gnspさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)

4.0

ただ我武者羅に「生」を求めざるをえないあの72分間。
各々の行動に「答え」なんてなく、あるのは止まらぬ銃声と罪なき命が奪われていく凄惨、悲哀、困惑。
その中で「他者」のために体を奮い立たせられる心の尊
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スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)

3.0

「リーアム父さん大暴れ!」みたいなのを思ってたよりはずっと静かな作品。
むしろ誤解と曲解が混じり合ってどんどん変な方向に進んでいくサマが面白い、「アンジャッシュ映画」だった。

リーアム父さん、絞め終
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別離(2011年製作の映画)

5.0

介護、離婚、裁判、格差…などなど、単体でも地獄な事柄が何重にも重なってハイパー生き地獄が醸成されるという、見ているだけでも逃げ出したくなる作品。

まず夫婦の離婚協議シーンからの一連の流れで一通り提示
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最も危険な愛し方(1991年製作の映画)

3.5

キュアロンのデビュー作はクセのあるセックスコメディだった。

螺旋階段とか飛行機を下から撮るとか、この頃から独特のカメラワークの片鱗を見せていたり、そしてかなり大掛かりそうな空撮まで使われてたりと、映
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

2.0

「2001年」でも目立った左右対称の部屋のカットの美しさや、悪趣味が過ぎる美術、出てくる人が揃いも揃って畜生揃いなことなどなど、良い(←語弊がかなりある)ところもあったけど…
期待が大きすぎたのか、ガ
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

5.0

「ジョーカー」を観て世界のイカれ具合にダウナーになってるみんな!
こっちの世界も相当イカれてやがるぜ!でも安心してくれ、こっちは楽しいやつだ!!!!

戦闘のバリエーションや展開の目まぐるしさからして
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ジョーカー(2019年製作の映画)

5.0

丸ピカ3ドルビーシネマのこけら落とし、最速上映で観賞しました。
いやー、非常に疲れた。ヘビーだ。

ジョーカーというキャラクターが何故ここまで突出して人々を惹きつける、「悪」のアイコンであり続けている
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.5

「ジョーカー」に備えるための予習その2。

今この時代って「正しいルートで正しい行動をして芽が伸びれば報われ"やすく"なる」、いい世の中になったんだなあ〜と、ルパートの行動の倒錯っぷりを見てしみじみ。
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.5

SFではなくドラマ。


「ファーストマン」の内省的要素を更に煮詰めに煮詰めて、「父」という存在を「子」の視点から問う作品。
数少ない娯楽的シーンも「宇宙の脅威」というよりかは「精神性」が焦点。
全体
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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -(2019年製作の映画)

4.5

姉妹、友達、師弟。
立場を超えた、あらゆる関係性における「絆」。
しっとりと語るストーリーに魂を込める、非常に繊細で美しい画。

そら泣く。
御涙頂戴だの言う人もそらいるかもしれんが、泣くもんは泣く。
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マトリックス(1999年製作の映画)

5.0

革命的SFですなあやっぱり。主演3人もスミスも最高にイカしてる。

…という感想を書いたのが2017年。
なーにが「革命的ですなぁ♪」だ。知ったような口で適当ぬかしおって。

これは「衝撃」であり「真
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HELLO WORLD(2019年製作の映画)

5.0

Filmarks試写で鑑賞させていただきました。毎度毎度感謝。

ナメてた恋愛映画は、映画オタクが作った超ブッとんだシロモノでした。
はいっ、久しぶりに食らいました。

古今東西様々なSF作品のエッセ
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.5

喜怒哀楽が交錯するハリウッドの日常と、ヒリヒリするヒッピーとのニアミスと共に「あの日」へ向かうお伽話。
かつ、タランティーノによるハリウッドという「街」へのラブレター。

冴えない中年俳優演技冴え渡る
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工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

4.5

非常に硬派なスパイ映画でたまらんかったが、まさかのおっさんずラブでもあった。

主人公が松重さんみたいな面構えであの色のコートだからなんかコメディ色も入ってくるのかと思いきやどっこい、硬派も硬派。そし
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.0

「ジョーカー」に備えるための予習その1。

「学がないことを悟られちゃいけない」
「自分から先に女に手を上げない」
「デカい声で独り言を言わない」
「風俗嬢に説教しない」
といった、やっちゃいけない男
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ガールズ&パンツァー 最終章 第2話(2019年製作の映画)

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もはや砲撃の音には驚かなくなったが、きめ細かな音も流石の岩浪サウンド。
マリーの身体能力がとんでもなかった。

今回の多くの見どころがネタバレになってしまうのでなんとも言えないが、
「子の成長を見るか
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海獣の子供(2018年製作の映画)

3.5

冒頭の坂を駆け下りるシーンに始まる、江ノ島の渚、海、そして海獣たち。
どこを切り取っても美しく抽象と写実の真ん中をとったような美術が織り成す、「誕生の深淵」に迫りし子供たちの物語…

と、とんでもない
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

5.0

「ずーっと会えない〜せつない〜」みたいなやーつだと思ってたら全然違った。
むしろ「ララランド」のテイストすら感じさせる、音楽に生きた2人の切なきロマンスだった。

モノトーンの画から東西それぞれにあっ
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.5

舞台がNYから「欧州全域」と非常に広範囲に「MCUインフレ」したけども、戦闘自体の範囲は局地的で目的が明確。
そのためホムカミで得た「親愛なる隣人」のイメージが壊れてなくて一安心。それでいてEG後のピ
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天気の子(2019年製作の映画)

4.0

やりやがったな新海誠!

前作でおそらくは譲歩をしたであろう部分も含めた新海誠の「90%」をドン引きするレベルで放出し尽くしていて、もはや「痛快」としか言いようがなかった。
ただこの「90%」は我々の
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ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

4.5

最低にサイコーな2人組と豪華メンバーで送られる音楽を劇場で楽しむことができて非常に良かった。
ただ疎いもんで初見で分かったのはレイチャールズだけという…あのヤベー女絶対見たことあるんだよなー誰だっけな
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プロメア(2019年製作の映画)

5.0

トリガー×中島かずきがまたもやとんでもねぇデカい花火をブチ上げた!

果てしなくポップな色遣い(「スピードレーサー」みたいな気持ち悪くなるまでの極彩色ではない)の都市で繰り広げられるのは古典的なまでの
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

5.0

潜入捜査のヒヤヒヤ・ワクワク感はもちろん、スパイク・リーが伝えたいこともしっかりと詰まった、骨太かつ「待ったなしだぞ、お前はどう思う?」と容赦なく問題提起をしてくる作品。

デンゼル息子演じるロンとK
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.0

映画館で観れて本当に良かった。配信メインの作品なのに、実は劇場で観ないと非常にもったいない内容になっているという。
圧巻と言うほかない浜辺のシーンはじめ、本当に画も音も美しすぎる。劇場以外での鑑賞では
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.5

「Midsommar」に備えるために見たつもりだったんですが、肝心のアリ・アスター監督自身が「ウィッカーマンとはカブらないように注意した」って言ってるようで。

ビジュアルとしての異教感・気味の悪さは
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ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

4.0

映し方はドキュメンタリーのようで、唐突なミュージカルがあって、そしてストーリーはある意味童話のよう。3要素が絶妙なバランス。

劇伴が無く撮影もその場の光景をそのまま映してるなあと思ったらいきなりのミ
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

5.0

スペシャルスクリーニングに奇跡的に当選。Filmarksフォーエバー!


MCUを愛し続けた全ての人々のための作品。今はそれだけしか。
でもシナリオは絶対に予想できないはず。

1日でも早く、そして
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マイティ・ソー(2011年製作の映画)

3.0

ろくでなし脳筋王子が(ひとまず)一人前になるまで。それとロキ。ロキはロキ。
警備と尾行のガバさから来るシールドの憎めない悪の組織感笑った。
田舎のメインストリートで戦うのは「パワーレンジャー」っぽくて
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魂のゆくえ(2017年製作の映画)

3.5

本音と建前に押しつぶされそうになる板挟みが極限まで至ったら、そして心の支えが揺らぎに揺らいでしまったら。
結末が悪趣味すぎてガッツリ刺さった。
4:3アス比のオサレ雰囲気醸し出しようは異常。最近だと「
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

5.0

吹き替えで。
いくら映像化といえど、「コミックがそのまんま動いてる」なんてぶっ飛びすぎな演出だよ。でもそれが最高にキマッてる。
コロンビアのロゴからトリップさせてきて、「一体何が始まるんです?」と思わ
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シャザム!(2019年製作の映画)

4.5

いやー良かった〜!
コメディ一色かと思いきや、図らずも力を得てしまった少年が、真に信じられるモノを探す物語。それは力でも、そして「本当」でもない。「飛べると信じることで飛べる」としてこの物語どころかス
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僕たちのラストステージ(2018年製作の映画)

2.0

残念ながらノットフォーミー…
最初のギャグパートのところはなかなか良かったんだけど、会話パートがどんどん詰め込みまくりになって、しかも説明しまくりで全くノレず。最後はうまくいい話になったんだけどね。
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シックス・センス(1999年製作の映画)

5.0

ネタバレ知ってたけど泣きました。

やはりシャマランの本質はどんでん返しじゃないんだよな。結末に至るまでに積み重ねられる人と人の成長と、答えを追い求めて「何者か」になろうとする人の探求こそがテーマです
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キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

4.5

JGの件からの「アントマン&ワスプ」のハマらなさで生じていた自分のMCUへの疑念を完全に払拭、どころかしっかりエンドゲームへの期待感を増幅させる会心の出来。ここにきてMCUはまた「最高傑作」を更新した>>続きを読む

ファースト・マン(2018年製作の映画)

4.5

チャゼルの「監督」としての腕の確かさを証明した作品。
過去2作にある爆発的なエモは鳴りを潜めたが、代わりに今回は非常に奥ゆかしく、五臓六腑に染み渡るエモを届けてくれた。
一方欠点だった中弛みは他人が脚
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3「恩讐の彼方に__」(2019年製作の映画)

5.0

ベストキッドだしヨルムンガンドだしウインターソルジャー。つまり"""間違いない"""。

アバンの戦闘からモノが違う。銃火器に接近戦、狡噛だからこそのアクションマシマシっぷりはもうたまらんですよ。やは
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