ノラネコの呑んで観るシネマさんの映画レビュー・感想・評価 - 59ページ目

ノラネコの呑んで観るシネマ

ノラネコの呑んで観るシネマ

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

4.8

鮮烈!
岡崎京子の傑作を、色んな意味でよくぞここまで映像化した。
閉塞した日常を送る6人の高校生。
彼らが抱えるのは、同性愛、摂食障害、一方通行の愛、暴力衝動、妊娠、etc。
それぞれが抱える痛々しい
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西遊記 ヒーロー・イズ・バック(2015年製作の映画)

4.2

これも洋画アニメーションの例に漏れず、完成から3年も待たされた。
西遊記とあるが天竺には行かず、三蔵法師も出てこないし、物語はほぼオリジナル。
ひょんなことから封印を解かれた孫悟空が、妖怪につけ狙われ
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戦狼 ウルフ・オブ・ウォー(2017年製作の映画)

3.8

悲しい記憶を持つ人民解放軍特殊部隊“戦狼”の元兵士が、戦乱のアフリカ某国で、同胞と現地人を守って大活躍。
ただ1を観てないから、あちこちよく分からない描写が。
と言うか、いきなり続編から公開ってどうな
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わたしたちの家(2017年製作の映画)

4.2

これは実にユニーク。
とある家に母と二人で暮らす中学生のセリは、母に恋人が出来たことに心乱される。
一方、記憶を無くしたサナは、フェリーで知り合ったトウコによって、彼女の家に招き入れられる。
一見関係
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龍の歯医者 特別版(2017年製作の映画)

4.3

龍デカっ!
TVは見逃してたけど実に面白かった。
典型的な世界観で見せる作品で、世界観にテーマが内蔵されてる。
舞台はパラレルワールドの第二次世界大戦。
日本ぽい国と西洋っぽい国が戦争してるのだが、日
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ブリムストーン(2016年製作の映画)

4.6

疲れた。
これほど重い映画だとは。
西部開拓時代、ガイ・ピアースの謎の“牧師”に、執拗に追いかけられるダコタ・ファニングの人生を4章構造で描く。
小さな村で家族と幸せに暮らす第1章から始まって、2章、
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猫が教えてくれたこと(2016年製作の映画)

4.1

癒された〜。
古都イスタンブールに住む、猫たちと人間の関係を捉えたドキュメンタリー。
いわばトルコ版「岩合光昭の世界ネコ歩き」。
野良猫と家猫の中間、猫生の自由を尊重する適度な距離感が心地よい。
人間
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52Hzのラヴソング(2017年製作の映画)

4.2

これはステキな映画。
バレンタインデーの台北を舞台に、恋と幸せに迷う人々を描くミュージカル。
全編「レミゼ」並みに歌いっぱなしだ。
花屋の娘とチョコレート職人、ヒモ状態のミュージシャンとの別れを考える
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レディ・ガイ(2016年製作の映画)

2.6

とりあえずこの邦題つけた人に拍手。
凄腕の殺し屋が、なぜかマッドサイエンティストによって女に改造される。
しかも演じるのが、ミッシェル・ロドリゲスとシガニー・ウィーバーという企画性は凄く良い。
という
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キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

4.0

麻薬組織に壊滅させられたキングスマンを、ゲイリーとマーリンが救う。
前作は典型的ヒーローズジャーニーの話型で、運命の子ゲイリーの成長物語という軸がはっきりしていたが、彼はもう立派なエージェントに成長し
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映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活(2017年製作の映画)

3.7

キッズアニメの栄枯盛衰。
近所の夜上映が早くも終わっちゃったので、ちょい遠征。
このシリーズ、大人たちがターゲットの子どもそっちのけで好き勝手やってるのが面白さであり、特徴であり。
今回はレギュラーの
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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.8

年の最後にこんな傑作と出会えるとは。
シリアからフィンランドに流れ着いた難民の青年カーリドと、アル中妻と別れたヴィクストロム。
前半は難民申請し、生き別れの妹を探すカーリドと、レストランビジネスを始め
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カンフー・ヨガ(2017年製作の映画)

3.2

中国+インド、1+1は2にならず、せいぜい1のままだった。
「インディ・ジョーンズ」に「カリオストロの城」をミックスした様なアイディアはまあ良いとしても、筋立てと編集が雑過ぎ。
アクションシークエンス
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ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命(2017年製作の映画)

4.2

端正に作られた歴史劇。
ドイツに占領されたワルシャワで、動物園を営んでいた夫婦の物語。
そこには大きな地下室と、動物を檻へと導くためのトンネルがあった。
夫婦は表向きドイツ軍に協力するフリをしつつ、ゲ
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.7

妄想こじらせ系のメンタルを、ここまでリアルに描いちゃうとか。
まるで若い頃の自分を観てる様でツライ( ;´Д`)
厨二で好きになった相手がイチ(1)で、10年後の現在コクられた相手が二(2)。
あく
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ビジランテ(2017年製作の映画)

3.3

うーむ・・まあまあ面白い、面白いんだけど、凄く変な映画だ。
暴力で三兄弟を支配した父が死に、30年間音沙汰の無かった長男が帰ってくる。
長男は遺言をたてに一方的に遺産の土地の相続を宣言するが、そこは政
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フラットライナーズ(2017年製作の映画)

3.2

一瞬のカメオ出演かと思ってたキーファーの役が意外と大きくて、リメイクでありながら半分続編の様な作り。
医学生たちが臨死実験をしたら、過去の罪悪感が実体化して襲って来るという基本部分は同じだが、脚色はだ
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オレの獲物はビンラディン(2016年製作の映画)

3.4

軍団ひとりw
「ビンラディンを捕まえろ」という神の啓示を受けて、本当にパキスタンまで行っちゃった男の実話。
いや〜聞きしに勝る奇人、というかどこからどう見てもイっちゃってるんだけど、ほんと世の中には
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彼女が目覚めるその日まで(2016年製作の映画)

4.1

なんか「8年越しの花嫁」と似たような話だと思ったら、全く同じ病気の話だった。
邦画と洋画が同じモチーフで同時公開って、かなり珍しい。
しかし病気は同じでも、アプローチは全く違う。
「8年越しの花嫁」は
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8年越しの花嫁 奇跡の実話(2017年製作の映画)

4.3

シアワセ〜とは〜。
ええ話や!以前動画観て内容は知ってたけど、感動した。心を洗われた。
結婚間近のカップルの花嫁を、突如病魔が襲う。
幻聴、幻覚、感情爆発、そして長い長い昏睡。
残された花婿は、いつ帰
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

4.9

いや〜楽しかった。
MVPは宣伝のミスリードかな。
おかげで「レイ!レンくん!」な「君の名は。」的な部分を含め、想像の斜め上を行く展開に驚きの連続。
明確な欠点がいくつもあるのだけど、それを含めて色々
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ガールズ&パンツァー 最終章 第1話(2017年製作の映画)

4.3

面白い。
やっぱり吉田玲子が上手いのだな。
6話構成の1話だから全体像はまだ見えないけど、方向性は明確。
新キャラ登場させたりいい塩梅で展開させて、絶妙なところで落としてる。
こりゃ続きも観るだろ。
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バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

4.7

ムチャクチャ面白いw
少なくともビジュアル的には前作を超えた。
今回は、国王に決まった父バーフバリの水戸黄門的冒険譚から暗殺に至るまでが2/3、真相を知った息子バーフバリの復讐戦が1/3の構成。
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否定と肯定(2016年製作の映画)

4.5

ホロコースト否定論者が、著書で自分を批判した歴史学者を名誉毀損で訴えた実際の事件の映画化。
面白いのは英国の司法制度では、被告側に立証責任があるという点。
訴えられたリップシュタット教授は、名誉毀損で
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

4.1

正月映画らしいスター映画。
クリスティの原作もルメットの映画も、余りにも有名ゆえ、犯人探しのミステリだけでは辛い。
必然的に作品のポイントは、結末に至るまでをどう描くかになるが、さすがシェイクスピア役
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COCOLORS(2017年製作の映画)

4.3

コカラスと読む。
神風動画が自主制作体制で作り上げた、野心的な中編SFだ。
文明が滅びた未来、僅かに残った人類は汚染された地上を放棄し、地下深くに街を作り、必要な物だけ決死隊が地上から回収して来る。
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パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

4.3

パンク全盛の70年代カルトムービー風SF。
若い頃のP・マッカートニー似のパンクな少年が、遠い惑星から来たエイリアン少女のエルちゃんに恋をする。
滅びゆく彼女の種族は、それぞれ違った個性の6つのコロニ
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DESTINY 鎌倉ものがたり(2017年製作の映画)

4.2

"VFX"というより"特撮映画"と呼びたくなる、いい意味で適度に緩いレトロファンタジー。
現在設定なんだけど、昭和の旧車しか走っておらず、妖怪や幽霊が人間と共存してるもう一つの鎌倉が舞台。
新婚の作家
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探偵はBARにいる3(2017年製作の映画)

4.2

面白かった。
これ一作目は快作プログラムピクチュアだったんだが、二作目は話がゴチャゴチャしてテンポも悪く失速。
しかし今回は、要素を絞ったシンプルな作りに回帰して成功している。
例によって探偵と高田が
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ヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017年製作の映画)

4.1

世界的な大コケの話題が先行してしまったが、全然悪くないじゃん。
て言うかゼロ年代以降のベッソン作品で一番好きだ。
銀河の平和を守るエージェント、ヴァレリアンとローレリーヌが、図らずも数十年前に消滅した
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.7

素晴らしい。
病気で、生まれつき顔が変形してしまった少年が主人公。
彼が思春期を迎え、初めて学校へ通う1年間の物語。
今まで家族しか知らなかった少年の葛藤を軸に、物語が進むにつれて、彼の姉、初めての親
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.8

なるほど「COCO」がなぜこの邦題になったのか、これは納得。
音楽に憧れる靴屋のせがれが、ひょんなことから死者の国へソウルスリップ、家族の歴史に纏わる秘密を解き明かし、何代にも渡る誤解を解くべく冒険を
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レディ・バード(2017年製作の映画)

4.7

愛すべき佳作。
シアーシャ・ローナン演じる女子高生・自称"レディ・バード"のこじらせ気味の青春。
これはグレタ・ガーウィグ監督の、女優・脚本家としての代表作「フランシス・ハ」の前日譚の様な作品だ。
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ブレッドウィナー/生きのびるために(2017年製作の映画)

4.7

タリバン支配下のアフガニスタンを舞台とした、異色のアニメーション映画。
教師だった父が"イスラムの敵"として突然連行され、一家に残されたのは女と赤ん坊だけ。
男性家族の許可なしには外出さえ禁じられた異
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鋼の錬金術師(2017年製作の映画)

2.8

原作未読。
出来がどうこう言う以前に、世界観に違和感があり過ぎて入れない。
日本人しかいないイタリアで、「ウィンリイ」とか「マスタング」とか呼び合う。
正直コスプレショーにしか見えない。
「ジョジョ」
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火花(2017年製作の映画)

4.3

これは芸人だけじゃなく、まだ見ぬ何かを作ろうと、夢を追う人全てに当てはまる話。
自分の頭の中以外どこにも存在しないものの魅力を知ってもらうのは困難で、自分がオモロイと思ったものと、世間の反応とのギャッ
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