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カサブランカ・ビーツ

カサブランカ・ビーツの作品紹介

カサブランカ・ビーツのあらすじ

カサブランカ郊外の町シディ・ムーメン。元ラッパーのアナスは、⽂化センターで若者たちにヒップホップをえるためにやって来た。町に住む⼗代の男⼥は、それぞれに抱える思いをラップとダンスで表現する術を覚え、やがて⽂化センターでコンサートを開催する。だが、貧困、宗教、根強い男尊⼥卑の⽂化などの問題が彼らの前に⽴ちはだかる…。

カサブランカ・ビーツの監督

ナビル・アユチ

原題
Haut et fort/Casablanca Beats
製作年
2021年
製作国
フランスメキシコ
上映時間
106分
ジャンル
音楽クライム

『カサブランカ・ビーツ』に投稿された感想・評価

Omizu
2.0
【第74回カンヌ映画祭 コンペティション部門出品】
モロッコのナビル・アユチ監督作品。カンヌ映画祭コンペに出品され、アカデミー国際長編映画賞モロッコ代表にも選出された。

うーん、カンヌコンペのレベルにはないと思う。冒頭から最後まで完成度が高いとは言えない。モロッコの社会状況が背景にあり、それ自体はいいと思うけど演出がイマイチ冴えないというか。

文化センターのラップ教室、様々な事情を抱えた少年少女たちが集まってくる。ラップ教室での論議や教え、その間に少年少女たちの家庭事情が描かれていくというつくり。それ自体は悪くないが新味に欠ける。

ラストも安易だと思ったし、何一つ驚きがなかった。予定調和の展開が続き辟易。脚本をもっと練った方が良い。せっかく魅力的なアンサンブルキャストが揃っているのに勿体ない。

とはいえ全てがダメとは言えない。モロッコの宗教観は興味深かった。ほとんどの人はヒジャブを正しく被っていないとか、街中で祈りが突然始まる描写とか。

そうした背景にある描写は興味深いのにメインのストーリーがつまらない。もう少し意外性のある展開、新味のある演出手法があればよかったのに。あまりノれない作品だった。
[モロッコ、不満と魂をリリックに乗せて] 50点

2021年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。カサブランカ郊外に若者向けの文化センターを開設した監督本人の実体験を基にしているらしい。本作品の主人公は、自身もラッパーであるアナス・バスブーシ演じるアナスである。彼は文化センターで子供たちにラップを教えるために見慣れぬ土地に踏み込んだ。映画は大きく二つのパートに分かれている。一つはアナスと生徒たちの交流風景である。ラップでは宗教や政治のことは話せないといった議論、ラップの練習、みんなで部屋の壁を塗り替えるなど全員が仲良くヒップホップ道を極めていこうとする姿が描かれる。もう一つは文化センターの外側での生活風景である。男女平等かつ自由でいられる"ステージ"としての教室と対照的に、外の世界は男尊女卑、家父長制、イスラム教などが存在し、生徒たちを様々な形で苦しめている。アナスの雑なヒップホップ史によると、ヒップホップはチュニジアのジャスミン革命とそれに続くアラブの春において、政府や現行システムに抗う手段としての強さが証明され、だからこそ日常生活から見える社会/世界への不満を魂ごと歌詞に乗せるべきだ!としている。

昨年のベルリン映画祭コンペ部門に選出されたマリア・シュペト『Mr. Bachmann and His Class』という作品がある。これは、多種多様な背景を持つ生徒が集められたバッハマン先生の教室を1年追ったドキュメンタリーである。この作品の中で、バッハマン先生は生徒たちに対して自分の頭で考えてそれを徹底して言語化させることを促す。そうすることで、持っていた偏見などを表面化させ、間違いに気付かせるのだ。本作品でも似たようなディスカッションが、生徒の間だけではあるが登場する。しかし、200分かけて数回の授業を深掘りした同作に比べると、生徒本人の描き方も議論の描き方も深みに欠けていて、正直劣化コピーといった印象を拭えない。しかも、冒頭と終盤に自分の人生論に沿ったお説教みたいなのが入るので、バッハマン先生の授業は受けたいと思ったが、アナスの授業は特段受けたいとは思わなかった。

それでも、ラップという武器を得た生徒たちが、旧来の価値観を押し付けてくる人々にラップを使って対抗する姿は確かにパワフルで、自信と自己表現力を味方にした人間が本当に社会を変えることができるだろうという信念が伝わってくる。

2021年カンヌ映画祭コンペはこれにて終了。この年はお友達の"巨匠"たちを並べただけのコンペだったので、次の年のコンペ作品発表前に全部揃ってしまった。また、24本中6本に4.5/5を、10本に"平均未満(3.0未満)"を付けたという、評価が二極化した年でもあった。審査員の真似事をすると、以下の通り。

・パルムドール:『TITANE / チタン』
・グランプリ:『インフル病みのペトロフ家』『Everything Went Fine』
・審査員賞:『パリ13区』
・監督賞:濱口竜介(『ドライブ・マイ・カー』)
・男優賞:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(『ニトラム / NITRAM』)
・女優賞:レナーテ・ラインスヴェ(『The Worst Person in the World』)
・脚本賞:ブリュノ・デュモン(『France』)

パルムドールと女優賞、男優賞は変わらず。本家もグランプリは二つ選出しているのでこちらも遠慮なく。
モロッコ、元ラッパーのアナスは、文化センターで若者たちにヒップホップを教えるためにカサブランカ郊外の町シディ・ムーメンにやって来た。町に住む若い男女は、それぞれに抱える思いをラップとダンスで表現する術を覚え、やがて文化センターでコンサートを開催することに…というお話。


結構面白くて俺は好き

『殴るのであれば殴られる覚悟が必要』なことをぼんやり思いながら見た
なぜなら「宗教による束縛は馬鹿馬鹿しい」という考えと「宗教を守りルールに従って生きろ」との考えに貴賤は無くて、お互い自分が正しいと思っていても正しさの質量としては全く同じだからだ
その点において全てが上手くいくハッピーエンドでない点は良かったし、このラッパー集団も折れた心を武器にしてさらに高みに昇っていってほしい思いに包まれる

フランス映画ならではのアーティな演出とラップのビートとの静と動が気持ちいい作品でもあり、自然と体が動いてしまう、そんな場面もあったのは確かだ
しかし、この映画がノリ切れない点としては圧倒的な転の弱さにあると思っている
起承結は大好きなんよ、言葉で社会を変えてやるって気概が
やけどあくまでドラマやしもう少しエグい転があった方が物語として映えたよなあ…とそこだけは惜しかった

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