誤らないように滑らないように生きてきた自分に果たせるのだろうか。
本番まであと一ヶ月を切った。


2/24
この前の稽古でいよいよ泣いてしまったわけだけど、今日改めて▲▲さんと話してやっと光が見えた気がする。実行し切れるかは別として、と書きかけたが引き受けたからには実行し切るしかない。思い返すと今までの演技に対するモチベはかなり独りよがりだった。私の中での演技は「映画的演技」であったし、「いかに役を自分に近づけるか」が軸で人に何かを伝える、その先の何かしらの感情を抱かせるという意識がすっぽり抜けていた。自分の中の正しさのみを突き詰めていけばある意味純度は高くなるけど、そんなのわざわざ人前で演らずに一人で、部屋の中だけで完結させればいいわけで。お金と時間を使って期待を持って観に来てくれる人たちに対しての責任。同じ演者や▲▲さんに対する責任。演劇経験者は「お客さんの反応を感じて舞台を作り上げていく」ことにモチベを感じるとよく言うけれど、私は人前で演技をしたことがないのでその感覚はわからない。とりあえず今は責任を負うことをモチベにやるのが一番良さそうだ。猫屋敷先生のマインドでやるしかないようです。


3/6
ムカつくーーー!!!!!マジで演劇自体が嫌いになりそう!それくらいボロクソに言われてる!!!!演出家が言語化すらできないものを直しようがない!!!!!のきもち!
マジ稽古泣きすぎてる。私しかボロクソに言われてない。でも今日の帰りに、■■■くんや●●さんに▲▲さんが言ってるような、私だけ浮いてる感じはしないし、▲▲さんの話は話半分に聞いた方がいい、って言われてちょっとだけ救われた。まあ慰めてくれただけなのかもしれんけど。でも▲▲さんに認められること、突っ込まれないようにすることをゴールにしてしまうとそれこそ▲▲さんが求めてる演技とは程遠くなるし自分で自分の落とし所を見つけていくしかない。
明日も明後日ももうずっと稽古。ちなみに来週水曜日には査定面談があるのにその資料さえまだ作れてない。こんな四面楚歌?みたいな状況中々ない。
あーーでも仕事はいいよな、なんだかんだ忙しいの好きだし、正解はなくても最適解に近いものがあるし、やればやるだけ評価してもらえるんだから。エンタメで食ってる人たちほんとすごい。
とにかく私のシーンで寝させるようなことだけは起こさない気合い気合い気合い気合い目線から、客から逃げるな、ちゃんと振る、情景描写立ち上げながらもちゃんと客に振る!!!!!!!おれの話聞いてるかー?!!ってちゃんと振る!!!!!でも友達になりすぎないように!!!!然るべき距離と遠慮を持て!!!!!あーーーーーーーーーー
演技が下手とかそういうのじゃなく、一人でやっているように見えるらしいです。客を無視してるような感じらしいです。伝えるってなんだ?人前でやる意味ってなんだ?舞台わからんわ


3/7
昨日の稽古から、だいぶ良くなってきました………やはり「見る」ことが足りなかったらしい。「見る」ことが出来るようになってくると、他の俳優の演技がさらに面白く感じられる。これは新たな発見だ!
しかし、「見る」ことも「見られる」ことも本当に体力を使う。
今日の稽古の帰り、というかこの日記を書く10分ほど前の話だが、■■■くんと話せて楽しかった。■■■くんは普段話してる時ローに見えるけど、演技をしている時の彼はすごい。なんというか、自由だ。こんなに大きい声出せるんだ!とも思うし、何より演技自体を楽しんでるのが伝わる。稽古毎にアウトプットの仕方を変えてくる。彼の▲▲さん作品への愛故もあるだろうけど、すごく見てて楽しい。演劇は一回一回その時々によって違うからこそ面白いと言うが、一公演の期間の中で何度も同じ演目を観に行くなんてハードルが高い。でも稽古を通じて「そういうことか」とわかってしまった。

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