垂直落下式サミングさんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

垂直落下式サミング

垂直落下式サミング

映画(1668)
ドラマ(0)
アニメ(10)

平成狸合戦ぽんぽこ(1994年製作の映画)

5.0

英語タイトルは、ただ「POM POKO」っていうんですか。英語圏のキッズムービーは子供が覚えやすいよう単語一文字とかのシンプルで短い題名がつけられていることが多いですが、はたして『平成狸合戦ぽんぽこ』>>続きを読む

思い出のマーニー(2014年製作の映画)

5.0

喘息の少女が療養に行った田舎で髪の毛ふわふわのマーニーと出会うおはなし。原作は児童文学。英国人が好きそうな幽霊譚。映画のなかでも、女の子が廃屋敷に魅いられていく過程が怪談のテイストで描かれているが、あ>>続きを読む

初恋(2020年製作の映画)

4.7

日本男児の美しさだけを具現化したような内野聖陽。等身大よりちょっと下の中年を演じたら右に出るものはない大森南朋。相変わらずなんでもできる染谷将太が憎めない小者を好演。そしてベッキーは助手席で憤怒の相。>>続きを読む

むこうぶち 高レート裏麻雀列伝(2007年製作の映画)

4.3

人気麻雀漫画の実写化シリーズ第一段。
袴田吉彦演じる傀がとにかく強い。漫画だと煽りにしかきこえないキメ台詞だが、無表情な袴田テンションの「御無礼!」はなかなかクールでかっこいい。
徹底して原理的で人間
>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

3.8

私はエピソード7から観始めた。テレビ放映してた1をみたことある気はするけど、続き物だと意識して観たのは最近になってからだ。そんなですから、元祖シリーズのどこにも思い入れがないため、新しくはじまったエピ>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.3

配達のお仕事をしてた。僕が就活失敗した年、不貞腐れニート期に突入してしばらくすると、母からじじいが身体を壊して入院するとの一報が届く。そんなわけで、半年ちょっとくらい母の在所の委託配達を僕が代行でやっ>>続きを読む

主戦場(2018年製作の映画)

4.5

情報密度が高い。あるひとつのことがらを箱一杯に詰め込んでおくり届けてくれる映画は、客に親切だ。IQが低くてもわかったような気になってしまう。
旧日本軍が行ったとされる従軍慰安婦の強制連行の真偽について
>>続きを読む

さよならくちびる(2019年製作の映画)

5.0

この映画の教訓とはなにか。バンドとプロレスラーの引退宣言は真に受けるな。そういうことである。
当人が辞めると言い出したら悲しんで、カムバックするんなら喜ぶ。ファンはそれでいい。ケン・ローチ、宮崎駿、
>>続きを読む

メン・イン・ブラック:インターナショナル(2019年製作の映画)

4.4

クリヘムは、必要以上に深刻なものを観客に意識させないオールドスクールな活劇の二枚目さん。彼が目を細めてへらへらしていると、なんだか嬉しい気分になる。
ダイバーシティに配慮しキャストを一新したメンインブ
>>続きを読む

貞子(2019年製作の映画)

3.5

記憶喪失の少女を担当することとなった心理カウンセラーエライザの周囲で不可解な出来事が起こり始める。一方、人気YouTuberを目指す主人公の弟は、再生数を稼ぐため5人の死者を出した団地の火事現場に忍び>>続きを読む

3D彼女 リアルガール(2018年製作の映画)

3.6

昨今、若い男女の俳優をキャスティングした恋愛ものが多い。安く作れて早く撮れるからなんだろうけど、それにしても多いな。毎月同じようなのが公開されてる気がするので、同一ジャンル量産体制と言っていいと思う。>>続きを読む

惡の華(2019年製作の映画)

3.5

映画秘宝が休刊することで界隈がざわついている。わりと好きな雑誌だったが、これを学生のころの青春の書物みたいに語られると、お前らちょっと待てとなる。自分の中2を高く見積もりすぎてやしないか?大学入ってバ>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

4.1

こういうタイトルの出方はずるいよ。止め忘れたメトロノームにのせてやってくる。小気味よくてユーモラスなんだけど淡々と時を刻む不吉さになぜだか寒くなって身震いした。
最近刑期を終えて出所したばかりの男は、
>>続きを読む

白鯨(1956年製作の映画)

3.7

ジョン・ヒューストン。輝かしい名作をいくつも世に送り出した偉大な映画監督だが、『アニー』のようななんとも言いがたいものを作ったり、変なエロ映画にチョイ役で出たりと、よく分からない人である。
アメリカハ
>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

5.0

子供のころから「父に愛されない不安」というのが常にある。勉強しろと怒鳴られたあとに、したくもないキャッチボール、11歳からやらされた車の整備、いちいち説教臭い物言い、喜ぶタメになると思ってるからたちが>>続きを読む

サンセット大通り(1950年製作の映画)

5.0

復活である。
以前から、自分のレビューにプライベートなことパーソナルなこと書くのは極力少なめにしていたが、実に半年ぶりの投稿につき、映画について書く前に一言添えておくことにした。
長いこと止まってたの
>>続きを読む

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.5

イマドキ少年のスパイダーマンが、ホームグラウンドであるアメリカニューヨークを離れてヨーロッパで活躍するMCU作品。
開幕から10分ほどで、人口の半分が消えたのちにヒーローたちの活躍で復活したという壮大
>>続きを読む

マルタの鷹(1941年製作の映画)

4.7

私立探偵サム・スペードが、「マルタの鷹」なる財宝をめぐる策謀に巻き込まれてゆくさまをを描いたフィルムノワール。
アーチャー、サースビー、カイロ、ガットマン、固有名詞が飛び交う、さてさてだれが誰だったか
>>続きを読む

ツイスター(1996年製作の映画)

3.7

遊戯王の嵐系カードに牛が描かれているのは、この作品へのオマージュ。大嵐、トルネードラゴン、砂塵の大嵐、局地的大ハリケーン、優秀な魔法罠除去に描かれているのはぜんぶ違ったアングルからみたおなじ牛のイラス>>続きを読む

バースデー・ワンダーランド(2019年製作の映画)

3.5

ゴールデンウィーク、映画館の入り口にできた行列はほとんどコナンかアベンジャーズらしく、この映画の座席はけっこう空いていた。ビッグタイトル2本とぶつかるとは間の悪いことだが、ポスターの絵面がキャッチーで>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

3.9

天才黒人ピアニストのドクター・シャーリーが、より差別が根強いアメリカ南部でのコンサートツアーを計画し、それに当たって粗暴なイタリア系の男・トニーを、運転手兼ガードマンとして雇うことになる。その旅のなか>>続きを読む

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)

5.0

冒頭の疑似世界史を背景にしたザッピング映像と、スリリングな原発のメルトダウン、怪獣映画にシリアスかつ劇画的ケレンを取り入れたレジェンダリー版ゴジラの真骨頂。
ヒロシマ、ナガサキ、第五福竜丸、3.11…
>>続きを読む

鬼談百景(2015年製作の映画)

2.0

原作エピソードの選定ミスなのか、ドラマ化にあたっての改変が映像向けじゃなかったのか、それにしてもかったるい。
わかりきっていることを何回も繰り返すのがくどいし、その場面を見せてもらえばわかることを長々
>>続きを読む

殺人ワークショップ(2012年製作の映画)

3.7

同棲している恋人からの激しいDVを受ける女性のもとに届く、殺したい相手を本当に殺すための実践型ワークショップのおしらせ。一見さん大歓迎、2泊3日のブートキャンプ、極限状態において殺人によってこそ魂が解>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.5

真下をうつして始まった映画が斜め上の空を見上げて幕を閉じる。タイル、水、泡、犬の糞、水鏡にうつる飛行機、美しい。抑圧、断絶、階層、それらはきっと受け入れられる。だから家族にだってなれる。耳元で張りつめ>>続きを読む

キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

3.0

クエンティン・タランティーノが、すべてがサンプリングであることを隠さず趣味趣向を全快に打ち出したのが本作。
映画のヒップホップとかミクスチャー世代とか色々言われるやつ。確信的にマニア向けなつくりの本作
>>続きを読む

トレーニング デイ(2001年製作の映画)

5.0

本作が提示する警官像は、各都道府県警察が防犯意識を呼び掛けるために市民に配布するパンフレットの表紙に載っているような爽やかな印象とはかけ離れている。
念願かなって麻薬取締官に配属された正義感の強いイー
>>続きを読む

アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

いや、ホント困っちゃったよね。つまらなくて。
ラスト劇場内ですすり泣く声とか聞こえたけど、アタイは貧乏揺すりが止まんなかったよ。駄作ってことはないけど、この映画好きか嫌いかでいったら、大っ嫌い。最終作
>>続きを読む

オリエント急行殺人事件(1974年製作の映画)

5.0

時に悪党と徒手空拳の殴り合いの格闘を演じるようなパルプマガジンの私立探偵に対して、本格派推理小説に登場する私立探偵はあまり行動派ではない。
おはなしによっては椅子に座ったままで事件を解決してしまうもの
>>続きを読む

マーティ(1955年製作の映画)

4.3

みずからの容姿に自信をもてないために奥手になってしまう主人公マーティの設定は、良くも悪くも現代的なものをとらえている。後年、名バイプレイヤーとして活躍したボーグナインの演技に、今日的な否モテ男子のメン>>続きを読む

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.5

19世紀中期のアメリカ南部を舞台に、奴隷から解放された男が巨大農園主の屋敷にとらわれている妻を奪回するため、し烈な闘いに身を投じてゆくさまを描き出す西部劇。
レオナルド・ディカプリオが悪役に挑むほか、
>>続きを読む

マイ・フェア・レディ(1964年製作の映画)

3.7

現代の我々は、人間を作り替えることに魅力を覚えない。というよりは、他者から影響を受けた価値観ではないもの、自然由来の姿、あるがままの感性、代替不可のアイデンティティ、そういう性質を愛するのではないか、>>続きを読む

口裂け女 vs メリーさん(2017年製作の映画)

1.2

短い上映時間内に、謎解き、姉弟愛、オカルト、アクションと詰め込んでいるので、飽きないかと思ったら大間違い、めちゃくちゃ退屈。『口裂け女VSカシマさん』のほうがまだマシだった。二大都市伝説の対決をうたう>>続きを読む

口裂け女 VS カシマさん(2016年製作の映画)

2.2

冒頭、口裂け女が披露するパルクールの主観映像が、本作の最大最後のみどころ。あとは適当に。
口裂け女から逃げるのはいいが、途中からカシマさんは空気になり、思い出したかのように再登場。VSと銘打つのならせ
>>続きを読む

ウォークラフト(2016年製作の映画)

4.0

『月に囚われた男』『ミッション8ミニッツ』のダンカン・ジョーンズ監督が、『ロードオブザリング』で間に合っているような題材を撮っていた。
生真面目な映画を撮る人という印象だったのでちゃんとアクションでき
>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪(2015年製作の映画)

4.2

七部作で完結となったはずのコワすぎ!だが、その後に『超コワすぎ!』として復活し2本の番外編が作られる。事実上の最終作となる本作は、中年男の純愛を扱ったハートフルな異色作だ。
今回の投稿者は、「川野つぐ
>>続きを読む