ゴリアテの憂鬱さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ゴリアテの憂鬱

ゴリアテの憂鬱

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Saudade(原題)(2012年製作の映画)

4.5

わざわざ休日に長閑な場所までリトリートしに行く必要なんてなかったんや!
(そもそもそんなことする時間の余裕もないですが)

ただ、このショートムービーを観てるだけで癒される。

知的で飾り気がなく、質
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マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

4.7

芸術系映画において恋バナ的な要素は本来苦手ですが、本作は映像があまりにも圧倒的でした。

非常に芸術性の高い映像は、タルコフスキーを彷彿とさせましたし、ストーリーにこびりつき焦げ付いたような宗教性はカ
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(1968年製作の映画)

5.0

観れぬなら、(英語)字幕でも見よう ホトトギス

ということで、ブルーワーカーの僕には休みを取ってビビる程高い新幹線代を払って東京のアンスティチュ・フランセまで行く余裕はどこにもなかったので、偉大なる
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あの頃エッフェル塔の下で(2015年製作の映画)

2.1

『そして僕は恋をする』を観たところなので、その続編とされる本作も鑑賞。

もう違う監督が撮ったのかと思うくらい別物に思えました。
演出やカメラワークなど、ほぼ全てにおいて本作は苦手でした。

『そして
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選挙2(2013年製作の映画)

3.6

気になったので続編も鑑賞。

政治を変えたいと思って無所属で立ち上がっても、やはりそこに聳え立つ各党候補の支持政党票と潤沢な資金力の前では、個人の持つ力というものはあまりにも無力であるということがわか
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選挙(2006年製作の映画)

3.6

舞台は2005年に行われた川崎市議会議員の補欠選挙。
自民党議員の一人が参議院議員にくら替えしたために、川崎市議会議員の勢力図は自民18対民主18の同数に。
自民党としては絶対に勝たなければならない選
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そして僕は恋をする(1996年製作の映画)

4.2

主人公を中心に、男女の恋愛関係が複雑に絡み合ったコント作品。

デプレシャンは今回初めて観たのですが、ヌーヴェルヴァーグの鮮烈さと現代的なエッセンスが絶妙に溶け込んだ世界観がとても魅力的でした。

3
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セールスマン(2016年製作の映画)

3.6

ある日、妻がバスルームにいるところを侵入者によって襲われてしまったある夫婦。

イスラム教における「女性は自分の美を親族以外の男性に見せない」という教えがあることで、事件を表に出したくないと考える妻と
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ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.7

1996年にオーストラリア・タスマニア島で起きた無差別銃乱射事件を題材にした作品。

ニトラムとあだ名をつけられた犯人の青年が、事件を起こすに至るまでの過程を事実に基づいて描いた実録映画。

犯人は今
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英雄の証明(2021年製作の映画)

4.0

現代の情報社会において、いかに個人や組織が周囲からの見られ方に捉われ、それに執着しているか。

この作品の主人公のように、最初は英雄に祭り上げられても、何かケチがつくと、その評価は一気に奈落の底へと落
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東京裁判(1983年製作の映画)

4.3

第二次世界大戦における日本の戦争犯罪を追及した極東国際軍事裁判、通称〝東京裁判〟の模様を記録した、4時間30分以上に渡る長編ドキュメンタリー映画。

戦争を身を持って体験した人がほとんどいなくなった現
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最前線(1957年製作の映画)

3.9

朝鮮戦争の最中、敵の攻撃により大部隊から逸れたベンソン中尉率いる十数名のアメリカ軍小隊にフォーカスした話。

戦争ともなると本作の小隊のように、様々な状況下にあって必死に最善を尽くそうとした部隊が数え
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危険なプロット(2012年製作の映画)

3.7

フランソワ・オゾンによる文学的な心理サスペンス。

どこか村上春樹の小説のような雰囲気を感じました。

そこに正体不明の不気味さを佇ませるのは、オゾンのお家芸とも言えるものですね。

恋する惑星(1994年製作の映画)

4.1

ウォン・カーウァイは過去に何作か観て、自分にはちょっと肌が合わないのかなと思っていましたが、徐々に馴染んできた感じがする…というか、むしろその世界観に少しハマりそうです。

個人的に90年代の空気感と
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エル プラネタ(2021年製作の映画)

2.8

監督・脚本・主演を務めるのは、「世界を変える30歳未満」の30人に選出されたアマリア・ウルマン。
作中の母も実母を起用し、自らの貧困体験を織り混ぜた全編モノクロ映像で作り上げた作品。

フランシス・ハ
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リトル・ガール(2020年製作の映画)

4.1

先日、男の子として生きたい少女を描いた映画『トム・ボーイ』を観たところだったので、女の子になりたい男の子を描いたドキュメンタリーである本作を鑑賞。

自分にも小さな子供(男の子)がいるのですが、自分の
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KUSO(2017年製作の映画)

1.9

ブレインフィーダーを主催し、自身もアーティストとして活躍するフライング・ロータスが作った映画ということでいつか観たいと興味を持っていました。

映画観に観に行く程でもなく、DVDを買うほどでもないと思
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トムボーイ(2011年製作の映画)

4.0

家族の引越しを機に、男の子として友達の輪に溶け込みたいと思いそれにチャレンジした10才の主人公の未熟さの残る繊細な感情を描く。

子役の二人の演技が素晴らしい。

近年、世界ではLGBTQ +に対する
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ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

4.6

ワイズマンによる実に4時間半にも及ぶ、ボストン市庁舎の人々の仕事ぶりと、その地に住む様々な人種から成る市民達を写し出したドキュメンタリー映画。

北欧の大自然を多く撮影してきたフィンランドの写真家ペン
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オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

4.1

阿房宮とは、秦の始皇帝が中国統一を成し遂げた後、渭水の南の奥地に建造しようとした豪華絢爛な宮殿のこと。

阿房宮は始皇帝存命の間に完成できず、その後も建設が続きましたが、秦の滅亡によって結局未完のまま
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ジェントル・クリーチャー(2017年製作の映画)

4.3

ウクライナ出身のセルゲイ・ロズニツァ監督による、ロシアにおける全体主義国家の腐敗や不条理を描いたリアリティのある寓話。

ドストエフスキーの短編『やさしい女』からインスパイアされたという作品。

ブレ
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光のノスタルジア(2010年製作の映画)

3.5

チリのアタカマ砂漠を舞台にしたドキュメンタリー。

空気が澄み、天体を観測するには最適なアタカマの地で過去に行われた黒い歴史に触れる。

天文学と歴史学という、天と地の物語を同時に描いている構図が面白
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囚われの女(2000年製作の映画)

4.4

恋人が(同性と)浮気してるんじゃないかという強迫観念に取り憑かれた主人公の話。

Filmarksのジャケットはなぜにこんなダサいやつなのでしょう。

マルセル・プルーストの小説を映画化していますが、
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イカとクジラ(2005年製作の映画)

3.7

本作は、バームバック監督の実体験が基になってるみたいです。

離婚を決意した夫婦と、共同親権により父母それぞれの家を行き来することになる子供達。

問題あり過ぎの家庭で、これが小説だとかなりキツいスト
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私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

4.8

撮影時24歳だったアケルマンによるセルフポートレイト作。

後の『ジャンヌ・ディエルマン』へと繋がる、ある種アケルマンの原点とも言えるものがありました。
むしろ、本作の方が孤独感や閉塞感,そして本能や
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夏物語(1996年製作の映画)

4.7

自分は変なところにこだわるタイプのA型なので、去年の春に『春のソナタ』を、冬に『冬物語』を、【四季の物語】の制作順にその季節が来るのを待ってそれぞれ鑑賞し、今年の夏と秋に残りの2作を順番通りに観ようと>>続きを読む

トラベラー(1974年製作の映画)

3.3

なんという悪ガキなんでしょう。
しかもズル賢い。

こんな自分の欲の為に良識なく行動する子供に現代都市というフィールドを与えたら、もっととんでもない事をしでかしそうで怖いです。

そんな少年の姿を描き
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映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)

4.0

学生時代、音楽好きになりだした頃から洋楽にカブれてしまっていた僕は、当時買ってた音楽雑誌SNOOZERの表紙くらいでしかフィッシュマンズを認識しておらず、それからゆらゆら帝国やナンバーガールなど一部の>>続きを読む

あなた自身とあなたのこと(2016年製作の映画)

3.9

めっちゃホンサンスなお話しでした。

らしさを感じるということは、らしさを持ってるからであって、それが何よりの魅力となります。

でも、ホンサンス・ズームだけは未だに慣れません。。

知的な反復2部構
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許されざる者(1992年製作の映画)

3.3

『クライマッチョ』を観る前にひと叩き。

イーストウッドはこの頃から既にシブいのですね。

西部劇ですが派手さはなく、イーストウッドらしく人間味や人情味が感じられます。

お誕生日おめでとうございます
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

2.7

60年代のロンドンの街並みやインテリア,ファッションがとても魅力的でした。

ですが、エドガー・ライトは自分にはあまりハマらないのかも知れません。

メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタル・リマスター版(1997年製作の映画)

3.9

中国返還直前の香港を舞台にした青春映画。

普段、青春映画はほとんど観ないのですが、本作はとても良い作品でした。

同じく香港のウォン・カーウァイや台湾のエドワード・ヤンなど、近隣アジアには独特の美し
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われらの時代(2018年製作の映画)

3.4

美しい大自然を舞台に繰り広げられる不倫劇。

奥さんが不倫してるのを知ってるのに、理性を持って対処しようとする夫。
しかも、夫役が監督で、不倫して他の男に抱かれまくる奥さん役を演じているのも実際の監督
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光に生きる ロビー・ミューラー(2018年製作の映画)

4.0

ヴィム・ヴェンダースやジム・ジャームッシュから厚い信頼を得て、数々の素晴らしい映画作品のカメラマンを務めたロビー・ミューラーのドキュメンタリー。

ロビー・ミューラーという人物が魅力的過ぎます!

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デュエル(1976年製作の映画)

4.3

ジェラール・ド・ネルヴァルの小説に着想を得て構想した4部作『火の娘たち』の1作目。

現代のパリを舞台に、月の女王と太陽の女王が魔法の石を巡り対決する。

自分自身、何の面白味もない現実派人間なので、
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ポルトガル、夏の終わり(2019年製作の映画)

3.7

シントラの美しい情景がとても魅力的でした。

ラストの引きショットの長回しが主人公の人生を物語ってるようで、良いラストシーンでした。