くさむすびさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

3.0

想像以上に笑えるシーンが多かったけど、物足りない。もっと時間を取って見たかった。河井青葉の演じる永子の行動原理が理解しかねる感じなのは濱口作品っぽい、脚本書いてないけど。

THE COCKPIT(2014年製作の映画)

3.5

素人目には分からない楽曲制作のトライ&エラーの繰り返しを劇的に見せることなく時間が流れていくが、不思議なことにラストは拍手したくなるような感動が待っている。この後味は唯一無二。

籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.7

『聖なる鹿殺し』と同じく家父長制がテーマとなっているが、そこに指導や教育、抑えきれない欲望と好奇心といった味付けが上手くハマっていて、自分はこちらの方が好みだった。途中までは面白くないのが惜しいけど、>>続きを読む

エンドレス 繰り返される悪夢(2017年製作の映画)

3.4

主要登場人物誰一人として共感できないので、終盤までのドラマには「どうでもいいな〜」と思いながら全く心動かされなかったんですが、ユ・ジェミョンの演技が素晴らしくそれに釣られて泣きそうになる。タイムループ>>続きを読む

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

2.5

生理的嫌悪を訴えてくるような不快なシーンが多く、性格の悪さが伝わってくるのは良い。けれどもマーティンの人間性や詳細な情報を描かないのはともかくとして、呪いに具体性がないのが気になった。その疑問が結局晴>>続きを読む

エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

退屈はしなかったけど、『エクスペンダブルズ』シリーズが凡庸なアクション映画に成り下がってしまったのがとてつもなく残念。このシリーズってアクションスターの共演と対決が見所だったのに、今回はイコ・ウワイス>>続きを読む

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.3

原作予習して鑑賞。お笑いファン、邦画ファンは必見。元々ツチヤタカユキ氏はオードリーのオールナイトニッポンでハガキ職人として活躍してる所を若林に声をかけられて構成作家見習いになった経緯があって、それが今>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.7

初アキ・カウリスマキ。終始、愛があるんだか無いんだか分からないラブストーリーが淡々と繰り広げられるが全く中弛みすることなく、コンパクトに纏まっている。空気感に馴染むのに時間はかかったものの、一度入り込>>続きを読む

激怒(2022年製作の映画)

3.5

正義のための暴力は許されるのかという話だが、類似したテーマを扱った作品の中ではかなり分かりやすく製作者の思いが伝わってくる。昨日見た『M3GAN』と同じで深間が覚醒するまでの前振りが長いなとは思いつつ>>続きを読む

シーフォーミー(2021年製作の映画)

3.3

視覚障がい者の主人公ソフィと彼女を遠隔でサポートするFPSゲーマーの話なのだが、『ザ・コール』みたいにプロが指示する訳でもないのが今作の特徴であり面白さだと思う。徹頭徹尾バディムービーにして欲しかった>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.1

『チャイルド・プレイ』の焼き直しかとてっきり思っていたが、知能の高さと可動域の広い機体が良い感じに気持ち悪さを演出していて、新たなホラーヒロインの誕生を予感させた。AIなのに、やたらと感情をこちら側に>>続きを読む

マディのおしごと 恋の手ほどき始めます(2023年製作の映画)

3.7

過保護な親だったり居心地の良い地元だったり、様々な依存から脱却しようとするドラマだったのが意外だった。加えて積極的であることの害悪さみたいなものも描かれていて、マディがプロムに乗り込むシーンとか終盤の>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.6

オストルンド監督らしいシニカルな目線とブラックな笑いは鳴りを潜めていないが、分かりやすさや直接的に描かれるものが今作は目立っていて、物語中に起こる出来事に驚いたりすることができなかった。ただ、映画とし>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.5

見逃した2023年新作映画追い込み週間②
題材の力強さだけではなく、映画としての面白さが今作には詰まっている。編集のスピード感が飽きさせず、特にローラがパメラという人物から電話がかかってきた後にジョデ
>>続きを読む

アンブッシュ(2021年製作の映画)

2.3

従来の映画なら終盤に出てきそうな「敵に無くて俺らにしかない武器は仲間との絆だ」みたいなセリフや、死を悟った兵士がかろうじて繋がった携帯を使い家族に電話するなどと言ったものを序盤に持ってきている構成の斬>>続きを読む

ヤジと民主主義 劇場拡大版(2023年製作の映画)

4.3

自分がドキュメンタリーを見る前の心構えとして、作中で描かれるものはあくまでも一側面でしかなく、主義主張は鵜呑みにしすぎないというのを念頭に置いているのだが、それにしても今作で登場する道警の対応は明らか>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

-

予告の時点で眠気が襲ってきて、案の定本編開始20分ほどで脱落。起きて30分ほどで映画が終わったので、多分1時間以上寝ていた。よって評価なし。

なのに、千輝くんが甘すぎる。(2023年製作の映画)

3.9

見逃した2023年新作追い込み週間①
松竹配給の恋愛映画は今年の『交換ウソ日記』も良かったけど、今作も本当によく出来ている映画。
如月が山田を好きになった理由が全編を通じて鍵になっているのが上手い。千
>>続きを読む

ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス(2014年製作の映画)

1.8

このシリーズは面白いと思えず2作目でリタイアしたのだが、どうしても最新作が気になるので予習を再開。
自分の中で「ハンガーゲームは楽しくない」という先入観が刷り込まれているから、今作もやっぱり面白く感じ
>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.5

自分の中では配信限定映画だったのが逆に功を奏した。予備知識ない故に正統派ラブストーリーかと思いきや、「そういう話だったのか!」とブン殴られる。"吸血鬼"のセリフの伏線回収は痺れた。分かりやすいあからさ>>続きを読む

零落(2023年製作の映画)

3.7

作家性と大衆性を天秤にかけて、漫画家としての才能とは何なのかを浮かび上がらせる。首尾一貫して主人公の深沢が嫌な作家だった。何か変わることもなく、寧ろ開き直ってつけ上がっていくような態度。個人的に興味深>>続きを読む

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

2.8

TVシリーズは最新話まで視聴済。途中までは面白かった。ヨルさんがネガティヴ思考になって悩んだり、アーニャなりに二人の離婚の危機を防ごうとしたりなど、偽装家族として一人一人が勝手に東奔西走して行くチグハ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

今年見た映画の中で一番体感時間が短かった。あと何時間でも見ていたい。
清掃員の平山が主人公で、仕事がある日は"朝早く起き、カセットテープを聴きながら出勤。渋谷のトイレを清掃しながら周り、終業後は銭湯に
>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.8

敵役である領主・フォージを倒すまでに至るまでの工程が長いのでテンポが悪く鈍重になりそうだが、大胆な省略で笑いにしつつテンポ良く見せているのが巧いと思った。ロープで落下してサイモンが「俺は最後」と言う場>>続きを読む

ダークグラス(2021年製作の映画)

2.0

捻りが無さすぎて見てるのが辛かった。ディアナとチンに歪な友情が芽生える瞬間を捉えていないドライさが良かったけど、ここまで工夫が無いともしかしたら意図したものでは無いのではと思ってしまうほど。犯人のバラ>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

噂に違わぬ力作。黒柳徹子の礎となっているであろう、トモエ學園の仲間たちとの生活を描きながら、徐々に豊かな生活を脅かしていく戦争の存在感と恐ろしさを直接的な描写を用いずとも克明に映し出している。
とにか
>>続きを読む

オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.5

リアル志向と浮世離れのアクションのアンバランスさが楽しい。しかし今作を支配するグレッグが全く怖くないように、作品全体を通して緊張感が生まれておらず、戦災孤児支援パーティーの場面以降は結果としてずっと弛>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.2

ここ数年の飯映画の中でもトップクラスに飯が美味そうに見える映画。何作ってるのかは分からないのだが、とにかく見てるだけで腹が減ってくる。
映画で出てくる食事と言えば、生への執着のようなものを見せる時があ
>>続きを読む

ドーラとまぼろしの生き物(2023年製作の映画)

2.0

5分間、何が目的で何をやっているのかが全く分からなかった。上映マナーを守る子供が多かったので、主人公が声出しを呼びかける場面でも誰一人発声しておらず笑ってしまった。

パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー(2023年製作の映画)

3.8

全員が親子連れで来ており、一人客は自分のみで大変気まずかったが前作よりも良かった。レスキュー映画からスーパーヒーローレスキュー映画に格が上がり、アクションも楽しくなっている。チェイスはもろにフラッシュ>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(2023年製作の映画)

-

ミッキーとかプーさんとか、所々「このキャラクターこんな声だったっけ?」と気になる点はあったが、多様なキャラクターが時代を超えて集まる姿は壮観。完全なファンムービー。

ウィッシュ(2023年製作の映画)

2.9

生田絵梨花が声優やってるとのことで吹替版で鑑賞。
ストーリーも曲も全体通して散々宣伝で使われてきたあの曲の場面でピークを迎えて、そこからは盛り上がることもなく平坦なテンションで終わっていった印象。舞台
>>続きを読む

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

3.7

暇つぶしで見たが悪くはなかった。イマジネーションの世界が創り出す幻想的な世界観と、童心を忘れることについてを2時間かけて丁寧に描いていたが、途中からこの映画の世界のルールが段々分からなくなっていくのが>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

突っ込みたい所が少なからずあるという不満点はある。特に宇野祥平演じる刑事と若葉竜也演じる義則がしれっと一緒に捜査してるのとかあり得ないと思ったし。義則自身も白確定という訳ではないのに、ペラペラと核心に>>続きを読む

銀平町シネマブルース(2022年製作の映画)

3.3

昨今のミニシアターの労働環境を巡る問題とか、映画制作現場での過労・パワハラの告発が後を経たない事実をネット上で見かけるので、「こんな綺麗な話でいいの?」と思ってしまったのがノイズだった。近藤が借金を背>>続きを読む

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.1

登場人物たちの一つ一つの言動にイライラしながら鑑賞。でも全編ワンカットで工夫もなされているのでサクサク見れてしまう。行き当たりばったりの行動を描いて衝動的に動いてしまう差別主義者の愚かさを訴えたいこと>>続きを読む