ルネ・クレールのドタバタ音楽劇で、監督のコメディ映画の頂点の作品とされている。
肝心のところ以外ほとんど台詞がないので、
無声映画を観ているような錯覚に陥いる。時に歌が流れ、あとはずっと音楽が流れているので「音楽劇」というのだろう。
貧富の差が広がる社会への批判や機械化への社会風刺をこめ、男たちの友情と恋を描いた作品。

この映画はどんなストーリー展開になるのか想像できず、なかなか面白い。ルイとエミールのでこぼこコンビがいい。
ラストの弥次喜多道中みたいな雰囲気も「自由を我等に」にふさわしく非常に気持ちがいい。

ルネ・クレール監督はチャップリンの信奉者だったらしいが、逆にこの映画は明らかにチャップリンの「モダンタイムズ」に大きく影響を与えている。
ベルトコンベアーによる流れ作業に、付いていけない主人公が、一旦流れを乱した後のドタバタや、社長が社員を呼ぶための夢のような機械等モダンタイムズで観たようなシーンがかなりある。もちろんテーマの中に資本主義社会における自動生産への風刺という一面があることも同じだ。
因みにモダンタイムズ制作年は1936年だから、この映画制作年から5年後の作品となる。

#1932 2023年　464本目
1931年　フランス🇫🇷映画
監督:ルネ・クレール

刑務所仲間のルイ（レイモン・コルディ）とエミール（アンリ・マルシャン）は脱獄を図るが、ルイだけが脱獄し、エミールは捕まってしまう。
ルイはレコードを売る露天商から蓄音機の大会社の社長にまで出世する。
刑期を終えたエミールは、ジャンヌという女性に一目ぼれするが、彼女は偶然にもルイの会社の工場で働いていた。そして、この工場でエミールとルイは再会することになる。

主人公のルイを演じるレイモン・ゴルディは巴里祭では、主人公の友人の役で最後まで二人に絡む脇役で出ていた。
気になって調べたら、晩年までクレール監督作品の欠かせない名脇役で知られているらしい。
名脇役の彼が、この作品では、友情にあつく、はちゃめちゃな部分がありながら、しっかり貫禄も見せる魅力的な主人公を見事に演じている。

• #y2023
• #フランス映画を観る
• #K死ぬまでに観たい映画1001

アマプラ見放題にあると、
レイチェルさんに教えて頂き鑑賞。
99番目マークだ。
惜しい！

チャップリンのモダンタイムス🎬の元ネタで
チャップリンは訴えられたけど
ルネクレールが許してくれた！

歌いながら脱獄。
ミュージカルコメディ？
モダンタイムス🎬と同じシーンあった！
やっぱり面白い！
テクノロジーの進歩で、人の出番が減るのは今も同じですね。
またモダンタイムス🎬が観たくなりました。

最近は居酒屋もファミレスも
ロボットが料理を運んできますね。
人や障害物をちゃんとよけて来るから優秀。
中国では病院のロボットにキレた女性が
棒で破壊してニュースに。
あの棒はどこから持ってきたのかな〜。

• #モダンタイムス

刑務所に収監されているルイとエマール。2人で脱獄を実行するも成功出来たのはルイだけ。ルイはビジネスで成功を収めて蓄音機製造会社の社長に。その後改めて脱獄出来たエマールは偶然にもルイの経営する工場で働くことになるコメディドラマ。

今から90年以上前の作品。リマスターされているからか、画質が思っていた以上に綺麗で、そんなに昔の作品には感じませんでした。そして本作製作当時はサイレントからトーキーへと変わりつつある時代。貴重な時代での作品で、台詞はちゃんとあるけどまだ少なめなのが、この時代の作品というのを感じます。

囚人だった2人の男たちの友情を描きながら、1930年代の大量生産が可能になり、人間がロボットのように働かせられる社会を風刺している内容。その社会的なメッセージを含めながら全体的にはコメディ調。これがまた見やすくて面白い。

まるでチャップリンの映画を見ているような感じ。テンポ良く84分あっという間に見せるのも、昔の映画にしてはかなり秀逸でした。